表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/62

16話 元パーティーメンバーからの依頼は、えっ、やめたい?



引き続きよろしくお願いします!




「……えっ、ソフィアからの依頼?」


正式に『レンタル冒険者』としての活動を始め、少しののち。

その依頼は、俺にしてみれば寝耳に水の話だった。


「そうだねー、もぐもぐ、うん、もぐもぐ、ソフィア・シュルツちゃん! もぐもぐ、同い年だって!」

「……食べるか喋るかどっちかにしたら?」


ミリリは無言で頷く。

手にしたフォークに刺さるは、ベイクドチーズケーキ。

なんと、ホールで頼んでいた。


ギルド内にある喫茶の、名物メニューらしいけれど、一人で食べる量ではない。


両頬をリスみたく膨らませるミリリ。もにゅんもにゅん噛んで、ごくん、と飲み下す音がした。


可愛い。


「えっへへ、味わいすぎちゃった。依頼の話だよね? そう、ソフィアちゃん。知り合いだったりするの?」

「知り合いもなにも……」


少し躊躇って、でも正直に言うべきだなと思った。

なにせ俺の新たなパートナーは、ミリリなのだ。


もう下手な隠し事は、しないほうがいい。


「俺が追放されたパーティー『彗星の一団』の弓士だよ」

「…………それ、ほんと?」

「うん。むしろ知らなかったのかよ。俺のことはともかく、ソフィアは結構有名だと思うんだけど」


言うまでもなく、その美貌ゆえにである。


「私、そういう噂ほんと疎いんだよ〜。

 ごめんね、ほんと。でも、今ならまだ断れるよ。

 ちゃんとヨシュアに相談してから、って思って、まだ正式に受けてはないから」


ふぬけきった顔でチーズケーキを貪っていたところから翻って、ミリリは真剣な目をこちらへ向ける。


別に同情してほしいわけでもない。

俺はつとめて、普段通りに返した。


「ちなみに。どんな依頼内容なんだ?」


単に気になる話だ。

不要とされ、たもとを分かったとはいえ、パーティーメンバーである以前に幼馴染み。


追放されたのだからもう関係ない。そんなふうに、簡単には割り切れていなかった。


「えっと、じゃあ言うね? 依頼内容がちょっと変わってるんだよね、これが。

 なんでもね。パーティーをやめたいんだってさ。リーダーをどうしても許せないみたいで」

「…………!」


これは驚いた。


俺が追放されたあとの『彗星の一団』はどうやら、うまくいっていないらしい。


サンタナが指揮をとっていると思えば、必然の話かもしれないが。

また独りよがりな、身勝手な行動を繰り返したのだろう。


「うん。そう言ってたよ。噛み噛みだったけど、頑張って聞き取ったから間違いないよ。

 詳しく教えてもらったらね。なんかもう、リーダーさんについていけないんだって。


 明らかに無茶なクエストを受けてきて、抱えてる任務が終わらないらしいの。でも、恩人からの依頼だから断れないって」


ローズさんのことだろうか。

たしかに、それならば放り出しにくいわけだ。


彼女には、パーティーとしてかなりお世話になっている。


「最近、大事な人が減った、って言ってたけど、ヨシュアのことだったんだね?」

「…………大事な、か」

「嘘をついてる感じはしなかったよ。私の直感は、占い師より当たるので間違いなし♪

 もしかしたら、ヨシュアのことを憎んでたのは、そのリーダーだけだったのかもね」


ミリリは、紅茶の入ったマグに少し口をつけて言う。


だったら俺に直接依頼をくれればよかったものを。

そう思いつつも、こうなったら調べないわけにはいかなくなる。


俺としては、長年の時を共に過ごした幼馴染を、やはりどこかでは信じたい気持ちもあった。


「受けよう、その依頼」

「いいんだね? 分かった。私は、ヨシュアの意思を尊重しますっ」



今回もお読みいただき、ありがとうございます。

楽しんでいただけますよう頑張ります。よかったらコメントやレビューなども気軽にお寄せください。


【恐れ入りますが、下記をお願いします】


・面白かった、楽しかった

・続きが気になる


などと少しでも思ってくださった方は、画面下部の☆☆☆☆☆を★★★★★にして応援して下さると嬉しいです。

ブックマークも歓迎です!(╹◡╹)


よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ