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大事な話って何かしら?

苺ちゃんがこれほどプロレスに、そしてカイザーにのめり込んでしまったきっかけを作ったのが苺ちゃんが8歳の時に亡くなってしまったおじいちゃんの影響でした。大のプロレス好きだった祖父が毎日のようにプロレス中継を見ていたものですから、それにつられて苺ちゃんも見始めるようになったのです。極限まで鍛え上げられた肉体美を誇る屈強な男達が時には技を競い合い、時には性根の腐った極悪レスラーを正義の技でやっつける。

そんな勧善懲悪のストーリーに惹かれていったのです。

学校にも男子はいますけれど、プロレスラーのように筋肉モリモリではありませんし、頑丈でもないのです。スポーツや勉強ができたり、イケメンの子もいたのですが、苺ちゃんからすれば、恋愛対象にさえならなかったのです。そして祖父が亡くなった後もプロレス愛は止まらず、今ではカイザーに恋心を抱くほどに熱中してしまったというわけでした。


そんなある日のことです。苺ちゃんはひとりの男の子から運動場の端にある大きな木の下に呼び出されました。

何やら、大事な話があるというのです。

興味を抱いて言ってみますと、そこには男の子が待っていました。


「大事な話ってどんなこと?」

「俺、ずっとお前のことが好きだったんだ! 付き合ってください!」


爽やかな風が吹き抜け、告白ムードを演出します。

苺ちゃんの柔らかなツインテールが風に靡きました。


「気持ちは嬉しいけど、ごめんね。私、他に好きな人がいるから、キミとは付き合えないんだ」


彼女の一言に少年の恋は玉砕され、があああぁんという絶望の文字が頭に浮かび、消えていきました。

傷心の少年をその場に残し、赤いランドセルを背負って歩き出す苺ちゃん。

帰路を歩きながら、白い頬をぷうっとお餅のように膨らませて憤慨しました。


「今月で2人に告白されるなんて!

いい加減にしてよ。私にはカイザー様っていう白馬の王子様がいるんだから!」

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