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「 ──コホン。
本日は、当銀河鉄道超特急■■■への御利用して頂き、誠に有り難う御座います。
私は当銀河鉄道超特急■■■の車掌をさせて頂きます。
ヴェイン・クローネルと申します。
終着駅迄、御客様の御供させて頂きます 」
マオ
「 こんにちは、車掌さん。
オレはマオです。
此方はオレの── 」
セロフィート
「 保護者のセロフィートです 」
車掌
「 セロフィート様,マオ様、宜しくお願い致します。
VIP専用車両に御乗車されると聞いてたのですが、親子で御座いましたか 」
マオ
「 親子に見えるんだ… 」
車掌
「 親子ではないのですか?」
セロフィート
「 マオはワタシの弟です 」
車掌
「 ご兄弟でしたか。
いやはや、仲の良いご兄弟で御座いますね 」
セロフィート
「 ふふふ。
兄弟となって10周年を迎えたので、記念旅行を計画してみました 」
車掌
「 記念旅行で御座いますか。
弟思いのお兄様を持って、マオ様は幸せ者で御座いますね 」
マオ
「 ははは……、そだね…。
自慢の兄ちゃんだよ… 」
車掌
「 そろそろ発車する時間で御座います。
座席へお座りください 」
マオ
「 うん! 」
セロフィート
「 マオ、左の座席に座ると遠ざかる銀河駅が見えますよ 」
マオ
「 そうなんだ?
じゃあ、そっちに座るよ 」
セロフィート
「 ワタシの膝の上に座ります? 」
マオ
「 座らないよ!
車掌さん、ダンディで紳士的な人だな。
善い人そうだし 」
セロフィート
「 好感は持てます 」
マオ
「 宇宙を走るんだよな?
窓って開けても良いのか? 」
セロフィート
「 問題ないです。
科学技術で作られた “ 高性能なバリア ” とやらが張られている様です。
窓を開けても酸素そ気きは無なくならない様ようになってます 」
マオ
「 へぇ?
酸さん空くう素そ気きは無なくならない様ように出で来きるなんて、科か学がく技ぎ術じゅつって凄すごいんだな 」
セロフィート
「 高こう性せい能のうなバリアが故こ障しょうして壊こわれたら、乗じょう務む員いんも乗じょう客きゃくも全ぜん員いん仲なか良よく窒ちっ息そく死ししますね 」
マオ
「 怖こわい事こと、言いうなよぉ〜 」
セロフィート
「 ふふふ♪
マオは大だい丈じょう夫ぶですよ。
不ふ老ろう不ふ死しは酸さん空くう素そ気きが無なくなても生いきれます 」
マオ
「 そうなのか?!
不ふ老ろう不ふ死しって凄すごいんだな! 」
セロフィート
「 そうですね。
マオ、窓まどは開あけません? 」
マオ
「 そうだった!
開あけるよ 」
セロフィート
「 開あける時ときに身みを乗のり出だし過すぎて落おちないでください 」
マオ
「 落おちるかよ!!
そんなポカしないって〜〜の! 」
セロフィート
「 はいはい 」
マオ
「 ──宇う宙ちゅうコズモにさ、こんなにデカい駅えきステーションを作つくるなんて、人にん間げんって凄すごいんだな。
魔ま法ほうマジックに頼たよってないんだろ? 」
セロフィート
「 そうですね。
塵ちりも積つもれば──と言いいますし、叡えい知ちを結けっ集しゅうさせて血ちの滲にじむ努ど力りょくをしたのでしょう。
数かぞえ切きれない程ほどの犠ぎ牲せい者しゃも出でた筈はずです。
顔かおも知しらない先せん人じん達たちの汗あせと涙なみだ,夢ゆめと希き望ぼう,決けつ意いと努ど力りょく,覚かく悟ごと犠ぎ牲せいの上うえに出で来きてます。
壊こわしたくなりません? 」
マオ
「 先せん人じん達たちの努ど力りょくぅ〜〜〜。
犠ぎ牲せいの上うえに出で来きた結けっ晶しょうなんだろ?
壊こわしたら駄だ目めだろ? 」
セロフィート
「 1体たい1人りの蟻あり人にん間げんなら大たいした事ことなくても集あつまれば脅きょう威いになり得えます。
其その集しゅう大たい成せいとも言いえますし 」
マオ
「 人にん間げんを蟻ありに例たとえるなよ…。
ダニよりはマシだと思おもうけどさ… 」
セロフィート
「 本ほん気きにしないでください。
壊こわしたりしません。
“ ガッポリ ” 出で来きなくなりますし 」
マオ
「 …………じゃあ、言いうなよ… 」
セロフィート
「 ふふふ。
マオの反はん応のうを見みたくて、つい♪ 」
マオ
「 セロ!
全まったくもう……。
──あっ、音おとが鳴なった! 」
セロフィート
「 汽き笛てきです。
列れっ車しゃが動うごきます 」