表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/263

File44 惑星ランレイへの貨物輸送⑥ いろんな思惑

主人公の出番は極少です!


あとがきをちょっと修正

 視点変換 ◇ライティス・グラザール◇


 ショウンのところで夕食をご馳走になり、自分達の船に帰った時には、それなりの時間になっていた。

「美味しかったですねえ。さすがショウンさんです! 末端価格天井知らずは伊達ではありませんでしたね♪」

 アルセリアは興奮冷めやらぬ様子で、料理の味を反芻(はんすう)しているような表情だった。

「そういえば昼間もそんなこと言ってたけど、なんなんだいその末端価格って?」

 実に幸福そうなところに大変申し訳ないけれど、気になっていた事を質問してみることにした。

「実は、オルランゲアの貨物輸送受付(トランスポートカウンター)の受付嬢の人たちの間で、ショウンさんの作ったデザートが仕事を頼むときの通貨みたいになってるんです。噂じゃあ有給休暇の売買まで行われているとか!」

「大丈夫なのかなオルランゲアのギルドは…………」

 アルセリアが、嬉しそうに、かつ興奮しながら話してくれた内容に、一抹の不安を感じてしまう……。

「けっ! いつかデザートの密造だか密売だかなんかでパクられりゃあいいんだよ!」

 ジャンは相変わらずだが、あれでも心配はしているんだろう。

 ショウンもそのあたりは一緒だろうしね。

 そう思いながら、帰り際に渡された袋をテーブルに置いた。

「ところでそれはなんですか?」

「ショウンからもらった、トルコライスとチョコレートプリンの余り。それとダックワーズだって。勿体無いから明日のお前の昼飯にでもしてくれってさ」

 ジャンに向かって袋を差し出し、ショウンの言葉をつたえてやる。

 すると案の定、

「まあそこまでされたら仕方ないから食ってやるか」

 嫌そうなセリフを吐きながらも、嬉しそうな顔をしながら袋を掴みとった。

 しかしその瞬間、アルセリアがその袋を掴んだ手を掴み取った。

「何をいってるんですか? トルコライスはお子さまランチなんですよね? 大人は食べないんですよね? 私は育ち盛りなんですから譲ってくださいよ!」

 そして、食事の時の話を持ち出して、お土産を奪おうとした。

 彼女はドラコニアル人なので、僕達より年齢は上だが、外見も精神年齢も育ち盛りの子供には間違いない。

「ざけんな! テメーはたらふく食っただろうが!」

「それぐらいドラコニアル人にはおやつです!」

 そしてその子供と真剣に喧嘩をする大人がいた。

「まあまあ。ショウンもジャンに食わせるつもりで渡してるんだから。アルセリアは今日はもうやめときな。それに、あんまり食べすぎると太るよ」

 その一言にアルセリアは一瞬固まり、

「…………わかりました」

 と、おとなしく引き下がってくれた。

 ドラコニアル人といえど女の子、『太るよ』の呪文は効果抜群だ。

 だがまあ、ガキ同然の成人男性には通用しないわけで…………。

「じゃあこのメシと菓子は俺のモンだな♪」

 袋を掲げて、勝ち誇った顔をアルセリアに向ける。

「ちょっとまってください! ダックワーズはさっきのメニューにはなかったじゃないですか!」

「うるせえ! これは全部俺のモンだ!」

 そうなると喧嘩が再燃してしまうことになる。

 なのでもうほおっておくことにした。

 既に2人は袋を掴んで、引っ張りあいまで始めていた。

 あんなに引っ張りあってたら破れておっこちるぞ。

 そう思っていた矢先、

「「あっ……」」

 2人の絶望の声が聞こえた。

「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」

 ほらやっぱり。



 視点変換 ◇???◇


 まったく…………なんでこないに早うバレたんや?

 朝方にあたふたしてる奴5人くらいにしか声かけてへんのに…………。

 絶対に1人か2人は出発してると思てたのに、誰1人として出発してへんとはな。

 最近の船乗りは薄情な上に根性の無いんばっかりで困るでほんま…………。

 あかん。こんなことゆうてたら追手が近づいてきよった!

 なんとかしてここからおさらばせんと…………。

 お! これはコールドスリープ機能のある脱出ポッドや! ついてるで!

 よし! 早速脱出と洒落こもか!

 まずは銭の入った財布と、巻き上げた銭、汎用端末(ツール)を服の隠しポケットに入れてと。

 手持ちの袋には、安もんの着替えに、偽造した身分証明書の入った汎用端末(ツール)に、偽金の入った財布。

 パンフレット各種に、拾うたタバコにライター、お気に入りのグラビア雑誌。

 これで銭を盗まれる確率は下がるし、とられても贋金(にせがね)やからな。

 贋金(にせがね)がバレても、防犯のためと答えたら信用される。

 さて、準備が終わったら、さっさとおさらばや!

 ハッチを開けて中に乗り込んだら、レスキューモードにして脱出や!



 視点変換 ◇第三者視点◇


 惑星ランレイ宇宙港にあるホテルのなかで、最も高級で、最も歴史があり、最も悪趣味なホテルのロイヤルスイートに、宇宙港(ポート)内に大名行列を再現した原因であるディウェンザー・オーシェクがいた。

「なに? ほとんど断られただと?!」

「はい…………色々と都合もあったらしく……」

「都合? この私の命令以上に優先するものなどあるわけがないだろうが!」

 気弱そうな青年、評議員補佐官のファグレス・コニサーズが、自分が要求したものを用意できなかった事に対して、高い酒の入ったグラスを投げつけた。

 コニサーズは避けることはせず、甘んじてそのグラスと中身の酒と氷を食らい、割れたグラスによって額から血が流れた。

 例え少々傷を負うことになっても、避けるとさらに面倒なことになるのが分かっているからだ。

「まったく。評議員たるこの私の誘いを断るとはな…………。『処理』はきちんとしておけよ」

「はい。それはしっかりと……」

 ここで言う『処理』とは、行方不明者がでるという事と同意であり、オーシェクの誘いを断った者は、余すことなくそうなることを示していた。

 オーシェクは、新しいグラスに酒をそそいで一口喉に流すと、ソファーに座り直した。

「それで、応じたのは誰だ?」

「この少年です」

 コニサーズは、額から流れる血をハンカチで押さえながら、汎用端末(ツール)を起動し、誘いに応じた少年の立体映像(ホロ)を見せた。

 その少年は、浅黒い肌に華奢な身体、あどけなさの残る中性的な顔をしていた。

 それを見たオーシェクは、いままでの怒りを綺麗に忘れ、にやけた笑顔を浮かべていた。

「おお、あの通路にいた浅黒い肌の少年か。なんとも柔らかそうな…………いやいや、利発そうな子だったな」

「はい。オーシェク評議員とぜひお話がしてみたいといっています」

 コニサーズは、オーシェクの明らかな失言を無視し、『対談』の開始をうかがう。

「では彼を私の部屋に。ゆっくりと朝まで語り合いたいからな」

 オーシェクは満足そうな笑みを浮かべながら、グラスに残った酒を飲み干した。



 視点返還 ◇ショウン・ライアット◇


 翌朝。

 昨日の食事会の料理の材料の残りを、どうしようかと考えながらテレビをつけると、衝撃のニュースが流れてきた。

『…………速報が入りました。評議員のディウェンザー・オーシェク氏が昨日未明に亡くなりました。死因は心臓発作で、惑星ランレイの視察の日程中に磁気嵐に遭遇し、取り壊しが計画されているランレイ宇宙港(ポート)内のホテルで宿泊したところ、その深夜未明に心臓発作が発症し、死亡したとの事です。事件性はなく、純粋な突然死であるとのことです……』

 マジか! の一言だった。

 磁気嵐が治まったと思ったら間髪を入れずにこれだ。

 あんな評判の悪い奴でも心労が祟ったんだろうか?

 まあ、また磁気嵐に巻き込まれないうちに、早いとこ仕事とって離れた方がいいな。



























 抹消される通信記録



 …………私です


 はい。無事完了しました……


 表向きは穏便にしておきましたが、少年との色欲の果ての腹上死とわかれば、いずれマスコミが食いつきます


 ……はい


 その辺りは抜かり無く


 あの少年も、家族の敵討ちができて本望だったでしょう


 ……はい


 ……はい


 そちらの処理は既に開始しています


 では失礼いたします


 評議長閣下……


 ピッ


 ふん……いい気なものだ……


 老害め……


 通信抹消

勝手なCVイメージ

ミィミス・ラッペリオ:遠藤綾さん


フィナ・ヴルヴィア:川澄綾子さん


カリス・ヴルヴィア:小西克幸さん


メイド マリエラ・カデム:上坂すみれさん


ウィルティア・ルナーシュ:能登麻美子さん


サラ・トライミナル:水橋かおりさん


ケビン・コールマン:下野紘さん


ジャック・ファルコン・ケイデイル:島崎信長さん


アーデント・ラツィム:渕上舞さん


ジャン・インフェッド:岡本信彦さん


ライティス・グラザール:阪口大助さん


アルセリア・イーベッツ:高橋李依さん


そしてついに主人公のイメージが朧気に決まりました。

男女が同じ人の場合:佐倉綾音さん

男女が別の人の場合

男時・金本涼輔さん

女時・東山奈央さん


以上失礼いたしました。


ご意見・ご感想・誤字報告よろしくお願いいたします


7/7 ミィミス女史のイメージを変更しました。

理由はいずれ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新楽しみにしております。 関西風のインチキ商人が出てきて今後楽しみです。 詐欺以外で主人公と遠からず接点があるのだろうか。 私気になります。 主人公の声優さん決まりそうですね。 個…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ