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File27 首都惑星ヴォルダルへの貨客輸送① 俺の元クラスメイトが評議員なわけがある

お待たせいたしました


多数の誤字報告、誠にありがとうございます。

自分だとどうしても気がつかないものなんですよね…


惑星リーシオの『新華祭』から7日。

俺の拠点でもある惑星オルランゲアで、船のメンテナンスと休日を楽しんだ俺は、仕事を受けるべく、カウンターにいた。

「ほい。昇進祝い」

「おー!覚えててくれたとは嬉しいなあ♪」

ササラはにこにこしながら、俺が差し出したプランスメリーのケーキボックスと、自家製のクッキーの入ったボックスを、いそいそとカウンターの下にしまった。

その一連の動きを、周りの受付嬢達が凝視していたのには、えたいの知れない恐怖を感じざるをえなかったが。


「さてと。今あるお仕事はこれだけかな」

ササラの出してくれた依頼リストには、実に様々な依頼があった。

一番多いのが『生鮮食料品』と『日用消耗品』で、『生鮮食料品』は冷蔵冷凍の施設があり、足の早い船が適任だ。

ここに依頼のくる『生鮮食料品』と『日用消耗品』の依頼は個人や企業用。

いわゆる『お取り寄せ』や『宿泊施設のアメニティ』なんかがメインだ。

次に多いのが、繊維・鉱石・木材チップなどの『原材料』だ。

これはとにかく積載量がものを言う。

時々は少量が来たりもするが、大概は大量だ。

次が『工業部品』。

俺が受けている依頼のなかで、一番比率が多いものだ。

俺はそのなかで、首都ヴォルダル行きの少量の『鉱石』いわゆる『希少鉱物(レア・メタル)』の輸送を選択した。

するとなぜか、ササラの近くの電話に通信(コール)が入った。

「はい。こちら配達受付ですが…はい…はい?急ですね。…はい…はい。わかりましたお伝えします」

ササラは電話を終えると、難しい顔をしながら俺を手招きする。

「どうかしたのか?」

「うん。実はね、ヴォルダル行きの船で客を乗せられる船に強制依頼がかかってて、今すぐに客を乗せてヴォルダルに飛べって指示がきてるんだよ」

「なんだそりゃ?」

妙な話だった。

この時間なら、普通の旅客船は稼働しているし、首都惑星のヴォルダル行きなら何本もあるはずだ。

「評議員からの強制依頼だから、断るに断れないんだよ」

が、その一言で全部理解出来た。

銀河共和国の評議員は、平凡・有能・無能の三種類で構成されていて、迷惑をかけるのは無能か平凡だ。

「めんどくせぇな偉いさんってのは…」

「お手当てはでるから頼むよ~」

「拒否できないんだろ?しかたねえ」

「たぶんもう船に向かってるはずだよ」

気は進まないが、強制であるなら仕方ない。

チェックを済ませると、直ぐに停泊地(アンカーレイジ)に急いだ。


「遅い!」

「は?」

「ルナーシュ様をお待たせするなど、どういうつもりだ?!」

急いでやってきたところ、緑の髪で顔立ちの整った若い男が仁王立ちで待ち構え、いきなり罵声を浴びせてきた。

誓って俺は寄り道をしていない。

話を聞いて直ぐに停泊地(ここ)にやってきたのだから。

「ルナーシュ様が到着するより前に準備をしておくのは当然だろうが!2秒も待たせよって!」

それを聞いた瞬間、俺は自分の頭に血が登ったのがわかった。

そんなの待ったうちに入るか!

ちゃんとアポイントメントの時間を決めておいて、10分20分待たされたというなら仕方がないが、緊急に仕事を押し付けられ、一直線に現場にやってきたのに、わずか2秒に激怒するとは、アホとしか言いようがない。

「まあいい。とっとと船をだせ!」

「申し訳ないが、まだ荷物を乗せていません」

「ふざけるな!この上さらにルナーシュ様を待たせるだと?貴様!不敬罪で死刑にしてやる!」

こいつは本物のアホだ。

銀河帝国じゃあるまいし、共和国の法律に無い罪を持ち出してんじゃねえよ!

俺はこいつを無視して荷物の積み込み作業を開始した。

「おい貴様!さっさと船をだせと…」

「いい加減にしなさい!」

俺を殴るつもりで近づいてきた男を、近くにいた女が止めた。

「ジェームス・ハンズクリット補佐官。私達は無理を言って彼の船に便乗させて貰うのです。それ以上の暴言は許しません」

「かしこまりましたルナーシュ様!」

女が諭すと、男・ジェームスは即座に反応して最敬礼の姿勢をとる。

ジェームスのその態度や行動・言動に、俺は覚えがあった。

天使(エンジェル)()宅配便(キャリアー)』の、リリーナ・フレマックス。

リーダーのヴィオラ・ザバルを愛し、自分の仲間内以外が彼女に近付くことを決して許さない同性愛者(レズビアン)

そいつの態度・行動・言動にそっくりだ。

つまり、補佐官(こいつ)は間違いなく評議員閣下(このおんな)の狂信者という事だ。


ハンズクリット補佐官(アホ)が頭を下げると、評議員閣下が俺に声をかけてきた。

「改めまして、私はウィルティア・ルナーシュ。銀河共和国の評議員を務めています」

どうやら評議員閣下(こっち)は多少はまともらしいので、俺も丁寧に挨拶をする。

貨物輸送業者(トランスポーター)のショウン・ライアットです」

「はい。存じていますよ♪」

「「は?」」

しかし、評議員閣下(かのじょ)の返答に、俺も補佐官(アホ)も呆気に取られてしまった。

しかし補佐官(アホ)は素早くフリーズから復帰し、評議員閣下(かのじょ)に子細をたずねた。

「ルナーシュ様!なんでこんな底辺のウジ虫をご存知なんですか?!」

しかし評議員閣下(かのじょ)補佐官(アホ)を無視し、

「久しぶりですね。ライアットくん。覚えていませんか?」

などと、話しかけてきた。

黒髪に切れ長の瞳。整った顔立ち。透明感のある声。

評議員だからニュースなんかには出たことがあるだろうがそれとも違う…もっと古い…

「あ…そうか思い出した!中学の1年と3年でクラスメイトだったウィルティア・ルナーシュ!」

俺がいっていた中学で、入学した年から生徒会に入り、2年からは生徒会長を卒業までの2年間勤めあげた天才だ。

すっかり忘れてたぜ。

「正解です♪」

その俺の答えを聞いた評議員閣下は、嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

それとは対照的に、不機嫌な表情を浮かべているのが補佐官だった。

「ル…ルナーシュ様?なんでこんなウジ虫に呼び捨てをお許しになられるんですか!」

「学生時代のクラスメイトですから」

補佐官の剣幕など何処吹く風と、嬉しそうな表情を浮かべていた。

「だとしても!今は身分が段違いです!ルナーシュ様は評議員!こいつは底辺の貨物輸送業者なんですよ!」

「輸送業を担う人達のおかげで、共和国の物流が保たれているのですよ?そのような発言は控えなさい」

「はっ!申し訳御座いませんでした!」

補佐官の発言に一瞬むかついたが、評議員閣下がそれをたしなめる。

すると補佐官は即座に謝罪をするという、鉄板の流れを見せてくれた。

しかしそこに、余計な一言が加わった。

「謝るのは私にではありません」

そのルナーシュの言葉に、まるで女神に叱責されたように愕然となり、次の瞬間には、俺を憤怒の表情で睨みつけたあと、

「も・う・し・わ・け・あ・り・ま・せ・ん・で・し・た!」

不本意全開で謝罪をしてきた。

「わ…わかったわかった。さして気にしちゃいないよ」

「なに?ならば謝罪損ではないか!」

わー。こいつだけ生身で宇宙空間に放り出してやりたい。

「くっ…まあいい。さっさと入り口を開けろ!」

宇宙港(ポート)における貨物発着場の規則で、貨物の積み降ろしの最中は、作業者以外は船に乗り込んではいけない事になってる」

ようは、持ち逃げや事故防止のためだ。

「なんだと!ルナーシュ様にこんなところで待てというのか?」

「荷物の積み込み作業が始まる前に、そっちがここにきたんだろうが!」

貨客船に便乗するのだから、それぐらいは予測できそうなものだろうに。

「宇宙港の規則です。私達が破るわけにはいきません」

「ははっ!」

そしてやはり、評議員閣下の一言で、態度を180度変更した。


そのうちに、荷物が積み終わる。

希少鉱物(レア・メタル)の上に量が少ないため、俺の船にも乗せられるし、積み込み作業も手早くすむ。

「…積み込み完了。各部チェックもよしと…。またせた…と、お待たせしました。どうぞ」

「ふん…。ようやくか…。さあ!ルナーシュ様どうぞ!」

そうして、3()()()()は船に乗り込んだ。


そして予想通り、補佐官(アホ)が難癖をつけてきた。

「みすぼらしいなまったく…。おい!ルナーシュ様の御部屋はどこだ?」

「そっちの2つがベッドルームになってる」

「階段の上は?」

「俺の私室だ」

「広さはこのラウンジスペースと同じくらいか?」

「まあな」

「よし。そこをルナーシュ様の御部屋にする」

その言葉に、俺はこの、ジェームス・ハンズクリット補佐官の正気を疑った。

「アホか!俺の私室ってことは船長室ってことだ!船長室・艦長室は相手が誰だろうと明け渡しは不可だ!宇宙航行法にも明記されてるんだぞ!」

これは元々は惑星上の船の習慣らしいのだが、『船上においては誰に指揮権があるのかを明確にしておかねばならない。そうしなければ船は行き先を失う』晋蓬皇国(しんほうおうこく)(ことわざ)という奴だと『船頭多くして船山に登る』という理念から、船に乗った時は、例え評議長だろうと銀河帝国の皇帝だろうと、船長室・艦長室を明け渡すことは許されないし、要求することも許されない。

元々は軍艦にだけ適用されていたのだが、いつの間にか民間船も条文に入っていたらしい。

ちなみに銀河帝国の貴族達は、こぞって艦長や船長になりたがるらしい。

なんでも、銀河航行法を利用して、皇帝よりいい部屋にいるという実感が欲しいためらしい。

「評議員の私が法律を破るわけにはいけませんね」

補佐官(アホ)は、ルナーシュ評議員の一言で、舌打ちをしながらも文句を言うのをやめ、

「ではルナーシュ様は此方の寝室を、私は隣を使いますので。おい。荷物を部屋にいれろ。あと、お前はソファーだからな」

「かしこまりました」

お付きの使用人らしいスーツの女性に、力仕事をさせ、ソファーで寝かせるらしい。


カリス・ヴルヴィア(まえのきゃく)とは、逆の意味で大違いだ。

ショウンの中学生時代の知り合いの1人の登場です。


外部fileで歯を折られてもいいといった委員長とは別人です。


毎回執筆量が安定しないのはどうすればいいでしょうか?


ご意見・ご感想・誤字報告よろしくお願いいたします

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[良い点] こんな客と同じ船だなんて無理無理カタツムリ
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