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File10 惑星オルランゲアへの貨物輸送③ 航海練習艦制圧  

まことに御待たせいたしました。


文章が浮かばない

浮かんでも綺麗に収まらない

大変でした

扉の向こうから姿を現したのは4人。

背の高い筋肉質の男。

背の低い小男。

にやついた顔の太った男。

細身で、腰にでかいホルスターを下げた男。

4人ともが養成学校の制服を着ていた。


「おいおい。なんであいつら抜け出してるんだ?」

太った男が、俺の後ろにいる連中を見て、顔を歪ませる。

「ちっ!マッコイの奴が起きてる。ロックをはずしたのか」

小男が、男子生徒の1人・マッコイを見て不愉快そうに舌打ちをする。

「で、あいつがさっきの運び屋だな」

「捕まえにいった連中はやられましたか」

背の高い筋肉質の男と、細身で腰にでかいホルスターを下げた男は、生徒達には目もくれず、俺を見つめてきた。

「なに呑気にしてるんだよ!早く捕まえないと」

小男は慌てた様子で怒鳴る。

が、隣にいた太った男は

「いいじゃないか。逆らわない限り手は出さない。逆に言えば、逆らったら手を出して良いって事だ」

と、後ろにいる女子生徒達をにやついた顔で眺めていた。

「確かにそうだな」

その言葉に、小男もにやついた顔になる。


対して、監禁されていたほうの6人は、操舵士のミュナン以外は相手を睨み付けていた。

「あんた達…一体どういうつもりなのよ!?聞いたわよ。貨物船を無差別に襲ったって」

艦長のマリーダが前にでて怒鳴り付ける。

が、彼等は彼女を無視し、

「おい運び屋。あの連中を倒してきたってことは、それなりの腕ってことだろう」

ガタイのでかい男が前に出てきた。

「ちょっと!私の話を…」

「俺はダグ・ラムキンクス。勝負しな、運び屋」

ガタイのでかい男は、マリーダの存在を無視して、拳を構える。

俺はため息をつくと、マリーダを下がらせ、知りたかった事を訪ねてみる。

「1つ聞きたい。俺の船にこの船をぶつけてくれたのは誰だ?」

するとガタイのでかい男・ダグがニヤリと笑い、

「俺だ」

俺の船を破壊した張本人だと名乗った。

「いい腕だ。軍でも重宝されそうだな」

「当然だ!だからこそこの俺があのチビの下にされたのが気に食わねえ!」

ダグは、俺の後ろにいるミュナンを睨み付ける。

ミュナンはそれに怯え、マリーダの後ろに隠れる。

正直それは俺も一瞬考えた。

「だがまあ、俺の船を破壊したのは間違いない」

俺は短針銃(ニードルガン)をホルスターにしまうと、軽く拳を構える。

「お前ら、邪魔はするな」

ダグは後ろの3人にそういうと、一歩前へでると同時にダッシュで間合いを詰め、左フックを放ってきた。

幸い顔を狙ってきたので、ダッキングでかわしつつ、左脇腹を狙って右フックを放った。

が、ダグはそれを左腕と左脚でブロックし、脚を下ろす動作と共に踏み込み、右ストレートを放った。

距離も近かったために、両腕でクロスブロックをするしかなかった。

同時に間合いが空き、仕切り直しの空気になった。

相手もそれを理解し、首や肩を回し始めた。

「やるじゃねえか。運び屋やってんのが不思議だぜ」

「時々荒事があるからな」

俺もある程度身体をほぐすと、ゆっくりと拳を構える。

「そうか。だが残念だったな。この俺の白兵戦の成績は学年一だ!」

ダグは、さっき以上のスピードで間合いを詰めてきて、右ストレートを振りかぶってきた。

俺はそれを大袈裟にかわすと、ダグのこめかみに短針銃(ニードルガン)を一発放った。

やっぱり頭に麻酔針をぶちこむとよく効く。


「ひ…卑怯だぞ!」

「そうだ!銃なんか持ち出しやがって!」

デブと小男が、俺に文句を言い始める。

多分、自分の仲間が負けるとは思って居なかったのだろう。

「実戦に卑怯もくそもあるわけないだろう。警戒しなかったこいつが悪い」

「くそっ!」

自分の不利を悟ったのか、デブと小男は逃げ出そうと(きびす)を返す。

その後頭部に、綺麗に一発ずつ打ち込んでやった。

そして、ずっと動く様子の無かった、細身の男に顔をむけた。

「助けなくてよかったのか?」

「敵前逃亡する輩を、助ける趣味はないのでね」

細身の男はゆっくりと前に出てきながら、ホルスターに収まった銃を抜き、くるくると回し始める。

「それより、見ていてわかったよ。あんたは俺と同じ。ガンファイターだってな」

男は銃を回すのを止め、ピタリと銃口を向ける。

「『ドラクーンバイト』とはな。趣味はいいが、学生がチョイスする銃じゃねえな」

俺の言葉に、男は嬉しそうに笑い、

「コルテス社製リボルバー型カートリッジ式ブラスター。別名『ドラクーンバイト』これの良さがわかるとは、やはりあんたは俺と同類だな」

自分の銃をうっとりと眺めると、また銃をくるくると回し始める。

「俺はレグスカ・ナルンガン。ガンファイター同士、早打ちの決闘といこうじゃないか」

レグスカは俺の正面に立つと、銃をホルスターにしまった。

「わかった」

俺はそう答えた瞬間に、レグスカの眉間に一発叩き込んでやった。

そして奴はそのままの体勢で後ろに倒れた。

「ちょっ…ちょっと!早打ち対決をするんじゃないの?」

「だから早打ちをしたじゃないか」

マリーダは、倒れた4人を拘束し始めた俺に、驚きながら声をかけてくる。

ほかの5人も、何やらぶつぶつ言っているが、気にしないことにする。

それにしても、どうして『ドラクーンバイト』をもってるやつは、いちいちガンアクションをしないと気がすまないのだろう。

同業者に何人かいて、全員がアレをやるんだが、うざくてしょうがない。


4人を縛り上げると、残ったのはブリッジにいる2人と、未だに出てこない残りの生徒だ。

案外全員でブリッジにいたりするかもしれないし、でてこないならそれでいい。

ようやくブリッジの入り口にたどり着くと、銃の残弾を確認する。

学生達も、いつの間にか手には武器をにぎっていた。

「いくぞ」

俺は扉に近づく。

扉が開くと同時に、

「遅かったな。積み荷は確保したのか?」

「私の宝石なんだから盗むんじゃないわよ」

ガキ大将のデルノフ・ムスタグの声がした。

こちらに背をむけた状態で艦長席(キャプテンシート)に座り、女といちゃついているらしい。

「悪いが、そんなものは積み込んだ覚えがないね」

そう答えると同時に、艦長席(キャプテンシート)を蹴りつけてこちらを向かせ、銃を突きつける。

向こうも銃くらい持っているかと警戒していたのだが、そんなこともなく、

「なっなんでお前がここにいるんだっ!」

「なによあんた!」

無防備な姿をさらしてくれた。

「お前のお友達は全員捕縛した。観念したほうがいいぞ」

俺は冷静にそう勧告するが、後ろの方はそうではなかった。

「ムスタグーっ!」

マリーダが、チタンパイプを振りかざしてデルノフと女に対して思い切り振り下ろした。

「「うわーっ!」」

デルノフと女は慌てて逃げる。

同時に、ガキン!という音とともに、艦長席(キャプテンシート)の金属部分がへこむ。

「逃げるなこのクズ野郎!」

「ひいっ!」

マリーダは鬼の形相でデルノフに襲いかかる。

「たったすけてくれっ!この女に殺されるっ!」

マリーダのチタンパイプを必死でかわしながら、俺に助けを求めてくる。

「なんで船を乗っ取り、海賊行為をやったんだ?理由を話せば彼女を止めてやる」

「船を乗っ取ったのはひいっ!司令官の息子である俺が艦長になれないのはおかしいからだ!船を襲ったのは、小遣い稼ぎのためと、積み荷をパメラが欲しがったからだ!喋ったぞ!早くこの女をとめろ!」

デルノフは必死に逃げながら懇願する。

「マリーダ嬢。殺したら意味がないぞ」

このままだとデルノフを殺しかねないので注意すると、

「そ…そうね…」

マリーダは荒い呼吸をしながら、攻撃を中止した。

同時に俺は、もうひとつの入り口にむけて引き金を引く。

針の弾丸が壁に当たり、金属音を響かせる。

「ひいっ!」

「どこに行くのかなお嬢さんは」

それに反応して、砲手のヘレンが、パメラを捕まえる。

「私は共和国評議員リッチェルド・ディエゴの娘なのよ!こんなことしてただですむと思ってるの?」

パメラは拘束されているにも関わらず、傲慢な態度と口調をやめない。

その理由は、親が評議員だからという理由らしいが、一応質疑応答をしてみることにした。

「じゃあどうなるんだ?」

「きまってるでしょ?御父様に頼んで貴方たちは即刻死刑よ!」

「船を襲ったり、その乗員を殺したのはどうするんだ?」

「御父様が揉み消してくれるわ。今まで何回もやってくれたんだもの。ああ、貴女達がやったことにしてもいいわよね」

にやにやしながらマリーダ達をみつめる。

その言葉に、マリーダ達から殺気がにじみ出た

「それは本気でいってるのか?」

「当たり前でしょ?わかったらさっさと私を解放しなさい」

その殺気に気づかず、パメラは俺に解放するように命令する。

すると、パメラの話を聞いていたデルノフが、

「そうだ!お前にも今まで手に入れた積み荷の分け前をやる!だからこいつらを始末しろ!」

パメラの案に乗っかる形の提案を、俺に持ってきた。

さらに、俺の短針銃(ニードルガン)を殺傷用と判断しているらしい。

「それは殺せと言うことか?」

「女は楽しんでからでもいいぞ?」

「なるほど」

俺が銃を持ち上げたのを見て、デルノフは嬉しそうな表情を浮かべた。

だがもちろん。

照準はやつの額に決まっている。

「おい…よせ…俺は銀河共和国防衛軍東部方面司令官アルバンセ・ムスタグの息子だぞ?俺の命令を聞いた方が確実に美味しいおもいができるんだぞ?!」

デルノフは必死に俺を説得しようとする。

「俺は軍隊に入る気はないんでな」

そういって引き金を引く。

弾丸はデルノフの頭の真横の壁に当てたのだが、気絶して失禁してしまった。


その光景を見て、俺がその話に乗らないと判断したパメラは、急に俺に話しかけてきた。

「ねえあなた、私を助けなさい。私を助けてくれたら、この私がデートをしてあげてもいいわよ。どうせあなたみたいな配達業者は、女性そのものに縁なんかないでしょうからね」

どうやら交渉をしているつもりらしいが、頭が悪すぎる。

俺はパメラに歩み寄る。

彼女はそれを、俺が助けてくれるものとおもったのか、

「ほら、さっさと私を解放しなさい!」

ヘレンに苛立ちながら命令する。

俺はパメラの額に銃を突きつけ、

「悪いが女には不自由してない」

女に変身した。

「シュメール人…」

もう一人の男子生徒のヨハンが、ポツリと呟いた。

自分が取引材料にならないと理解し、突きつけた銃の恐怖に震え始めた。

「わっ…私は銀河共和国評議員の…」

「しってる」

さらに取り引きだか命令だかをしようとしたが、聞きあきたので銃の引き金を引いた。

銃で狙われるのも怖いですが、

鉄パイプで襲われるのも怖いですよね


コルテス社製リボルバー型カートリッジ式ブラスター。別名『ドラクーンバイト』

つまりはコ◯トSAAです


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― 新着の感想 ―
[一言] 「マリーダ嬢。殺したら意味がないぞ」「そ…そうね…」 何の意味?
[良い点] いわゆるコスモドラグーンじゃんwww
[良い点] 銃の名前とかそういう知識の幅の広さに驚かされる。博識なんだなって。素晴らしい。1日に1話以上、楽しみに読みます。
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