11
そしてまたとある日俺は自販機でコーヒーを2本買い図書室で仕事してる姫野に差し入れた。
「ほれ」
姫野に渡すと怪訝な顔をされた。
「なんで図書室にそんなもの持ってくるの?バカなの?」
「言うと思った。まぁ姫野にいつもお疲れさんってことで」
「ふん、でもありがとう」
少し姫野が笑った?ツンツンしている姫野も可愛いけど笑うと整った顔も相まってとても綺麗だ。
「‥‥いただきます」
プシュッと開けコーヒーを飲む。
「ブラックで良かったか?」
「コーヒーは苦いのが好きなの。何にも混じり気なくて‥」
「ふーん、あのさ‥‥今日一緒に帰らね?」
「ブッ!?ゲホッゲホッ」
言った瞬間俺の顔にコーヒーがかかった。リアルにここまで吹き出す人初めて見た‥‥
「は、はぁ!?」
「あー‥‥」
すると姫野がコーヒーがかかって顔やらブレザー、シャツなども汚れた俺を見てあっと青ざめた顔をしている。というか姫野の服も汚れてるけどな。
「あ、ああ!ごめん、わざとじゃなくて‥汚いよね」
すると姫野がテンパって俺の頬を手で押さえもう片方のブレザーの袖で俺の顔をゴシゴシ拭いた。焦ってるのか結構近い。姫野の髪の毛のいい匂いがすぅ〜っと香る。
拭き終わると珍しくごめんなさいと呟いてシュンとしている姫野がいた。
「あ、まぁ俺のせいでもあるしいいや」
「ちょっと待ってて!」
そして姫野が図書室から出て行った。
そして程なくして戻ってきた、ハンカチを水に濡らしてきたのかな?手にハンカチ持ってるし。
「ブレザー脱いでくれる?」
そう言い俺はブレザーを脱いだ。すると姫野はシャツについてシミになった所を拭いていく。一生懸命になっているのか俺の肩に手を置き濡れたハンカチでシミを拭いていく。
ちょっと顔を動かせばキス出来そうな距離なのに。
「すぐ洗った方がいいね‥あの、その‥」
「ん?」
「洗うから私の家に来て?」
一緒に帰ろうと言った俺だがいつの間にか姫野からそう言われた。