10
姫野とはそれから何度か図書委員として一緒に行動した。
いつもあいつは俺と一緒にいると不機嫌そうだ。
今も隣で歩いてるこいつは表情を若干きつくさせている。
そして姫野に視線が行くと
「何?」
うわー、今日もツンツンしてるよ。デレることあるのかな?
「あー、姫野ってさ白石さんと一緒に住んでるんだって?」
「それがどうかした?」
「いやぁ、お前がそんなんだと白石さんも大変そうだなぁって」
「私いつもこんなんじゃないし。あんたの前だとこうなっちゃうの!」
「へぇ?それは俺に気を許してるってこと?」
「はぁ!?」
あ、姫野が赤くなった。
面白いやつだな。
「あれ?図星?」
「ふざけんなッ!誰があんたみたいないい加減な奴に」
「あー、姫野みたいな美少女と一緒の図書委員なんて最高だなぁ」
「‥‥」
「あれ?そこは私も飯塚君みたいな美青年と一緒で幸せ〜とか言っとくんじゃない?」
「本当あんたって私をイライラさせるわね」
いつも姫野に文句を言われながら俺は図書室で姫野と話す、なんか心地いい空間だな。
「あ、姫野。転んだとこ治ってよかったな。お前って意外とドジだよなぁ。この前なんか図書室のドア開けたと思って顔面ぶつけてたし」
「悪かったわね!ドジで」
「いや、そんなとこ可愛いなって」
そして姫野の頭にポンと手を置く。
見る見るうちに姫野の顔が赤くなっていく。
「うっさい!」
手を払って姫野は図書室の奥へ行った。
俺は段々と姫野に夢中になっていた。
可愛いから?まぁそれもあるけどなんか放っておけないような‥