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第1話 召喚

科学が進歩しすぎた未来。

その星は、人類の半分以上が死滅し、人が住めない星になりつつあった。

事態を迅速に解決するべく、星再生化計画が法案される。

その星再生化計画の責任者となった私は、ある一つの秘策があった。

この科学が進歩した世界に対し、あえて、非科学的な方法をとる。

科学で死滅する人類を救う為に、超自然的エネルギーに頼るという秘策であった。

それは「魔法」。

科学者たちがこぞって笑い転げる魔法で、この星を救う事で、

頭の固い、この星を再生する。

文明のレベルを遡り、機械に頼る事のない時代まで「巻き戻す」。

その為には、人知を超えた知識とエネルギーが必要になる。

この計画の内容を知るものは少ない。

必ず成功させる。絶対にだ。


「主任、準備が整いました。」


私の部下たちは優秀だ。

大変申し訳ないのだが、名前がわからない。

この秘匿な計画について、私以外のスタッフは、ある一定の日にちが経過すると入れ替わる。

どれだけ口が堅い人間であっても、これだけ特殊な内容であれば

何かの拍子に口を滑らせてしまうかもしれない。

そしてこの特殊すぎる「儀式」は、世間に決して知られてはいけない。

余計な不安と、過度な期待を持たせてはいけないからだ。


「すぐに取り掛かる。もう私達には時間がない」


名前を覚えるより先に入れ替わってしまうスタッフたちへ指示を出す。

このシステムは私個人に対しても絶大な効果がある。

私情が一切生まれない。


「第一層結界突破。第二層へ突入、継続して経過観測」


異次元の存在を「召喚する」。

現代において、魔法を発現する事は不可能。

人間という種族において、魔力という概念はない。

ゆえに、魔法が使える存在をまるまる呼び出してしまうという方法だ。

次元が違う存在を呼ぶ。

この世の理を破壊し、向こう側までのゲートを開く。


「主任。いよいよですね。」


無機質に、事務的に、冷静に報告される。

表情は興奮しているように見えるが。


「ああ、人類にとって初めての試みだが、失敗するわけにはいかない」


「第78層まで突破、理論上異世界へ繋がります。」


私達の少ない知識で、計算した結果この世界とあちらの世界は78層の隔たりがあるとわかった。

だが、この数字すら私達が観測したものにすぎず、もちろん誰も正しいとわからない。

失敗して当たり前の儀式に、興奮せずにいられないのだろう。


「繋がりました。いえ、たぶん、繋がったと思います。・・・わかりません。」


逆に安心する。

こんな事断定などできるはずもない。


「わかった。では、ステージ2へ移行。何があっても計画通りに遂行しろ」


「はい」


この計画の内容はこうだ。


まず、この世界とむこうの世界の隔たりを破壊する。

次元を超えて干渉できるものは、光と音。

これを限界まで高め、ぶつける。


むこうの世界まで届いた所で、穴が開いたと仮定し、向こうの存在を一人、引っ張ってくる。

つまり拉致だ。


その存在に、魔法が使えるであろう仮定をしたむちゃな計画だ。

ここまでくれば、なぜこの計画が世の中へ秘匿されているかわかってもらえるであろう。


拉致、そして強制だ。


「対象A、捕まえました。いえ、恐らくですが」


「引っぱり出せ」


特殊なサングラスをしていなければとうに目をつぶれている光の中から、

人影が出てくる事を願う。そう祈りだ。


「磁場が不安定です、今にも崩れてしまう程の」


私は黙る。だからなんだというのだ。


そして、ついに私は星再生化計画を施工させた。


「ここは・・・どこ?」


ようこそ、地獄へ。

人生で初めて小説を書いてみましたが、こんなにも難しいとは…。

勉強、勉強。

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