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貧乏見習い召喚士

「今日こそ価値のあるものを召喚してお金を稼ぐわよ!」

私は魔法陣の前で元気よくそう言った。

「やれやれ、そんな事言ってまた失敗するんじゃないの?」

飼い猫のソラは呆れたような口ぶりで言う。

「前だった張り切ってた割に失敗したじゃないか。今度失敗したら本当に飢え死にしちゃうよ」

「失敗じゃないわよ。ちゃんと召喚に成功したじゃない」

ソラは部屋の隅に積んであるものに目を向ける。

「もしリリィの言う成功が、もしあそこに積んであるガラクタのことを言ってるのなら、早く売ってくるといいよ」

「あ、あれはガラクタじゃなくて立派な魔道具よ。確かに魔力が切れてるせいで動かないけど……」

「動かない魔道具なんて誰も買ってくれるわけないじゃないか。……そもそも誰かさんが仕送りで本を大量に買わなければこんなことにはならなかったのになぁ」

よし、今度から節約の為にソラの猫缶のランクを下げよう。

「まぁとにかく、今度こそ成功させておくれよ。リリィの魔力じゃ次に召喚が出来るようになるには最低でも1週間はかかるんだから。」

「わかってるわよ。私も今日から1週間もご飯を我慢するわけにはいかないしね。」

「さぁ、召喚を始めましょ」

私は気合を入れて魔法陣の前に座り、詠唱を始める。

詠唱に呼応して魔法陣が淡い光を放ち始める。

詠唱が進むにつれて光はどんどん強くなっていく。

「こんなに光るものだっけ?」

ソラが私に尋ねるが、ここまで光るのは私も初めてなので困惑する。不審に思いながらも詠唱を継続する。

そして、唱え終わると同時に眩い光が放たれ、視界が白く塗り潰した。

光が治るにつれて、ぼんやりとしていた視界が徐々に鮮明になっていく。

果たして、魔法陣の上にはーー-見知らぬ少年が寝ていた。

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