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それ、イケメンに限ります?   作者: 夢呂
相手の気持ち、自分の気持ち
34/40

嫉妬の先に得たもの(奏太目線)

ジョーと何を話してたのか、親密な二人の雰囲気に嫉妬に狂っていた俺は我慢できなかった。


こうして怒りを留羽にぶつけて…―――文字通り“ただの八つ当たり”ってやつだ。


分かってるのに、止められなかった。


「俺はこんなに好きなのに、留羽は…ーーーー」


俺が文句を言おうとした口を…、留羽の小さな唇がそっと塞いだ…。


そして彼女は、涙を堪えてもう一度謝罪の言葉を口にした。


「ごめん…」


―――ちょ、待て…っ!?い、今キスした?


俺は反射的に口元を手で押さえる。


「私の方が好きで…ごめん」


「?」


一生懸命答えを出そうとしたけれど、現在思考回路ショート中。


留羽の言う“ごめん”の意味が、どういう意味か分からない。


というか、留羽からキスされたことで、衝撃ハンパないし。




すると、留羽がボロボロ涙を流し出して、顔を覆いながら言った。

「――――…き、嫌いにならないで…」



――――…ねぇ、なにこれ。

襲って良いのかな?良いってことだよね?


いやいや、泣いてるし…、今はダメだよな。


可愛い泣き姿の留羽を押し倒したい衝動を、なんとかわずかな理性で止めながら尋ねる。


「留羽?嬉しすぎる告白してくれたのに、なんで謝るの?」


―――嫌うわけないじゃん。


というか、留羽より俺の方が好きだという自信あるし。


俺が留羽の頭をポンポンして顔を覗き込むと、

留羽は泣きじゃくりながら話す。



「奏太、相手…の、気持ち…の方が上回ると、冷める…んでしょ?」


―――はい?…―――なんだよそれ。



「私…奏太に、嫌われたくなくて…。」


―――だから“ツンデレ”だったの?




『留羽が甘えてきたらどうする?』


柏木さんがさっき言っていたことは、そういうことか。



俺はニコッと笑って、留羽を見つめる。

「やっぱり許さない」


「え…?」


「おしおき、決定、な」




――――…ねぇ留羽、もっとお互いを知ろうか?


とりあえず、不安がなくなるまで…ーーーもっと。

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