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ツンデレな彼女(奏太目線)
「奏太がそういうことするなら、私もう一緒に勉強しない!」
――――ねぇ、本気で言ってるの、それ?
そんな頬を赤らめて、熱っぽく潤んだ瞳で俺を見つめるのに?
留羽はいつも、俺が触れようとすると拒絶する。
正式に付き合い初めて1ヶ月。
まだキスすらさせてもらえない。
――――俺のこと、好きだって言ったよな?
もしかして、またうわべだけ?
こうして早朝に、学校の空き部屋で勉強会して。
二人きりでいるのに、勉強?
今朝のラブレターを貰うところもバッチリ見ていたのに、
留羽は嫉妬するどころか、気にしてもいない。
「ごめん奏太、この問2なんだけど…―――」
結局いつも、俺だけが君を意識しているみたいな…ーーー。
「ん?どれ?」
俺は、留羽の指差す問題を覗き込む。
息がかかるくらいの至近距離に、留羽の可愛い顔があった。
―――ちゃんとこっち向いてよ、留羽。
拒絶なんてしないで、受け入れて…―――――。




