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可愛い妹は俺が護る(然目線)
「そっか」
留羽がそう言うときは、大抵「もう関わらないでおこう」という意思表示が含まれる。
せっかくバイトを休んで、妹の護衛のためにこうして迎えに来たのになぁ…。
でも、隣を歩く留羽の横顔が天使のように可愛らしいので許す。
「ん…?」
俺が振り返ると、留羽が上目遣いで見つめてくる。
「どうしたの、お兄ちゃん」
「いや…何でもない」
心配かけまいと、天使のように可愛らしい留羽に微笑みかける。
――――少し離れたところだが、予備校からずっと同じ距離で人の気配を感じる。
歩く速度を俺たちに、“明らかに”合わせている。
まさか留羽のストーカー!?
もしそうなら絶対に許さない。
俺の天使には、指一本触れさせないからな…!
「お兄ちゃん、さっきから心の声が駄々漏れだけど」
留羽が冷ややかな視線を向けながら、言う。
あー、こんな冷ややかな視線をくれる留羽も、可愛いなー。
「照れるとこ?キモいんだけど」
留羽、どんなお前も兄ちゃんは大好きだ!!




