表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/40

他人とはちょっと違う恋の悩み(奏太目線)

また悪い癖が出てしまった。


俺はなぜか好きな子を目の前にすると、何かの拍子に“理性ぶっ飛びスイッチ”が入る…―――。



七瀬野さん…ーーすっかり身構えてたよな…。


昨日はおまけにお兄さんからまさかのデートのお誘い。

デートというか、果たし状?


――――問題山積みだ…。


「奏太、さっきからため息つきすぎ」


ジョーが、少し不機嫌そうに言う。


確かに目の前でため息ばかりされたら、気分悪いよなー。


「ご…」


「女子達、“憂いのある奏太くんもステキー”とかって、さっきからうざいんだけど」


謝ろうとした俺は、ピタッと口を閉じる。


――――なんだ、ただの僻みかよ。謝ろうとした俺の気持ちを返せ…。



「どうでもいいし」


クラスの女子とか、興味ないし。

そんなことより七瀬野さんと自分のことで頭がいっぱいだし。



「おい、奏太」


「何だよ」

ジョー、しつこいぞさっきから…!

と言うおうとして、ジョーを睨む。


「折角教えてやったのに…」

ジョーが廊下を指差して、また不機嫌そうに言う。


――――ごめん、ジョー。しつこいとか思って!


心の中で謝ると同時に、俺はすでに廊下にいた。


「な…」

じゃなかった、

「留羽…」


皆の前では名前で呼ぶの、まだ慣れないな…ーーー。


「奏太、話したいことがあるんだけど」


「――うん?」


うつ向いた顔も、可愛いな…ーーー。






使用されていない教室で、二人きり。

これ俺、大丈夫か…?

またへんなスイッチ入らないといいけど…ーー。




「あの、昨日のことなんだけど…ーー」


すごく言いにくそうに、七瀬野さんが口を開く。


昨日…ーーー?


あぁ、お兄さんに言われたこと?


「ダブルデートの話?」

俺が言うと、少し間があってから七瀬野さんが頷く。


「…うん」


あれ?なんか違った?


「お兄ちゃんのことだから、色々お互いをどれだけ知っているのか聞いてくると思うんだ、だから」


「対策立てないとね!」


俺がそう言うと、七瀬野さんが少しだけホッとしたように頷く。


「じゃ早速、今日の放課後空いてる?」


―――なんか、デートに誘ってるみたいで照れるな…。


「…うん」


なぜか七瀬野さんも照れたように目線を下げたまま頷いた。



あ、やばい。押し倒したい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ