驚きの連続(楓目線)
然くんからの着信に、飛び付いて出た私は、
事態を知り、電話に出たことを後悔していた…。
然くんからの電話を切ると、とりあえずベッドに座り、
冷静になろうと考える。
―――留羽が、あの鳥羽奏太君と付き合ってる?
だって二人が連絡先を交換したの、今日の昼休みだよ?
放課後も途中まで一緒に帰ってたし。
おかしい。これは“嘘”に違いない…ーーー。
翌朝、教室に入る前に肩をポンと叩かれる。
「楓おはよう」
振り返ると留羽がいた。
「ねぇ、嘘だよね?」
私の開口一番は、これだ。
「なんのこと?」
留羽が、分かっているくせにとぼける。
「然くん、かなりショック受けてたよ?」
というか、かなり荒れてたけど。
「妹離れできる、良い機会でしょ?」
そうか…?
私には鳥羽くんの命の危険しか感じないけど?
「本当に付き合ってるの?」
私が聞きたいのは、真実。
私は、見極めようとじっと留羽を見つめて返事を待った。
「うん」
うーん、素っ気なく答える留羽の表情からはなんとも読み取りづらい。
「じゃあさ、鳥羽くんから告白してきたの?」
私は、次の質問をする。
「告白…?」
ん?なんかピンと来てない?
「あ、言ったのは私」
えっ留羽から!?
それにしても…ーーーー。
「いつ好きになったの?展開早すぎでしょ?!」
「それは…ーーー」
留羽が何か言おうとした時、渦中の人が現れた。
「留羽」
「あ、奏太」
――――名前で呼び合ってる!!? ですって!!?
私が衝撃を受けている間に、二人は会話を始めた。
「どうしたの?」
「留羽、今日も予備校の自習室で勉強する?」
「うん」
「そっか、じゃあ一緒に帰ろっか」
「うん」
なにこの、カップルっぽい会話…ーーーー!
「あの、鳥羽くん?」
私が声をかけると、鳥羽くんが驚いたようにこちらを向く。
「あ、柏木さん。」
あ、またしてもアウトオブ眼中でしたね、私。
―――――気を取り直して、調査開始!
「留羽と付き合ってるって本当?」
「本当だよ」
どうやら彼の方は本気っぽいんだよねー。
そういえば鳥羽奏太、モテてるけど今まで告白されて付き合ったって話、聞いたことなかったな。
「俺、留羽に一目惚れしたんだ」
うわ、またバックに華やかな花が煌めいてる…。
恐るべしイケメン。
ま、眩しい…ーーー!!




