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君のためなら(奏太目線)
ヤバい。
マジでヤバい。
さっきから背中に突き刺さるのは、視線か?
今まで生きてきて、
感じたことないぞ、こんな殺気…ーーー。
俺、殺される…?
「ごめんね、こんなこと頼んで」
隣を歩きながら、申し訳なさそうに七瀬野さんが言う。
「え!いやいや、全然!」
むしろ、光栄です。
棚からぼた餅です。
「実は、うちのお兄ちゃん…私に異常なぐらい過保護で…。こうでもしないと…」
うん。
知ってるよ。
「大変だね」
俺が同情して言うと、
七瀬野さんが俺の顔を真顔でじっと見つめてきた。
ん?
「鳥羽くんって、いい人だね」
嬉しそうに、七瀬野さんが微笑む。
「!?」
不意打ちの笑顔とか…っ!!
ヤバい…俺、彼女にどんどんハマっていく…ーーーー。
このまま、本当に彼女になって欲しい…。
「あの…俺」
暫く悶えてから俺が意を決して口を開いた時、七瀬野さんが言った。
「鳥羽くんと友達になれて、良かった」
「…―――あ―うん。俺も…」
出た天使笑顔…ーーー。
何この笑顔…、反則だろ…。
そして然り気無く“友達宣言”されたし。
心の中で涙を流す俺に、七瀬野さんが言う。
「それで、引き続きお願いがあるんだけど」




