飛ばされてアイランド
輝石集めは順調に進み、俺たち特殊犯罪誅伐チームは今回のイベントの第2段階、『天空城ポルトヴェネレの探索』へと駒を進めていた。
このイベントのみの特別なそのダンジョンへ行くには、街の役所に輝石を納める必要がある。
イベント概要を呼んだ俺たちは渋々、現在進行中のエリア『ブレイカーの山脈』から直近の街、『レコードタウン』へと戻り、役所のジジイに話しかけた。
「すいませーん、イベントダンジョンに行かせてほしいんですけどー」
「あいあい。じゃあ輝石もらうネ。4人分」
このジジイ、初めの街にいたのと全く同じだな。どの街のポ〇モンセンターに行ってもジョーイさんの見た目が全く同じなのと似たような感じか。
輝石がたんまり入った袋を取り出して、カウンターに置く。
やはりかなりの重さがあるようで、ギシ、と軋むような音が木の台から鳴る。
お手玉では飽き足らずジャグリングをするモーションまでいつの間にか追加されたジジイが、俺たちから受け取った輝石を乱暴に所内の宝箱へとシュートする。パンパンと手を叩いて笑みを浮かべたジジイは、カウンターに置いてあったハンドベルを喧しく鳴らした。
「4名様、ポルトヴェネレ行きをご所望だヨー!」
その声に、いかつい鎧を身に纏った兵士たちがぞろぞろと出てきて俺たちを囲む。
そして……胴上げするように、乱暴に持ち上げた。
「え!?なに、何!?」
「むさい!むっさい!ちょ、おい!」
「な、何すんのよ!離しなさい!」
「あれ!?なんか……なんか浮いてね!?」
胴上げするようにというか、胴上げそのものだ。
ワッショイワッショイみたいな掛け声のひとつも言わずに、無言で俺たちを直上レシーブしながらどこかへと運んでいく鎧兵たち。
徐々にその高度は上がっていき、やがて、俺たちは投げられた。
……でっかい大砲の発射口へと。
『はああああああああああああああ!?』
えー、ここからは教育上、お子様がマネをすると非常に危ない光景となりますので、音声のみで、お送りさせて頂きたいと思います。
「え!?た、大砲!?」
「なんやこの初期プレステみたいなカクカクポリゴンの大砲!」
「あ、ジジイ!てめーどういうつもりで……」
シュボッ!
「なんだよシュボッて!なんか今火点けたよな!?」
「は!?ウソでしょ!私たちマ〇オやカー〇ィじゃないのよ!?」
カッチ♪カッチ♪シャンシャ♪シャンシャ♪
「なんやこの軽快なBGM!これリアルやったら確実に死ぬ場面やで!?ていうかたぶん処刑やでこれ!」
「おいなんかこの大砲膨らんでる!嘘だろ!?マリ〇でさえスターリングでスタイリッシュに銀河を駆け巡るような時代に、こんなロクヨンみてーなワープ方法!?」
すりー!とぅー!わーん!
「なにこの掛け声!ねぇ!煽ってんの!?煽ってるよね!?」
「チックショーふざけんな!!無駄に声優使いやがって!!」
「怒るとこそこ!?」
ボールを相手のゴールにシュゥゥゥゥゥゥゥゥーッ!!
『超!エキサイティィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!』
ドォォォォォォン!!
『ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』
……そんなこんなで。
ネットゲーム界最悪のワープ方法で、俺たちはポルトヴェネレへと旅立ったのだった。
#
現実でこんなことをすれば負荷とかがとんでもないことになっておそらく俺たちは生身で生きてはいられないのだろう。超火力と超圧力を以て大砲からぶっ放された俺たちの体は、ものの見事に天空に浮かぶ陸地へと不時着した。
土と草が3:7ぐらいの比率の地面に、斜め30度の角度で思い切り顔から墜落。
摩擦熱と擦り切れる痛みが顔を包み込むが、もはやお約束、『ゲームではいくら痛みを感じても傷などにはならない』。
ただただジンジンヒリヒリする、だけど外傷はゼロ。だけどメンタルとかモチベーション的にはズタボロボンボン。4人はむっくりと、極めて不愉快そうに起き上がって、土が付いているわけでもないのに顔を手や指で払いまくった。
「くっそ、なまじゲームをリアルで体感してるだけに滅茶苦茶辛い……」
「ていうか、ここが天空城……?」
「城……っていうか…」
城というか、島。
右を見れば、森の奥に虹色の滝。
左を見れば、草原の奥に黄金の火山。
そしてまっすぐ直進方向に視線を戻せば、巨大な廃墟の陰に隠れてなおもその威厳を保ち続けている、中世ヨーロッパの古城を思わせる外観の城、『天空城ポルトヴェネレ』が。
「どうやら、城に行くまでにも、色々と突破していかなくちゃいけないみたいだな」
目の前に透明のウィンドウが表示される。
どうやら、これからこのエリアを探索するプレイヤーのためのアドバイスのようだ。そこには何文字かおきにいちいちフォントを変えた、無駄に凝った字でこう書かれていた。
『輝石収集に成功した皆様、おめでとうございます!皆様は、このイベントの第2段階に挑戦する資格を得た数少ないプレイヤーと呼べるでしょう。
ポルトヴェネレ城へ向かうには、最低でも2個の難関エリアを突破する必要がございます。』
ここから城までを含むエリア一帯の地図が挿入されている。
3×3の9つの区分に分かれており、最奥列の3マスにかけてポルトヴェネレ城、中央列の右から滝エリア、廃墟エリア、火山エリア。俺たちのいるスタート地点から見て一番手前の列は右から森林エリア、草原エリア、砂漠エリアとなっている。
『これら6つから好きなエリアを選び、そこに待ち構えている強力なボスを打ち倒し、ドロップアイテムである『覇者の輝石』をゲットしましょう。
覇者の輝石を2個集めて城に向かい、輝石の力を使って門を開けば、いよいよ最終段階、『ポルトヴェネレ城の探索』に進むことができます。2エリアの強力な敵を蹴散らし、2エリアの凶悪なボスを倒すという試練を乗り越えて最終段階へと進めた暁には、普段では滅多に入手できない豪華なアイテムたちが出迎えてくれることでしょう。
それでは健闘をお祈りしております。
トゥエルブスターオンライン運営より』
……健闘をお祈りしておられるみたいですよ。世間で言うお祈りメールとはモノが違うのだろうが、なんか微妙な気分にさせられる言葉だな、『健闘をお祈り』。
それはともかく、こうなったらとっとと攻略してしまわないとな。
さぁ、まずはみんなで話し合ってどこのエリアを攻略しにかかるか決めようかなと……。
「じゃ、怜斗」
「とっととどのエリア行くか決めてくれ」
「まかせたでー」
「…………………」
丸投げされました。
「いやいやいや、お前らも考えてもらわないと……」
「いやぁホラ、俺そういうの考えるの苦手じゃん?つーかバカじゃん?」
「私も細かい作戦考えるとか性に合わないっていうか。つーかバカじゃん?」
「私はそもそも、まだネットゲームというものがよく分かってへんから。つーか麻雀?」
「上手いこと韻踏んでんじゃねぇ!」
「いや全然上手くないと思うけど」
「俺だってこんなん考えるのメンドくせーよ!全員の苦手属性とか強いモンスターがいそうなエリアなんか真面目に考えながらいつもゲームやってねーし!」
「まぁまぁ、適材適所ってヤツだよ。リーダーなんだし、俺らがテキトーに決めるよりは、お前がちょっと考えて選んだやつの方が絶対ラクだって」
「ぬぅ……。本当にテキトーに決めるからな……?」
なんとなく丸め込まれた気もするが、まぁこんなところで停滞してても仕方ない。
さっきの説明ウィンドウに表示されていたマップを見ながらしばし考える。
……だが、マップに書かれているのはエリアの名前とその位置だけ。出てくる敵なんかも分からないし(頑張って考えれば予想や対策は張れるのだろうが、そんな気合入れるものでもあるまい)、当然ギミックも不明だ。
結論。理屈で考えても無駄。
「どれにしようかなてんのかみさまのいうとおり、かきのたね。……よし、じゃあ森林と廃墟な」
「待て待て待て、小学生以下のものの決め方してんじゃねーぞ」
「お前がテキトーでいいって言ったんだろ。さ、行くぞー」
言うだけ言って、逃げるように歩き出す。
「え!?門衛くんマジで言ってるん!?いつものボケやんな、そうだと言ってよバー〇ィ!」
「れいと!いよいよ これからきみの ものがたりの はじまりだ!ゆめと ぼうけんと!ポルトヴェネレの しろへ!レッツゴー!」
「いやそんな石塚〇昇ボイスで言われても!」
さぁ、始めよう。
イベントは待ってくれないからな。
#
最初に来たのは森林エリア。ちなみにこれもどちらにしようかなで決めた。
トゥエルブスターオンラインは、人気とセキュリティだけじゃなく、当然ビジュアル面でもダントツで今のオンラインゲーム界トップだ。
木漏れ日。風が葉を揺らすさざめき。木の枝と枝の交錯と、そこから地面へと生まれ落ちてくる、複雑で幾何学的な影模様。
3次元のものを切り取ってそのまま持ってきたかのようなリアリティの中にいながら、俺たちは……。
「ホォォォンッ!ホォォォォォォォォアァァァー!!」
「ゲゴゴゴッ!ゲッゴ、ゴゴゴゴゲェェー!」
「フンッ、フンッ、ブモォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
すさまじくリアリティに欠ける怪物たちに襲われていた。
エンカウントした敵は3体。
正面に相対するのは、地面から生えているキノコ……の笠から生えているドラゴン。自分で説明していて意味が分からないしキモイ。これがせめて、ドラゴンからキノコが生えているとかだったら……。……いや、やめとこう。なんとなく卑猥な響きがする。
津森さんのパートナーであるフーロが、主の思いっきりドン引きした顔とは真反対の無表情でモンスターを解説していく。
「あの反則的にキモイのは『シロトドラゴン=トキノコ』、せっせこせっせこ働く某アプリゲームとは何の関係もないって感じ。地属性のスキルで毒とか吐いてくるのと、あと特徴と言ったら、物理攻撃が速くて避けにくい、ってぐらいかなー、って感じ」
そんなキモイモンスターから目を背けると、そこにはカエルの口からカエルが飛び出してさらにその飛び出したカエルの口からカエルが飛び出して、形7匹のカエルがマトリョーシカ人形のように連なっている物体が。
まずカエルがほとんど現実世界の見た目のまま、人間サイズまで肥大化してるのがキモイし、カエルが飛び出している口からは何かの粘液がめちゃめちゃ垂れ流されている。キモイというか、P〇AとかW〇OとかB〇O的に色々アウト。ちょっと油断したら吐きそうなレベル。
「あの生理的にキモイのは『輪廻蟇口』、粘液が垂れてる部分に武器が当たると攻撃力ダウンが付いちゃうから気を付けなよー、って感じ。あぁ見えて地属性と冷属性のダブルタイプだからスキル攻撃に注意しろって感じー」
もしもの時のエチケットのために口を押さえつつ、恐る恐る最後のもう一体を視認。
それはもう、キモイとかじゃなく、倫理的とか精神的とか色々ひっくるめて、絶望的にアウトだった。
異世界モノとかでよく見るオークが裸のまま斧を持っている…ので留めておけばよかったものを、キャラデザの人が精神を壊していらっしゃるのだろうか、オークの腹が裂けてその中からネコっぽいゆるキャラが出てきている。オークの大量の血と一緒にぬるりと出てきている。
腹が裂けてずっと血が噴き出している本体のオークは白目を剥いており、あろうことか装備武器とは別の小ぶりの斧が頭に刺さったままになっている。
以上の説明を聞いたところで思い出して欲しい。『トゥエルブスターオンラインのグラフィックは3次元のものをそのまま切り取ってきたようだ』という俺の表現を。
「あの絶望的にキモイのは『オークオブザデッド』って感じ。少しの地属性スキルと強力な物理攻撃を兼ね備えている要注意なモンスターで」
『オロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!』
吐いた!全員吐いた!フーロの解説聞き終わる前に全員吐いた!
いや、ゲームの世界だからゲボとか出てこないけど、喉からなんか『出てる』感覚はあるの!吐いてるのに吐き出てこないの!何これキモイ!モンスターもキモイけどこの状態もキモイ!オロロロロロロロロロロロロロロロロ!!
「何こんなところで吐いてんの!?意味わかんないって感じ!」
「意味わかんねーのはあの画像化不可能モンスターを冷静に解説できるテメーの図太さだァァァ!!地属性スキルとかそんなんよりもっと説明すべきところがあるだろーが!!」
「え?……あ、裏設定によると誕生日は11月22日で……」
「こいつ誕生日あるの!?なんで!?名前にオブザデッドとかついてる奴に誕生日が設定されてんの!?まだ命日の設定があるって言われた方が納得いくわよ!」
「しかもなんでよりによっていい夫婦の日!?いい要素も夫婦要素も見当たらへんのやけど!ハロウィンに生まれてきてや!」
「そんな無茶な……って感じ。ていうかそんなキモくもないでしょ。ねぇジェイペグ?」
気まぐれに外に出てきていたジェイペグ、ナウド、キーピーが一斉に頷いた。
『オロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!』
「アンタらまでェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!?」
頷いたかと思いきや、そのまま顔を地面に向けた勢いで思いっきり嘔吐した。ゲームの世界だからゲボとかは出てな以下略。
「い……いや……。散々バイオとかやってきたボクでも無理だよ、これは……」
「……SANチェックが必要なレベル、だぜ…………」
「フーロ……お主、一度デバッグしてもらった方がええんじゃないか……」
「い、いやいやいや!プログラムのバグを疑われるレベル!?って感じ!」
フーロ以外の全員が余りのキモさに怖気づく中、斗月が口を手で押さえながら、一歩前へ出る。
「やめろ斗月ィィィィィィィ!これ以上近づくとホントにゲロ出ちまオロロロロロロロロロロロ!!」
「うるせぇぇぇぇぇ!とっととこんなモンスター倒してクリアしちまうぞ!」
口を押さえていた手を離し、モンスターの方へと向ける。
そして、全身の力を、気力を、気合を振り絞って……。対人戦のレベルアップの中で身につけた新しいスキルを叫んだ!
「喰らえッ!オルバーンオロロロロロロロロロロロロロロロロ!!」
「結局ゲロ吐いてんだろうがァァァァァァァァァァァ!!」
とはいえオルバーンは、熱属性の強力な全体攻撃系スキルだ。先制攻撃として、とても威力が期待できるだろう。
……と思ったら、なんか炎にモザイクがかかってた。
「斗月!ちょ、はやくアレ引っ込めなさい!なんかモザイクかかってる!なにアレ!」
「いやぁ、いざ正面からあのキモイの見たら、とうとう我慢しきれなくなってさ」
「手から!?手から吐いちゃったん!?仮にもゲームの世界で何してくれてんの!?」
そしてモザイク付きの炎はモンスターたちを包み込んで…。
モンスターを、ゲロモザイクまみれにした。
「ただでさえ嘔吐モノの奴にさらに嘔吐物かかったァァァァァァァァァァ!!」
「か………カエルが……キノコ……と…………グロゾンビに……一緒に…………ゲロまみれ……?」
フラッ。
「論子ちゃぁぁぁぁぁぁん!?倒れないで!私を置いて行かないで!?」
なんてこった!まだ何の攻撃も受けてないのに戦闘不能者が出るとは!
斗月の言うとおり、早いとここんなキモイ奴らを片付けて先に進みたいのだが、いかんせんキモイ。『こいつらが夢に出てきた』という事案でカラットを提訴できるくらいキモイ。
……こうなりゃ運試しでしかないけど、ちょっと使ってみるか。
「斗月、危ないからちょっとどいてろ!」
とりあえず、吐き気を催すモンスターの筆頭であるオークオブザデッドさえ消せれば、みんなちょっとは戦いやすくなるだろう。
俺は手を構えてオークを見据え、その呪文を叫ぶ!
「喰らえ!オロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!」
「最初っから吐いてんじゃねぇかァァァァァァァァァァァァ!!」
ダメだ。一文字すら言えなかった。
「ていうかキミらいつまでグダグダやってんの!?早く倒してよ頼むから!」
「……いつまでグダグダやってるんだというか、このモンスターたちも全然攻撃してこねぇな……」
「物理攻撃がギリギリできるくらいの距離までプレイヤーが近づいてこないと、攻撃をしてこないらしいぞい。……wikiによるとな」
それならここらへんからずっと遠距離スキル攻撃を撃っておけば安全に倒せるってワケか。
深呼吸し、気を取り直してもう一度。
「くそ、消えろ!『スーシェンネクス』!」
敵をロックオンした状態で詠唱すると、一定の確率で残りHPに関係なく敵を強制的に消滅させることができる、影属性の即死魔法。だいぶ前に津森さんが使ってた『スーシェン』の上位互換だ。
地面に映る俺の手の影から分裂するように弾丸の形の影が生まれ、オークオブザデッドの影に向かって発射される。
弾丸の影が、オークの影と重なる。
周りの環境音やBGMが止まった無音の中、カチ、カチ、カチ、と秒針が時を刻むような音だけが周囲を支配する。
そして、5回目の秒針と同時に。
「ブ!?ガガガガガモモモモォォォォォォッ、ゴモッ……」
オークの影が『破裂』し、影の持ち主であるオークが不完全燃焼的な断末魔を上げて跡形もなく消えた。
後ろの仲間たちから感嘆の声が漏れる。
「さ、さっすが怜斗だぜ!」
「一番絶望的なビジュアルの敵を死体無しで消してくれるなんて、門衛くん最高!」
「これで少しは戦えるようになったわ!」
しかしその声は、一瞬で悲鳴に変わった。
「ホ!?ホッホォォォォォッ、ホォォォォォォォォォォォアッ!!」
「ゲ!?ゲェコココッコココッコ、ゲェッコォォォォォォォォ!!」
隣にいたオークオブザデッドを倒したせいで何らかのフラグが立ったのだろうか、2体のキモモンスターたちが、こちらをロックオンし、その巨躯をついに動かした。
そして、あたりに霧がかかる。
「なんだ!?お、おい何も見えねーぞ!?」
『シロトドラゴン=トキノコ』、『輪廻蟇口』。
2体のモンスターの見た目はあまりにも醜くおぞましく、見るに堪えないものであったが。
「イベントだけの特殊スキル……って感じ?」
気づけば全てが……モンスターの姿どころか、視界が全て霧に紛れて、何もかも見えなくなってしまっていた。