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放課後ロルプライズ!  作者: 場違い
2章・電脳世界の呼び声
15/73

怜斗「芸術は性欲だ!」

 翌日。


 大体どこの私立高校もそうだと思うが、うちの学校、輪通学園は土曜日の授業は午前中までである。

 しかもうちのクラスは一時限目から順に体育、日本史、数学、美術(選択科目)という、俺のような理系男子にとってはこれ以上ないほどダルい時間割りだ。

 何が悲しくて朝イチでシャトルランをせにゃならんのか。何が悲しくて土器について深く学ばなきゃいかんのか。何が悲しくて嫌味な教師の出してくるハーバードレベルの数式を解かなきゃならんのか。

 何が悲しくて……何が悲しくて…………。


「……なあ、サジよ」

「何だ」

「何が悲しくて屈強な全裸の男を模写せにゃならんのだ!」

「落ち着け怜斗。屈強な全裸の男じゃなくダビデ像だ」

「同じだボケ!『屈強な全裸の男』と『屈強な全裸のイッ○ー』に違いがあるか!?ああん!?」

「何でそこで○ッコーさんを選んだ!?出した例に明らかな悪意を感じるんですけど!?」

「がああああ!何が悲しくて屈強な全裸のイッコーのチ○コーを模写せにゃならんのだ!」

「最低だよ!最低の韻踏みだよ!つかいつからダビデ像がイ○コーにすりかわったの!?」

「女の裸体画を描かせろよ!女の裸体画なら後世まで語り継がれる傑作を描ける自信があるわ!」

「鼻息荒くしてそんなことぶっちゃけんなよ気持ち悪い!」

「約40人の生徒が一堂に会して屈強な全裸のイッ〇ーを模写してるこの状況のがよっぽどキモいわハゲ!あだ名『屈強な全裸のスプーン』にすんぞ!」

「何トンでもない所に人の愛称放り込んでくれてんだ!屈強な全裸のスプーンとかそれ明らかにアレですよねぇ!?」

「おーい私語は慎めよお前ら。黙らねーとイッコ○さんのイッ○ーをお前らの○ッコーに擦り付けるからな」

『さーせんしたァッ!』


 あまりにもうるさく話しすぎていたら美術科の先生に気だるく咎められた。

 周りの男子は大爆笑、女子は軽蔑と殺意の眼差しをこちらに向けていらっしゃる。


「あー……。屈強(以下略)見てるよりは、女子たちの冷たい目を見てる方が数倍イイなぁ……。なんかこう……頭の中がピンクになる」

「まだ猥談続けますか!?」

「まあ、先生にも門衛の気持ちは痛いほどよく分かるぞ」

「先生やめて!?あなたまで乗ると収拾がつかなくなりますよ!?」

「そうですよね先生!今すぐモデルをイッ○ーから明日香○ララさんに変えましょう!」

「本当に残念だが、明日香キ○ラを呼ぶギャラと脱がすギャラは俺にはない」

「マジでやめましょう先生、PTAに審議される前に」

「くっ……明○香キララが無理なら、他のギャラが安いAV(アルティメットビデオの略なのでヤラシイ意味は一切ございません)女優を呼べば……」

「それも非常に残念だが、PTAが許してくれないだろうな……」

「こんな会話してる時点でPTAどころか社会があなたを許しませんよ」

「くっ……。男子の性欲に救いは無いのか……!」

「ついにストレートに性欲って言いやがったなお前。女子の方見てみろよ、デッサンの授業なのに全員彫刻刀構えてんぞ」

「そこで先生は考えたね。ダビデ像を女体化して描くんだよ!」

「女体化!?な、何ですかそれは!」

「艦隊を女体化した艦○れ然りポケ○ンを女体化した萌え○ん然り、女体化したものは元から女であるものにはない魅力が生まれるんだよ!」

「ダビデ像を……女体化……!ダビデ……ダビ………………『ダビ子』!?」

「何の心理に辿り着いたんですかね、いや言わなくていいですよ理解する気はこれっぽっちもないんで」

「ダビ子……。無口で無表情だけど惚れた相手である主人公にだけは豊かな表情を見せる巨乳美女、ダビ子……ッ!」

「インスピレーションが湧いてきたか門衛!そうだ、それが美術ッ!」

「先生……ありがとうございます!俺は……俺はダビ子でルーブルを目指します!」

「お前がそれで目指せるのはニコ○コ静画のデイリーランキングです」


 俺は溢れ出るリビドーの赴くままに、ダビ子の裸体画を描き始めた。

 へへへ……恥じらいのある顔がいいじゃあないか。実にいい!ふへへへへ……!


 と、調子に乗っていると。


「門衛くん……。少しいいでしょうか?」

「何だよサジうるさいな、俺は今ダビ子の胸をできるだけリアルに…………え?」


 完全にダビ子の裸を美しく描くことに夢中になって少々狂ってしまっていたようだが……今の声は……女子?

 後ろを振り向くと、委員長女子がヒクついた笑顔を浮かべて彫刻刀を持っていた。

 よく見ると、彼女の後ろには多数の女子たちが同じような表情で彫刻刀を構えている。


 ………………………………………。


「オーケイ委員長。話し合おう。違うんだ、これは君たちが思っているようなものではない。んぁあそうだ。んぁあ」

「な○ぎ武みたいな声を出しても無駄です。あなたは女子がいる前で言っていいことの範囲を踏み外しました」

「女子に踏まれるのはまだいい、ご褒美だ。女子に殴られるのもまだいい、快感だ。だが刃物はダメだ絶対にダメだ」

「虚勢させないだけマシと捉えていただきたいですね」

「ちょ、委員長、虚勢とか……。そんなに俺のイッ○ーさんを拝みたいのかギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


 ……その後、体のいたる所に彫刻刀が刺さった状態で目覚めるまでの記憶は俺にはない。


 ……集中してダビ子のイラストに取り組んだことにより、ゲーム内での命中力が上がった……。

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