自宅訪問も日常的!!
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件名:明日の予定
明日の予定なんだが、校長の自宅に一緒に来てもらえないか?
えっ?来てくれる?
ありがとう
では明日自宅に迎えに行くよ
by朝比奈
「……何で俺のメアド知ってるの?」
その日は土曜日だった。
十夜は朝比奈と共に漫才を見せる相手である、校長の娘さんに会いにいった。
校長とお酒の飲み仲間である朝比奈が引き起こした事件。
娘を笑わせなければ漫才部を廃部にする。
今さらだがなぜこんなことになっているのかと十夜は思いながら、朝比奈が運転する車の窓から見える景色を見ていた。
そして、ふっとあることを思った。
(このまま廃部になったらスポーツできる。まだ、高一だし部活入りなおすのも有りじゃないか?)
「十夜くん。漫才部が廃部しても君を逃がすつもりはないぞ?」
「エスパー!?何でわかったんですか!?」
「私は神だ!知らないことはない」
「思ったよりガキ臭い返答だな!!!!」
「フフフ、そんなに信じられないか?では、昨日も起きた出来事を当ててやろう」
「なんでそんなに自信もって言えるの?その台詞」
「ズバリ、学校に言ったな!?」
「90%の人が当てられることを自信もって言うな!!!!」
「当たっているだろ?」
「当たってるよ。そりゃ当たるよ。昨日も先生にあったんだから」
「それもそうだな。なら別のを当ててやろう!」
「もういいですよ、やらなくて。ツッコミいれんの疲れるから」
「おねしょしたな!!!!」
「してねぇよ!!!!」
「じゃあ、漏らしたな!!!!」
「漏らしてもねぇよ!!!!てか、女性が堂々と言うなよ!!」
「ハハハ、相変わらずキレがあるツッコミだな」愉快に笑う朝比奈にツッコミながら十夜はため息をついた。
数分、時間がたつと車は豪華な家の前で止まった。
豪華と言っても、普通の一軒家より少しいいくらいの家。
広目の庭を見て、十夜はそう思ってしまった。
「ついたぞ」
朝比奈がそう言うと車から降り、一軒家の門の前に立つ。
「ここが校長先生の家ですか?」
十夜が朝比奈に質問すると朝比奈首を横に降った。
「ここは魔王城だ」
「ピンポン押しますね?」
「あっ、スルー!?」
ピンポ~ン。
と言う音が鳴ってから、玄関の扉が開きそこから一人の女性が姿を現す。
髪は滑らかにカールされていて、かなりの美人だった。
奥さんだろうか?そう思い十夜は朝比奈の顔見ると不自然な感じがした。
朝比奈の頭に疑問符が浮かんでいるように見える。
その瞬間、考え付く答えは一つ家を間違えた。
十夜は額に汗を浮かべながら、朝比奈に話しかける。
「先生、もしかして家を間違えたんじゃ」
沈黙。
返事が帰ってこない。
十夜は焦り始める。
早く間違えたと言ったほうがいい。そう思った刹那。
「あぁ、美智子さん。お久しぶり」
「家、間違ったんじゃないのかよ!!危なく家、間違ましたって言いそうになったよ!?」
「すまん、家の電気消したかと思って」
「今、気にすること!?」
「私はエコリストなんだ」
「エコリストってなに!?聞いたことないわ!!」
「私はエコだ」
「まるで、自分が地球に優しいみたいな言い方しないで!!」
プッ!
微かに聞こえたその声は、美智子さんと言う人のものだろう。
玄関の前で倒れていた。
「朝比奈先生の身近にいる人ってツボ浅くないですか?」
「そうかも知れないな」
二人して笑いすぎだろと思いながら、無事に校長の自宅に到着した。
朝比奈と十夜は広いリビングに連れてこられた。
高そうな置物がいくつか置かれ、幸哉は無意識に緊張を高める。
美智子さんにソファに座っていてと言われ十夜は礼儀正しく挨拶する。
「あぁ疲れた~」
何のお構いもなし朝比奈はおじさんのようにソファに腰を下ろした。
十夜は溜め息をつき、ゆっくりとソファに腰掛けた。
数分後、美智子さんは紅茶をカップに入れて二人の前に持ってきてた。
香ばしい匂いが、十夜の今までの疲れを吹き飛ばすのではないかと思うくらい、いい香りがする。
いただきますと一言美智子さんに言うと十夜一口紅茶を飲む。今までに飲んだことない紅茶。
こんな歳でこれほど美味い紅茶を飲めるとは思わなかった。
十夜は一人感動しながら、紅茶を飲む。
「それで、娘さんについてなんだが……」
朝比奈が唐突に話始める。
美智子さんは自分の入れた紅茶を少し飲むと口を開いた。
「最近、藍那はお父さんの前で笑わないのは本当よ……しかも、おかしな言語を使うわ」
「おかしな言語?それは一体?」
「自分で確かめてきて、その方が早いわ。藍那は二階の自分の部屋にいるわ」
「わかった」
朝比奈はソファから立ち上がり、十夜に視線を移した。
「十夜くん、準備はいいか?」
「……たぶん」
十夜はゴクリと唾を飲み込み頷く。
「私は作戦T!十夜くんは作戦Gだ!いいな!」
「いや、良くないよ!作戦Gって何!?聞いてないよ!?」
「では、作戦Mがいいか?」
「それもわかんねぇよ!!」
「じゃあ、作戦Sがいいか?」
「だから作戦G、M、Sってなに!?略さずに教えて!!」
「本当に良いのか?」「いいよ!」
「本当に良いのか?」
「だから、いいよ!!!!」
「本当に本当に良いのか?」
「早く言えよ!!!!」
「しかたない……作戦Gとは……」
「Gとは?」
「頑張れの略だ」
「それ作戦って言わねぇよ!?」
「いい作戦だと思うが……」
「どこがいいと思ったの?じゃあ、作戦Mにする。ちなみに作戦Mは何の略ですか?」
「もっと頑張る」
「だから、作戦じゃねぇよ!!!!やめたよ!Mはやめたよ!作戦S!これ!」
「すごく頑張ばった」
「作戦終わってるよ!!!!過去形だから作戦終わった後の話になってるよ!?」
「わがまま言うな!それでも兵士か!!!!」
「兵士になった覚えねぇよ!!!!」
「美智子さんを見習え!!!!」
「あんたが見習えよ!!!!」
「彼氏欲しい!!!!」
「知るか!!!!」
「わ、私は作戦Mが、い、いいと思います」
「がんばって入らなくていいんですよ!?」
「じゃあ、作戦Aはどうですか?」
「なんで作戦増やしたの!?」
「作戦Aにするのですか!?」
「何か会話が進行したよ!?しかも自分で作戦進めておいて何で驚いた!?」
「死なないで!」
「死ぬの!?その作戦死ぬの!?」「がんばって!私は作戦Aをおすすめします」
「遠回しに死ににいけって言ってるわかってる!?」
「私は作戦Aがいいと思うぞ」
「あんたは作戦Aの意味がわかってないだろ!?」
「たぶん、あきらめない」
「作戦実行中!!!!既に作戦が始まってるから!それ!」
「な、何でわかったの?」
「美智子さん実は何も考えて無かっただろ!?」
「はい!!!!」
「いい返事だね!!!!」
「行け、十夜!!!!私は作戦Tでいく!!!!」
「ちなみに、作戦Tって?」
「トイレに行って休む」
「藍那ちゃんに会いに行く気ゼロだろ!?」
結局、十夜は一人二階にいる少女の部屋に行くことになったのだった。
つづく
「朝比奈ちゃん、いい生徒もったのね?うらやましいわ」
「ハハハ、漫才部のツッコミ担当は十夜くんが一番だからな。娘さんもすぐに美智子さんの前で笑うよ」
「……?」
「どうしたんだ?」
「なにか勘違いしてない?」
「えっ?」




