エンジョイするのは日常的!
「パンはパンでも食べられないパンは?」
「私!!!!」
「いや、お前食べ物じゃないだろ」
―四月
それは、季節の始まりを意味する。
中学生だった学生は高校生に、高校生は大学生、社会人になったりと色々なことが変わる。
「パンツは黒がベストだよな~」
そして、新入生は新たな出会いと期待、不安を抱えながら学校に向かう。
「私は白かな~」
始めは誰もが不安だ。それを乗り越え……
「咲、お前はわかってない!黒の良さがわかったてないよ!」
「黙れ!バカ!」
我慢の限界を超えた佐々木十夜は後ろで話している二人に怒鳴った。
「ど、どうした!?十夜。大きな声出して!?」
反応したのは佐藤宏平、眼鏡をかけたツンツン頭の十夜の同級生だった。
「どうしたも、こうしたも、ないだろ!!前降り読んでんだよ!静かにできないのか!?」
すると、今度はもう一人の同級生、宮本咲が立ち上がった。
「十夜、一つ言っておくけど、私、まだ君のこと認めたわけじゃないから」
「お前は何の話をしてるの!?」続いて宏平も立ち上がりこういった。
「十夜、一つ言っておくけど、俺はパンツの色は黒派だ」
「聞いてねぇよ!」
「十夜、私は咲だ」
「知ってる!」
「お前も黒派だ」
「決めつけるな!!」
十夜はその場で頭をガックリと落とした。
「頼む。言うこと聞いて」
宏平は、鼻で笑うとやれやれという表情を作るとどこにもない空想のカメラに目線を送りスマイルする。
「何がしたいんだよ」
十夜は思わずツッコミを入れた。
「俺は佐藤宏平!何を隠そう、高校生、おまけに独身!16歳!」
「何で自己紹介したの?それに特に隠す情報なくね?」
「私は宮本咲!世界一の美少女!好きなもの納豆!」
「世界一の美少女の好きなものひどすぎるだろ!!」
「そして、この物語の主人公!」
咲と宏平が声をそろえ、そう言うと、十夜に目線を送った。
十夜はため息をつきながら、見えないカメラに目線を送りニッコリと笑顔つくる。
「鈴木くん!!」
「何でだよ!!!!」
「いや、だって鈴木くんだよ。鈴木くん」
「知らねぇよ!何で俺じゃなくて鈴木くん!?」
「十夜の名字は……」
「佐々木だよ!!」
「似て…」
「ないから!!!!」
「鈴木…」
「じゃないから!!」
「パンツの色は何派?」
「黒だよ!!!!って、言わせんな!!」
「変態!!」
「お前には言われたくないわ!!」
会話はそこで終わった。十夜は膝をつき、ため息をつく。
高校生になって一ヶ月、十夜は毎日苦労の連続だ。
二人のボケにツッコミをいれる毎日。
この物語は笑いと友情の物語である。
……そのつもり、なのでバトルや恋愛、冒険を求めてる人は今すぐにこの物語を読むのやめるのをオススメします。
平凡な日常が今、始まる。
「この物語の作者、文章力ないよな」
「宏平そう言うのはわかってても言っちゃダメだろ」
「仕方ないわよ、作者って国語で60点以上取ったことないらしいし」
「咲、個人情報ながすなよ。ってか、どっから知ったのその情報?」
「私の想像から」
「嘘かよ!」