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過去予知ノート

作者: 七瀬莉葉
掲載日:2026/04/05

私はとあるノートを拾った。

そのノートは不思議なもので、無数の出来事が書いてある。

書いてある出来事は大小さまざまで、大地震や◯月に誰々が生まれたなんてことも書いてある。

「...このノートって一体なんなんだろう?ただのいたずら...にしてはあまりにも手が込みすぎてるなあ」

椅子に座りながら考えていた。こんな奇妙な本に気を取られている時間などない。...がなんだか気持ちが離れない。だから私はとりあえずノートの中身を細かく見てみることにした。

「本当にいっぱい書いてあるなぁ...」

あまりの文字数に辟易しながらページを捲っていると、とある文字列が目に止まった。

”2月15日 伊月 透が過去予知ノートを拾う”

「なんだこれ」

それは自分の名前と今日の日付...つまりこのノートを拾った日であった。

本来この文言がこのノートに書いてあるはずはない。そりゃあそうだ。だって私はこのノートに書き込んだことなど一度たりともないのだから。

私は気味が悪くなった。でももう後戻りできるような気分ではない。怖いもの見たさで私はもうちょっと深堀りしてみることにした。

例えば、何か自分が行動を起こしてみてそれがノートに書かれるのか。

それを確認するため現在の最後の文言を確認してみた。

”2月15日 斎藤〇〇車に轢かれて死亡”

「...まじかい」

未だノートを信じきれていないとはいえ、ちょっと気にもなる。

「あっ...と」

ノートを落としてしまった。もう一回開き直すか。

「あれ?」

違和感を感じた。

「...これは」

文章が増えている。それも一個や二個ではない。

「ノートを閉じたら更新ってことか」

流石にノートのことが少しわかってきた。このノートは世界中で起きている出来事がどんどん追記されていくノートなんだ。なんて面白いノートなんだろう。そう思った。

ラプラスの悪魔という思考実験がある。端的に説明すると、この世のすべてのものの情報を知ることができれば、物理法則に従い未来を計算し完璧に未来を予測することができる悪魔について考える実験だ。

ラプラスの悪魔ほどでないにしろ、今まで起こったこと、今の状況を完璧に知れれば近い未来だけなら予測できる。つまりこのノートを使いこなせれば未来を知ることができるのだ。

「まあラプラスの悪魔は量子力学によって否定されたって聞いたことあるけど...」

それでも知っておくに越したことはない。そして気づいた。

「このノート...鉛筆で書かれてるのか?なら...」

自分で書き足してみたらどうなるんだろう。好奇心のままに私はとある出来事を書き込んでみた。

”9月11日 アメリカで大規模テロ発生”

「...そりゃあ何も起こらんか。」

まあ実際の出来事を書いたとてでしょう。そんな事はわかっていたはずだ。

「...?違和感が」

とりあえず一旦無視することにした。

どちらかというと本命は別にあった。

「消してみたらどうなるんだろう?」

適当なやつを選んで消してみることにした。






「とりあえずノート見てみるか...」

すると最後の行に追記があった。

"2月15日 伊月透が'ーーーーーーー'をノートから消す。"

「...読めない。なんだこれ?」

そもそも私何もしてないんだけど。だんだんわからなくなってきた。

「うーん...。考えても埒が明かないな」

と思っていたのだが。しかし無駄に回る目が情報を見つけ出す。

「このノート...全然字体が固まってない。まるでいろいろな人が書いてるみたいだ。それに...」

字体が変化する直前には、必ずと言っていいほど

"ーーーーーがーーーーーをノートから消去した。"

という文言が挟まっている。読めないけど。

「さっきから”消去した”って単語が滅茶苦茶ででくるんだよな。」

というわけでやってみることにした。

















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