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転生したら十歳の幼女医師でした~前世の医学知識で異世界医療を改革します~  作者: NN
転生したら十歳の幼女医師でした~前世の医学知識で異世界医療を改革します~

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第59話 新たな称号

医学会での発表から三日が過ぎた。その間、多くの医師から手紙が届いた。


「素晴らしい発表でした」「治療マニュアルを待っています」「私の患者にも試してみたいです」


王国中の医師が、私の研究に注目している。その期待に応えなければならない——そう思うと、少しプレッシャーを感じた。



ある朝、ヴィルヘルム先生に呼ばれた。


「リーゼ先生、重要な知らせがあります」


先生の顔は、いつになく真剣だった。


「はい」


私は院長室へ向かった。そこには先生だけでなく、見知らぬ男性が立っていた——五十代くらいの威厳のある人物だ。立派な服装、医師の紋章を胸につけている。


「リーゼ先生」


ヴィルヘルムが紹介してくれた。


「こちらは王国医学協会の会長、フリードリヒ・フォン・ヴェルナー先生です」


王国医学協会の会長——医学界の最高権威だ。私は深く頭を下げた。


「リーゼ・フォン・ハイムダル、お目にかかれて光栄です」


「顔を上げてください」


会長の声は穏やかだった。


「あなたの医学会での発表、拝見しました。素晴らしかった」



「全身性エリテマトーデスの研究は、画期的です」


会長が続けた。


「この病気の概念を確立し、治療法を見出した——それは医学の大きな進歩です」


「ありがとうございます」


私は謙遜した。


「でもまだまだ研究の途中です」


「その謙虚さも素晴らしい」


会長は微笑んだ。


「実は、王国医学協会から、あなたに称号を授与したいのです」


「称号……ですか?」


私は驚いた。


「はい」


ヴィルヘルムが説明してくれた。


「王国医学協会認定医師——それは王国で最も権威のある医学資格です。通常は三十歳以上、十年以上の実績がある医師にのみ与えられます」


「でも、あなたの業績は例外的です」


会長が続けた。


「十二歳という若さで、これほどの成果を上げた。それは前例がありません。だから協会は満場一致で、あなたに称号を授与することを決定しました」



私は少し考えた。王国医学協会認定医師——それは大きな責任だ。でも同時にチャンスでもある。より多くの患者を救える。より多くの研究ができる。


「お受けします」


私は決意した。


「ありがとうございます」


「素晴らしい」


会長は満足そうに頷いた。


「では、授与式は来週の月曜日、王宮の大広間で行います」


「王宮……ですか?」


「はい。王国医学協会の称号授与式は、王族の臨席の下で行われます。今回は王女殿下が出席されます」


王女殿下——私は緊張した。


「準備をしておいてください」


会長は微笑んだ。


「あなたの新しい門出を、王国中が祝福するでしょう」



会長が帰った後、ヴィルヘルム先生が言った。


「リーゼ、おめでとう」


「ありがとうございます」


「でもプレッシャーも大きくなるぞ」


先生は真剣な顔で言った。


「王国医学協会認定医師——それは最高の名誉だが、同時に最高の責任でもある。多くの人が、あなたに期待する。その期待に応え続けなければならない」


「分かっています」


私は頷いた。


「でも、私はそのために医師になったんです。多くの人を救うために」


「その決意を忘れないでください」


先生は優しく微笑んだ。


「あなたなら大丈夫だと思う。でも無理はしないように」



授業の後、エリーゼとルーカス先輩に報告した。


「えっ、王国医学協会認定医師!?」


エリーゼが驚いた声を上げた。


「それって、最高位の資格じゃない」


「ああ」


ルーカスも驚いていた。


「普通は何十年もかかる資格だ。お前、十二歳でそれを取るのか」


「取るというか……授与されるんです」


私は照れくさそうに答えた。


「すごいわ、リーゼ」


エリーゼが抱きしめてくれた。


「私の友達が、王国医学協会認定医師になるなんて」


「でもプレッシャーもあるよ」


私は正直に言った。


「この称号に恥じないように、もっと頑張らなきゃいけない」


「お前なら大丈夫だ」


ルーカスが私の肩を叩いた。


「今まで以上に頑張れ。でも無理はするな」



その夜、公爵邸を訪ねた。ソフィアの経過観察のためだ。


「リーゼ先生」


ソフィアがベッドで本を読んでいた。顔色は良く、以前の苦しそうな様子はない。


「調子はどう?」


「とても良いです」


ソフィアは微笑んだ。


「薬のおかげで、もう痛みもありません」


診察をすると、全ての症状が改善していた。肝脾腫も縮小し、発疹も消えている。治療は成功だ。


「リーゼ先生」


公爵が部屋に入ってきた。


「王国医学協会認定医師の称号授与、おめでとうございます」


「ありがとうございます。もうお聞きになったんですか?」


「ええ」


公爵は微笑んだ。


「王宮から知らせがありました。娘の命を救ってくださった方が、このような栄誉を受けられる——我が家としても誇りです」



一週間後、授与式の日が来た。


王宮の大広間——広大な空間だ。高い天井、美しいステンドグラス、豪華なシャンデリア。全てが圧倒的だった。


すでに多くの医師が集まっていた。ヴィルヘルム先生、エドムント先生、フリーデリケ先生。ベルンハルト医師、フリードリヒ医師。アンネリーゼも来てくれていた。


そして王族の席に——王女殿下が座っていた。二十代前半の美しい女性で、優雅な雰囲気を持っている。


私は緊張した。



式が始まった。フリードリヒ・フォン・ヴェルナー会長が演台に立った。


「本日は、王国医学協会認定医師の称号授与式を執り行います」


会長の声が広間に響く。


「今回授与される方は、リーゼ・フォン・ハイムダル先生です」


私は前に出た。数百人の視線が私に注がれる。でも落ち着いて歩く。


「リーゼ先生は、わずか十二歳という若さで、驚異的な医学的業績を上げてきました」


会長が私の経歴を読み上げた。


「実技試験満点、王宮での緊急手術の成功、全身性エリテマトーデスの研究——全てが前例のない成果です」


「そして、その知識を惜しみなく共有し、多くの医師を育て、多くの患者を救ってきました」


「この功績を讃え、王国医学協会は、リーゼ・フォン・ハイムダル先生に認定医師の称号を授与します」



会長が美しい証書を手渡してくれた。金の縁取り、王国の紋章が刻まれている。そして首に、認定医師の勲章がかけられた。金色の勲章——医学の象徴であるヘビと杖が刻まれている。


「おめでとうございます、リーゼ先生」


会長が微笑んだ。


会場から大きな拍手が起こった。スタンディングオベーション——全員が立ち上がって拍手している。


その時、王女殿下が立ち上がった。


「リーゼ・フォン・ハイムダル先生」


王女の声が広間に響いた。


「あなたの功績は、王国の誇りです。これからも、多くの人々を救ってください」


「はい」


私は深く頭を下げた。


「精一杯、努力いたします」



式の後、多くの医師が祝福してくれた。


「おめでとう、リーゼ先生」


「史上最年少の認定医師だ」


「これからも期待しているよ」


次々と声をかけられる。名刺を渡される。握手を求められる。全てに丁寧に対応した。


ヴィルヘルム先生も祝福してくれた。


「リーゼ、本当におめでとう」


「ありがとうございます、先生」


「これからが本当の勝負だ」


先生は真剣な顔で言った。


「称号はゴールじゃない、スタートだ。この称号に恥じないよう、さらに努力しなさい」


「はい」


私は決意を新たにした。



エリーゼとルーカス先輩も会場に来てくれていた。


「リーゼ、おめでとう!」


エリーゼが涙を流していた。


「私、感動したわ」


「ありがとう、エリーゼ」


「お前、やったな」


ルーカスが笑った。


「王国医学協会認定医師——もう立派な医師だ」


「でもまだ学生です」


私は微笑んだ。


「これからも、先輩から学ばせてください」


「謙虚だな」


ルーカスは私の頭を撫でた。


「その姿勢を忘れるな」



その夜、部屋で証書と勲章を見つめた。王国医学協会認定医師——私の新しい称号だ。


これは大きな名誉だが、同時に大きな責任でもある。多くの人が私に期待している。その期待に応えなければならない。


窓を開けると夜風が入ってくる。星が美しく輝いている。


「お父様、お母様、マルタさん」


星に向かって小さく呟いた。


「今日、王国医学協会認定医師の称号をいただきました」


「大きな名誉です。でも同時に大きな責任でもあります」


「これからも精一杯頑張ります」


「もっと多くの人を救います」


「見守っていてください」


星が優しく瞬いている。まるで祝福してくれているかのように。


ベッドに入り、目を閉じる。明日からまた新しい日々が始まる。でも今度は、王国医学協会認定医師として。その責任を胸に、前進していく。


「おやすみなさい」


小さく呟いて、眠りについた。


新たな称号——それは新たな始まりだ。もっと学び、もっと成長し、もっと多くの人を救う。それが私の使命だ。


少女医師の挑戦は、新しい段階へ進む。

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