親子 27
「お仕事はいいの?」
「はい。本日の分の業務はきちんと終わらせて来ましたので」
俺の言葉に、そう答える女将さん。
すました顔しちゃって。
ただ、それの意図する所はしっかり意識しているのか。
頬がうっすら上気している。
……いいな。
普段の、働いてる姿を知ってるからこそ。
その表情だけでかなりそそられるものがある。
撤回は無しだからね。
「ってことは、一緒に?」
「ええ」
「本当ですか!?」
俺にとって喜ばしい話に違いはないのだが。
それ以上に、獣っ娘が真っ先に嬉しそうな声をあげる。
女将さんに抱きついて。
埋めていた顔を上げ。
上目遣いで、おねだりをしていた。
お仕事終わってるなら3人でってことらしい。
元々、その予定だったからいいけど。
おねだりにしてはちょっとレベルが高いんじゃないか?
流石に恥ずかしいのだろう。
女将さんも表情が崩れてちょっと照れ笑い気味だ。
「こっちです」
獣っ娘に手を引かれ。
なされるがまま、ベッドの方まで連れて行かれる。
本当、懐いてるよな。
今夜一緒にって話。
女将さんとは事前に共有していたのだけれど、獣っ娘に関しては初耳のはず……
ちゃんと驚いてもいたしね。
一応、断られたらどうしようかと心配はしていたのだが。
女将さんも少し気にしてたみたいだし?
いや、まぁ。
十中八九、大丈夫だとは思ってたんだけどね。
やっぱり問題なかったな。
喜んでるし。
そんな気配はない。
むしろ、お仕事終わったって聞いて獣っ娘の方から言い出してるぐらいだ。
こういうのを杞憂と呼ぶのだろう。
冷静に考えれば、心配して然るべき事項な気もするけど。
初めてが一緒だったからか、全く抵抗がない様子。
女将さんの方はと言えば。
多少恥ずかしがってはいそうだが、元々そのつもりで来てる訳だからね。
羞恥はあっても忌避感とかはなさそうだ。
「ご主人様ー!」
「はいはい」
獣っ娘に呼ばれて、俺もベッドに腰掛けた。
一戦終えて、さっきまでだらっとしつつイチャイチャしてって感じだったのだが。
随分とテンションが高い。
俺と女将さんを2人並べて座らせて。
何やら、満足げな表情を浮かべていたと思ったら。
膝の上に潜り込んでいた。
2人の膝の上に寝っ転がって。
膝枕ならぬ膝布団。
こんなの、どう考えても寝心地悪いと思うのだが。
本人的にはご満悦らしい。
……
って言うか、これはこのまま責められたいって事でいいのだろうか?
謎だ。
とりあえず腕のお肉を揉み揉みしてみる。
ふと、女将さんと目が合い。
自然に笑みが漏れた。
俺の方に軽く体重を預け、しなだれかかる様に身を寄せられて。
柔らかい。
しっかりとした重みを感じるのに。
何故だろう。
もっと、体重をかけてくれと脳が欲している。
快楽物質とでも言えばいいのか。
錯覚かもしれないが。
自分自身で、それが分泌されてると感じられるぐらいには多量に生成されてる様に思えた。
彼女と触れ合ってる部分が、ビリビリと痺れてきて。
特に、素肌が触れ合ってるところはより感覚が敏感になり脳へと過剰な情報を送っている。
肌はしっとしとしていて……
事前にお風呂に入ったってのもあるのかもしれないけど。
それ以外にも、軽く汗ばんでもいる気がする。
ちなみに汗臭くはない。
良い匂いだ。
そして、発情したメスの匂いがした。




