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ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者〜蛇足編〜  作者: 哀上
蛇足②

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旅路 7

 パチパチと音を立てて。

 火がゆらめく。


 焚き火の中で、燃やし尽くされた木材が倒れ。

 乱雑に組み上げられた火元も連鎖する様に無作為に崩れた。

 いくつかの火の粉が上がり。

 それらは、上昇気流に乗ってそらへと昇る。


 側に腰を下ろした俺はと言えば。

 熱気を一身に受ける。

 頬に触れると、普段の体温より高い気がした。

 そのせいだろうか?

 まるで、自身が熱を持ったのに近いような感覚を覚え。

 体調不良で発熱でもしてるんじゃ無いかと。

 そう錯覚する。


 酒のあてにつまんでる干し肉に視線を落とす。

 遠火で炙られてるって、こんな感じなのだろうか?

 いや、まぁ。

 こんな肉片に触覚などあるはず無いのだが。


 ……ん?


 冷静になって自分の手をまじまじと見る。

 二本指で摘む様に持った干し肉。

 さっきまでの動作を再現するように、そのまま火元に近づけ。

 熱気を感じる。

 熱気ってか、普通に熱いんだけど?


 当然の話だ。

 木の棒に刺すでも無く、素手でやってるのだから。


 これ、アレだな。

 炙られてる様な感覚じゃ無くて。

 事実。

 俺の手は炙られていたらしい。


 ライター感覚だったのだ。

 酒飲みだったらつまみを炙るのはあるあるだろう。

 チートにかまけて。

 思考停止で随分と突飛な行動に出ていた様子。


 普通、適当な棒にでも刺して焼くもの。

 今からでもそうした方が周囲からの違和感も少なくなるはず。

 ただなぁ。

 気づいたはいいが、今更でもある。

 また次回からは気をつけるって事で、今回は甘く見てもらおう。

 うん。


 こんなんで本当にチートを隠す気があるのかと。

 自分でもかなり疑わしいが……

 いや、一応バレたくは無いんだけどね?


 そこらの枝を使うのは汚いし。

 わざわざ炙る為にアイテムボックスから探すのも面倒くさい。

 後、洗い物も手間

 一言で言えば、ただのサボりである。


 魔法で一瞬と言えばそうなのだけど。

 食器洗浄機に皿入れるとかも、なんだかんだ結構億劫じゃん?

 魔法を使うのは自分な訳で。

 手間としてはそれ以上にかかる。

 となれば、面倒になるのも当然の理屈。


 ……


 自分に言い訳しつつ。

 小さくなった干し肉を口へ放り込み。

 一緒に酒を煽る。


 焚き火へと視線を戻す。

 やはり、吸い込まれるような感覚がある。

 俺だけだろうか?

 前世からそうだった。

 特に、大晦日。

 神社なんかで行われる大きな焚き火を側で見ていると。

 意識がぼーっとしてきて。

 いつまでも眺めていられる気がした。


 二酸化炭素と一酸化炭素のせい。

 そう思ってたのだが。

 でも、転生してチート持ってからもそうなるんだよな。

 不思議だ。


 この世界に来たばかりの事。

 吸い込まれる感覚に身をまかせ、火の中に入ったことがあった。

 当時は自分のチートの限界もあまり知らなかったはずだが。

 前世の後遺症。

 思い返せば、過労死のダメージを引きずってたのかも。


 水面に揺られるような。

 そんな気分になれるんじゃないかって。

 変な期待をしていた気がする。


 結果としてはただの硬い地面だった。

 チートのおかげで火傷もしなかったし、熱気も全身で感じたけど。

 でも、それだけ。

 期待したような特別な感動は皆無。


 後、服が丸々燃えちゃって灰と化した。

 二度とやらない。

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 熱に強いのか火に強いのかによってお風呂が楽しめない!
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