春風 18
ふと、窓の外に視線を向ける。
うっすらと、その景色に色がついて見えた。
空が明るくなって来たのだろう。
鳥の囀りが聞こえる。
朝チュン。
……って言うには、少々意識がはっきりしちゃってるけど。
もうそろそろ日の出の時間か。
一晩中行われた淫らな宴。
その跡地。
部屋には俺たち3人の匂いが充満し、心なしか湿度も高い。
両腕に重みを感じる。
すやすやと。
2人して、腕を枕代わりに気持ちよさそうに眠っている。
激戦だったからな。
体力を使い果たしたのだろう。
受付嬢も……
多少、いじめ過ぎてしまった気もするけど。
満足気な表情を浮かべてぐっすり。
可愛らしい寝顔である。
まぁ、ちゃんとやり返してたしね。
なんだかんだ言って、皆楽しんではいたのだ。
あの後、受付嬢を嬢と一緒に脱がせて。
2人で攻めつつ、反応を見て楽しんでいたのだが。
このままでは堪らないと復活。
「次はお姉様の番です!」
なんて言って。
下着姿で抱きつき、押し倒したのである。
ちょっとしたキャットファイト。
攻守が逆転して。
受付嬢が襲ってる格好。
どっちにしても、俺としては眼福には変わりない。
ただ、傍観とはいかないらしく。
手伝いを求められ。
快諾。
嬢に受付嬢脱がすの協力しちゃったからね。
さもありなん。
しっぺ返しが怖いなと思いつつ。
断ったらもっと酷い事が起こりそうなので。
選択肢はない。
嬢はと言えば。
きゃーなんて悲鳴をあげつつ、表情は嬉しそうなまま。
そりゃね。
脱がされるのが仕事みたいなとこあるし。
でも、受付嬢としては不満なのだろう。
脱がせるだけでは止まらず。
足の付け根に顔を埋め、流石に嬢も驚いていた。
そのまま。
舌と指を使って攻め始め。
嬢の余裕もなくなったのか嬌声混じりの謝罪。
それを聞いて、一旦満足したらしい。
息も絶え絶えの嬢に、一仕事終えたと言わんばかりの受付嬢。
すごい執念である。
同性の方が気持ち良い場所を熟知してるからその方が、なんて聞いた事もあるけど。
この反応を見るに、あの話は結構マジらしい。
そんなこんなで、一通り楽しんだ所。
ふと。
2人して視線が俺の方へ。
「なんで、おじさんだけ服着てるんですか?」
「ロルフさんも脱ぎ脱ぎしましょうね」
……マズい!
2人の矛先が俺に。
そう思ったものの、あっという間に捕まり。
両手足を押さえつけられてしまった。
無論、単純な力関係で言えば簡単に抜け出せるのだが。
その先は言わずとも、ね。
ズボンに手をかけられ。
シャツに手をかけられ。
躊躇いもなく、するすると脱がされていく。
妙な感覚だ。
別にMって訳じゃないのだけど。
人間、両方の要素あるって言うからな。
それに。
両方から抑えられ、柔らかいものを押し付けられ。
正に極楽とはこの事で状況。
ただでさえ俺の性癖ガバガバなのに。
これ以上広がるのはヤバいって思いつつ。
されるがまま……
いや、本当に凄い空間だった。
あんなに乱れてたのに。
すやすや寝ちゃって。
この寝顔からは想像し難い光景である。
……
なんとなく布団をずらす。
と言っても、3人で寝ててまともに掛かってるはずもなく。
落ちかけてたのだが。
ほぼ受付嬢のせい。
前とか、気づいたら床で寝てたぐらいの奴だからな。
まぁ、そういう事である。
下着姿の2人。
やらなかった訳ではない。
そういう目的に作られた服だからね。
便利に作られてるのだ。
この前、プレゼントした品。
俺が娼館に来る時。
嬢は大体着ててくれる気がする。
こう見ると壮観だな。
同じデザインって訳では無いのだが、同じ人のデザイン。
どことなく統一感がある。
前世で言う、同ブランドみたいなものか。
下着を女の子に買い与えるとか。
今までそんな機会、全くなかったのだけど。
これ、結構いいかも?
「んっ……、ロルフさん?」
そんな事を考えつつ、1人鑑賞していた所。
嬢の事を起こしてしまったらしい。
そのつもりはなかったのだが。
まぁ、布団捲っておいてそれはちょっと無理があるか。
「ごめん。起こしちゃった」
「全然大丈夫、やっぱり3人だと狭かったかな?」
「いや」
確かに、多少人数に対して手狭な感じもするけど。
そこに文句を言うつもりはない。
一応、オプションではあるが。
そもそも、それ前提の作りではないしな。
お門違いってやつだ。
……そういえば、
「迷惑かけてないか?」
「え?」
「ノアとか、こいつも。連れてきてて」
NGにされてないし。
中良さそうだから大丈夫だと思うけど。
一応ね。
仕事だが。
別に、余計な負担をかけたい訳ではないから。
「うん、むしろ嬉しいぐらい」
「そうか」
「可愛い妹分だからね」
その言い分はあまり理解できないけど。
ま、負担に思ってないならいっか。
いじめてたのも。
あれ、姉妹特有のいじりに近い気もするし。
そういうの好きなのかも。
「だから、妹にちゃんと気持ち伝えてて。お姉ちゃん感動しちゃった」
「おい!」
気を抜けばこれだ。
姉妹関係なく、元々そういうタイプの人間。
間違いない。
「そっちこそ、妹分に嬌声あげさせられてなかったか?」
「さぁ、忘れちゃった」
「歳もそんな変わらないし、姉妹の立場も逆転かな」
流石に恥ずかしかったのか。
頬が赤い。
そのけがあるのかは知らないが。
受付嬢攻めてるのは見ても、嬢が同性に攻められてるの初めて見たし。
案外、経験なかったのかもしれない。
「人間、みんな誰かに甘えたい物だから」
「そういうものか?」
「ロルフさんだって……」
「?」
「前みたいにママって呼んでくれてもいいんだよ」
……おっと?
これ以上は続けない方がよさそうだ。
蛇足①、完結




