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1話 お姉さんとの最悪な出会い

 中学三年の夏。

俺は大きな過ちを犯してしまった……


「それでさぁー姉貴がマジでうざくてw」

「ちょっと待て平田、お前お姉さんいるのか?」

「あれ、話してなかったっけ?」


 

 俺の名前は笠井直人。

四時間目が終わり、給食を食べ、昼休みの今に至る。

そして今話しているのは平田蓮。こいつとは中学一年の時に知り合った、いわゆる親友。


 今やあっという間に中三だ。こいつとはもう隠し事なんか一切無いと思っていたが、まさかお姉さんがいることを隠してやがった。

まあ正確には言う場面がなかったのだろう。遊ぶにしても、ゲーセンに行ったり釣りをしたりしていたので当然だ。



 ただ、この年頃の男というものは姉や妹に憧れを抱くものだ。



「ねーちゃんとは一緒に風呂に入るものなのか?」

この場にいたもう一人の友達、木村が口にした。


「入るわけねぇだろ!! 姉貴はもう大学生だぞ!」


 俺は、姉貴が高校生なら一緒に入るのか……?と、一瞬頭をよぎった。


「おい平田。今日お前の家に行っていいか?」

「急にどうした直人。今日の放課後は本屋寄るって言ってただろ」

「その……なんだ……久しぶりに平田の家に行きたくなって」

「お前らなー! 姉貴がいるって知った瞬間態度変わりすぎだろ!」



 少し誤魔化し口調で言ってみたが、平田にはバレバレのようだ。

まあ無理もない。俺は嘘をついたり緊張している時はいつになく耳が赤くなる癖がある。

嫌な癖を持ったものだが、バレてしまったらしょうがない。

俺は直球で頼むことにした。


「少しお姉さんの部屋に入らせてくれ」

「ずるいぞ直人! 俺も入りたい!」


 この時、自分でも何を言っているのかよく分からなかったが、俺と木下に姉や妹がいないことを武器に平田に熱く語った。

平田は若干困惑した顔を見せたが、その努力もあり、今日の放課後平田の家に木下と行けることになった。


 あいにくその日は雨が降っていたため、学校から帰宅し傘をさし、すぐさま平田の家へ向かった。



「いいか、姉貴は今友人と遊びに出かけている。ただあと1時間後には帰ってくるらしいから、部屋を見たらさっさと帰れよ!」

「おっけー!!」


 俺と木下は子供っぽく元気な返事をした。平田からするに、お姉さんは少々面倒な人らしい。

ただ、今はこの好奇心を抑えることはできなかった。



 そしてついに平田がドアを開いた。そこにはたくさんのぬいぐるみに机、ベッド、本棚、タンス。そして丸くてふわふわしてそうなピンク色のカーペットが敷かれていた。

ぬいぐるみ以外は俺の部屋とさほど変わりはないが、なにか雰囲気が違うように感じた。



「うわあぁぁ! すっげええええええ!」

「おい木村、はしゃぎすぎだぞ」

「なんかいい香りするなぁ……」

「笠井。お前もちょっとキモイな」

「いやいや、これでテンションが上がらない平田の方がおかしいだろ!」


 俺は強く言い返してやった。中三になり、基本的にはいつもポーカーフェイスを貫いて落ち着きを見せている俺だが、流石にこの状況は頬が緩むどころの騒ぎではなかった。



 ところが少し目を離した次の瞬間、木村が部屋にあるクローゼットからなんとお姉さんの下着を取り出してしまった。

これには流石に俺も一線を越えたと察し、動揺した。



「ハハハ! 平田のねーちゃんのパンツ、花の刺繍ついてやんの」

「おい木村! お前なにやってんだ!!」

 


 これには流石の平田も怒ったみたいだ。お調子者の木村を連れてきてしまった俺の失態でもある。

平田と一緒に問い詰めようとしたその時! 玄関からドアが開く音がした。

平田の母だろうか。玄関からお姉さんの部屋は近いので、一応小声で確認を取っておく。


「おい平田。今帰って来たのってお前のお母さんか?」

「いや、母さんならいつも仕事で帰ってくるのは20時頃だな。父さんもそのくらいだ。」


 現在時刻は17時過ぎ。お姉さんもあと一時間は帰ってこないそうだが、一体誰なんだろう。

とりあえず今部屋の外に出ると対面してしまうので、俺達三人は息を潜めて待つことにした。



 すると玄関のドアが開いてから数十秒後、俺達が居るお姉さんの部屋のドアが開いた。誰かと思うとそこには、ベージュ色のストレートヘアーにならめかな肌、そして美しい瞳を輝かせた一人の女性が入ってきた。


 この時俺は確信した。絶対に平田のお姉さんだと!!!!!!!

そしてこの光景をみたお姉さんはついに口を開いた。



「は?」


 

 当然だろう。平田の自室で遊んでいると思っていたら、まさかの自分の部屋に男子中学生三人がいたのだ。


「ちょっと蓮。これはどういうことかしら?」

 一瞬でその場の空気が凍った。間違いなく怒っている。

見知らぬ男が自分の部屋にいるのだ。むしろ恐怖すら感じるだろう。


「姉貴!? 用事があるって言ってたけど、ど、どうしたんだ……」

「雨で用事が無くなったのよ。それよりこれはどういう……」

 

 その時、お姉さんは急に言葉を発するのをやめた。


 視線の先には、木村が取り出した下着があった……




 



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