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Insert-1 / 悪夢を見ていた
その幼女は悪夢を見ていた。
大きく、高級そうなベッドに一人で寝ている。
その額には、大粒の汗が浮き出て、尋常ではない量の発汗が見て取れる。
時折り、叫び声を上げるが、その幼女を気遣う人影は室内にはみあたらない。
屋敷というほどの大きさではないが、一つの家族が暮らすには十分な広さの家に、幼女は一人で住んでいた。
他の部屋には人の気配が無い。
幼女の叫び声は夜の帳に包まれたその住宅から漏れている。
しかし、大きく響くことはなく、近隣の住人には聞こえていないようだった。