ヒロインは美少女
「どうしたんだい?お嬢さん☆」
自分史上最高にイケてるセリフだ
「あ…探しものをしてるの、家の猫なの」
「なーんだ、簡単じゃないか☆」
てっきり、なになにが盗賊に盗まれたの、助けて!みたいな感じだと思ってたが
「まだ能力が覚醒してないからか?簡単すぎでは?いや、探している途中に、襲われるんだ、きっと。そこで俺は、シュパパパと倒しちゃうのか!ハッハッハッハ!!」
「何を言ってるの…?」
「いいや!なんでもないさ!」
俺は期待に胸を膨らませながら、猫探しに手を付ける
少女曰く、猫の特徴は全身が白く青い目を持った猫らしい
猫の名前はサナと言うらしい
もう小一時間程だっただろうか
「おーい、サナちゃんやーい、出ておいでー!」
「サナちゃーん、どこいったのー?」
二人で呼んでみるが一向に出て来る気配はない
「二手に別れて探してみようか」
「うん、分かった」
少女は出店のたくさんある、人通りの多い方へ。俺は人通りの少ない、路地へ向かった
「でてこぉーぃ…はぁ…全然見つからないじゃないか!最初のイベントがこんなんじゃ面白くないよ!もっと難しいイベントでスキルが覚醒するもんだろ!しかも一体!魔法はあるのかここは?ただ特殊な動物がいる、平和な動物園じゃないか!?ホントにどこにいるん――いた」
「ミャ〜オ」
暗闇の中にポツンと座っている光る青い目、サナだった
――だがもう一つ、いやもう一人ポツンと座る人間
「うんうん、なにそれー!ちょーカワイイ!」
猫に喋りかけるへんな女子
ちょー短いスカートに、ちょーカワイイうすだいだい色のカーディガンにちょーイケてるリボン、ちょー聞いたことある口調、肌は黒くはなく、カーディガンを少し白くした肌色、さながらそれは前世のそう平成の“ギャル”ってやーつーじゃーねぇー
「ギャギャギャギャギャギャギャギャギャルだ!」
前世の俺は陰キャ、しかも前世の死に際にあんな出来事に出会ったのにギャルとか、運が悪い
「え、なにー、お前ギャルて名前なのー?」
「ちちちちげぇー!お前だよお前!」
「え!?あたし?私ギャルって名前じゃないよー、私の名前は…ガル!」
名前を叫びながら勢いよく立ち上がり、右手の人差し指指を口元にさすようにし、片足を外側にあげ、決めポーズを取る、金髪に左の髪結んだポニーテールがひらりと舞う、笑顔が輝き、黒く艶のある瞳が揺れる、なんとも美しい姿だった。
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