生還。ギャルの家だと…!
「――てよー!――きてー!起きてっつってんのー!」
俺は、いつの間にか倒れてしまったらしい
目の前にはガルが、俺を抱きかかえるように、泣いていた
俺は瞳を開け
「ガ…ル」
「はっ!起きたのー!生きてるー?!」
「あぁ、生きてる…なんとかな」
血は完全に致死量以上だ、死んでないのが奇跡、不思議なくらいだ
「よ…よかったーー!!心配させんなー!本当に本当に!」
ガルは俺の体に顔を寄せ、大泣きする
「ギャルって…泣くんだな」
「バ!バカにすんなしー!本当に心配したんだしー!この子が教えてくれなきゃー、こんな事態になってるなんて、分かんなかったんだよー!」
ガルは俺から離れ、俺と向かい合うように座る
「ミャー」
「なぜまた、サナが」
「あたしの動物の声が聞き取れる技の能力、動物の耳でサナの言葉を聞き取ったんだー」
「お前にはそんな能力が…」
確かに、最初会った時はサナに喋りかけていたな
「助けてくれたあの少年が、ファイスト森へ入ろうとしているー!ってあたしに伝えに来てくれたんだよー!」
なるほど、入る直前にサナが俺を見かけたから、伝えに来てくれたのか
だけどなぜ、サナはあそこにいたのだろうか。不自然だ。だが今は生きていたことを喜ぼう
「そうだっ!サギョウは!」
俺は、サギョウの場所を確認するようにキョロキョロと辺りを見渡す
亀裂が入り血痕が付いた壁が大きくへこんでいる
そこにサギョウの姿は見当たらない
「サギョウってー?あの五十教のー?」
「ごじゅうきょう?」
「そう五十教ー、五十教の教徒にはア行、カ行、サ行、っていう風に、五十音が元になっている名前が付けられているから、五十教なんだけどー…その五十教はとても危険で、人殺しを容易くする集団なんだよー…」
サギョウは五十教の教徒だったのか…それなら、あんな残虐非道なことをするサギョウの行動にも納得だ
「でもどうして、そんな危険なサギョウを探してたのー?」
「襲われたんだ、サギョウに、この怪我もあいつのもんだ」
「襲われたー!?どうして生きてられたのー!?あんなのに会ったら生きてられる訳ないよー!」
「俺にもなぜ生きられたか分からない」
あの爆発は何だったんだ、分からないことが多すぎる
サギョウの脳のカケラの提供者が助けられないかと考える
「あの人たち、なんとか助けられないか?」
カプセルへガルの視線を促す
「ソウキョウ街の名医の所へ送ったら、助かるかもしれないよー」
「本当か!」
ガルは辺りを探し、カプセルからなんとか人を出せる手段がないかを探した
俺は動けそうにないので、休ませてもらってる
「なんだーこのボタン」
ポチッ――ガラス同士が擦れる音と共にガチャンという音がなる
「あ、空いた」
すべてのカプセルの扉が開く、一斉に中の液体が溢れ出、人が地面へ倒れ込んでいく
10人ぐらいはいるだろう
「ここはもう危険だ、この人たちを連れて帰ろう」
「帰るってレントはどこに帰るのー?」
「帰るってそりゃぁ家に決まっ――ない」
そうだここは異世界、俺は無一文、どうすれば…
「そ、それじゃあー、あ…あたしの家に来てもぉ…いいー…かも」
ギャ!ギャルの家だ…と!
「ほんと…か?いいのか?」
「う、うん…」
「ありがとう!ほんっっとーに!助かる!」
「えへへ」
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