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最強とは
――ドクンドクン
心臓の鼓動が早くなるのを感じる
――ズキンズキン
体中から血が溢れ出るのを感じる
「その子から手を離せ…!」
「な~にもできないやつがぁ!何を言ってる!!」
「うっせ…」
「私はもういいから逃げて!」
「嫌だね…」
グサッ!俺は自ら、ナイフを自分の手に刺した
「な!…とうとうおかしくなったか!?」
「そうかもしれねぇなぁ゛」
あの男から貰った薬を飲んでいなかったら痛みには耐えられなかっただろう
大量の血で赤く染まった手で、ナイフを刺したまま精一杯拳を握り、拳を思い切り地面へ叩きつけた。
「神かなんだか知らねぇが」
無造作に刺さったナイフを引き抜いた――手の甲の傷口から、指の間から滲み出た血が手を伝い
――地へ触れた
――その瞬間、彼の周りに、ザザザザッ!と紅に染まる巨体な牙のようなものが彼の背中を勢いよく相手に向かって襲う
「な!?そんな能力!見たことことがないぞ!!」
「俺の能力はなぁ…」
彼の能力はそう――自らの血を代償とし、最弱から這い上がる力『自傷』
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