旧統一教会が問題なんじゃない
凶弾に斃れた安倍晋三元首相の冥福を祈ります。
今更説明する必要もなさそうですが、容疑者の供述によれば旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)への深い恨みが主たる動機のようですね。
そして、破産するまで寄付させるといった同教会への批判は日増しに高まっており、関連団体が主催する講演会にノコノコと出向いた自民党議員へも厳しい目が向けられています。
この際、旧統一教会をカルトと認定し、日本で活動出来ないようにすべきとの強硬な意見もあるようでが、それで解決する問題でしょうか?
私はそうは思いません。
その証明は容疑者の母親が既に行っています。
息子が起こした事件を受けてもなお「信仰は続けたい」との証言がそれです。
これは本心だと思います。
洗脳とはそれほどまでに恐ろしい(洗脳された場合に本心とは何かという問題もありますが)という証左でしょうし、洗脳を解く事の難しさをも表しています。
そして、それこそが旧統一教会を潰せば済む問題ではない事を示しています。
端的に言うと、旧統一教会を潰したところで(容疑者の母親のような人は)別の組織に入信し、同じ事を繰り返すからです。
それは何度もオレオレ詐欺に引っかかるような人と似ています。
求められれば応じてしまうといった生来の人の良さ、頼まれ事を断れない優柔不断さが原因なのかもしれません。
反社会的な勢力は、破産するまで献金するような人の名簿を集めているでしょうから、一度宗教にハマった事がある人で二度と騙されるものかと思っている人は、余程の覚悟を決めないと難しいと思います。
本人は勿論の事、周りの家族も十分に注意しなければ防ぐ事は出来ないでしょう。
町を歩けば向こうから声を掛けてくる可能性があるですから。
そのような意味では、この事件における容疑者はただの負け犬です。
元首相を殺すという大事件を起こしたところで、母親の心は教会に行ったままなのですから。
もしかしたらそんな事はとっくの昔に承知しており、むしろその絶望で犯行を決意したのかもしれませんね・・・
それはそうと、旧統一教会に破防法を適用するのは妥当ではないと思います。
破防法はあくまで暴力主義的破壊活動を行った団体に対し、規制措置を定めると共に、その活動に関する刑罰を定めた法律であるべきで、少なくとも暴力による破壊活動を行っていない同教会は対象外とすべきです。
そうでなければ宗教組織だけでなく、あらゆる団体に拡大適用されかねません。
某学会が政府に影響を与えうる立場である現状、私は権力の濫用を危惧します。
都合の悪い組織を潰す事くらい平気でやりそうですから。