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輪廻

作者: 吉田夏帆史

僕は何でも持っていた

お金も地位もある種の名誉も

恵まれた家庭と権威ある父親と

だから、心の底でバカにしていた

貧しさは下等さの証だと、

僕らのような者に跪くのが当然だと

いつもどこか嘲笑い、幸福な当たり前さに感謝もしなかった

僕は高等種だ、これは当然の権利だ

その傲慢さが祟ったのだろう

学友といつものように、誰かを嘲笑いながら、すれ違う庶民に気を取られていた

あいつらバカだよなぁ、なんて思う頃には既に信号の点滅が始まっていた

僕は気付かずに車の行き交う川へと飛び込んでいた…


…変な夢を見ていた気がする

いつも通り、覚えていないけど

まだ少しだけ早い朝、それでももう一度眠りに落ちるには、この布団では軽すぎる

何の夢だったのだろう?

丸く横になりながら目を瞑り、消える前に夢を追いかけて…

「ジリリリリ…」

ダメだ、起きなくては

僕は、時計の音を止めると、ムクリと起き上がった

学校にはまだまだ早いけど、僕にはやることがあるから

まだ気怠い頭で顔を洗いに向かう

それから、朝ごはん代わりに水を一杯

僕は少しでも勉強がしたいんだ

でも毎日大変そうな親に、余り迷惑もかけたくない

出来たらみんなと高校に行きたいな

僕はいつものように自転車に飛び乗った

微々たるものかもしれないけど、僕はやれることはやりたくて、毎朝ニュースを配る

僕の家のように小さな家や、一体どんな仕事をしてるのか、大きなお屋敷に住んでる人もいる

ああいう人たちは、学校へ行くのなんて当たり前なんだろうな

高校どころか、大学、それ以上を目指して教授とか?

想像もつかないけど、あんなお屋敷に住んでいる人たちは一体、毎日何を考えているんだろう?

ウィグルの強制収容所の話を聞いて書いたものだったようです

よくいう、虐められるのは前世で誰かを虐めていたからだ、みたいなの

あれ、私は私自身なのかな、とか思っていて

魂には時間は関係ないから、同じ時代に同じ魂が存在することもあって

どちらも自分自身なのかな、と

そして、それが本当じゃなくても、それは戒めになるから

虐められるのが悪いとかじゃなくて、因果が巡って自分に酷いことが起こるならやめよう

って、そんな自分本位のことでもいいから

人に優しくできるんなら、いいなって

嘘でもいい世界にはなるだろうな、ってそう思う

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