第9話 パーティー結成
「いやー、死ぬかと思ったのじゃ。まさかあんな簡単にやられるとは思わなかったぞ」
場所は変わり、再度支部長室。
楽しくてつい悪ノリしちゃったかな?
「あのわたしの魔法消したのが音魔法とはな。いやー、あんな使い方する奴は初めてだ! というか音魔法持ち見たのは久々だ」
「支部長、音魔法持ちと会ってたんです? それも結構レアだと思いますけど」
「あぁ、いまは何してるか知らんけどな。それでカナタくん。魔法資質はもう文句なしだ。先程使った火属性、音魔法、そして雷魔法。自然特殊系統が2つ使いこなしもばっちりだった。だが、おそらくだがまだ系統があるの?」
「そうですね。俺は一応全属性持ちだそうです。3系統魔法使えますので一応9属性ですかね?」
「全部じゃとっ!? 私じゃ3つまで出させるのが精一杯じゃったのに。皇国トップクラスと言われた私なんじゃが……。まぁよい、是非、冒険者となってほしい。カナタくんの力を貸してくれ」
俺はそれに了承した。
元々ライセンスとって色々行こうと思ってたし。
「じゃがカナタくん程なら赤、レッドカードでは釣り合わんが、とりあえずレッドカードを渡しておく。これ以上は私の権限を超えているのでな」
「え? まだ上があるんですか?」
「ありますよ。ほとんど持ち手はいないんですが。下位3色をローアークラス、中位2色をセンタークラス、上位2色をエリートクラスと分類されています。ただエリートクラスであるレッド、オレンジは数が少ないんですが…何故かその上があるんです」
「スペシャルクラス。余程の英雄か傑物に与えられる冒険者としては最高の栄誉じゃ。そう簡単にはもらえぬ。何はともあれこれから宜しくたのむぞ、カナタくん。数少ない赤色としてもな」
「わかりました。これに恥じないようにはします」
話も終わり、俺は退室した。
なんだか色々展開が進んだ気がする。
流石に時間かかったし、イオリたち待ってるかな。
「あやつ、わかっておるのかの。レッドライセンスを持った意味」
「あまり執着されてなかったですもんね。赤色なんて見たこと支部長くらいのしか知らないですよ」
「カナタ・イクスウェブ。正真正銘の怪物じゃ。底が全く見えん。ジオ先生もエライものを紹介してくれたもんじゃ」
と、支部長室で2人が話していた時。
俺は受付で待ってくれてるイオリたちと合流した。
「あ、カナター。待ってたわよ」
「ごめん、少し長引いた」
「いいですよ。宿も一部屋空いてるそうなので取っておきました」
「ありがとう! そしたらご飯行かない?」
「そうね、この辺りにご飯はとても美味しいわよ」
楽しみだなー!
近くの食堂に入る俺たち。
そしてご飯が美味い!
さっき魔法使ったからお腹空いてるし余計に美味しく感じる。
「カナタ、それで結局どうだったの? ライセンス」
「え? 貰ったよ」
「何色よ? カナタのことだし上位色かな」
「オレンジかレッドです?」
「なんか赤色だってさ。なんか目立つ色だよね」
「はぁ、カナタのことだからレッドライセンスだとしても驚かないけど……まさか最上位取ってその反応とか」
「ふふ、カナタさんはあまり気にされないんですね」
え、何その反応。
別にライセンスあれば何色でもいいんだけど。
「ちなみに私たちはブルーライセンスよ。所謂第5位色ってところね。下位から中位は中々上がるのが大変なのよ」
「下位と中位じゃ行ける所も待遇もぜんぜん違いますから」
「色んなもんがあるんだな。まぁともあれこれで色々知れるんだし、楽しめそうだ」
「ねぇ、カナタ。これからの予定は何か決まってるの?」
「んー、とりあえずこの辺りを色々見てみたいししばらくここを拠点にしてお金稼ぎつつ探索かな?」
それを聞いたイオリたちは双子同士で目を合わせていた。
どうしたんだろ?
「もし、カナタが良ければなんだけど私たちとパーティーを組まない?」
「せっかく知り合えたんですし、カナタさんが良ければ是非」
「え? いいの? 2人は用事とかは?」
「私たちは冒険者をしながら旅したりしてるだけだから。それに何かと女だけだと困ることもあるから」
あぁー、確かに2人とも美人だしナンパとかされそう。
まぁ俺も一緒にいれて嬉しいけど。
「だったら是非よろしく。実は故郷を出て誰も友達とな居ないから2人に知り合えてよかったよ!」
「これでパーティー結成ね。色々戦い方とか教えてよね」
「明日、パーティー申請したらクエスト受けましょう」
「了解!」
こうして俺は初めて故郷の外に出て…。
イオリとティナと知り合って。
冒険者になった。
んー! 前世の記憶にはなかったことだ!
―続く―