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現実の人生の次は異世界で二度目の人生を楽しむ  作者: 希咲七夕
第1章 旅立ち〜赤の悪魔編
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第8話 支部長−ギルドマスター−

「ここが支部長、つまりギルドマスターの部屋です」


「立派な部屋ですね」


あれからユラさんに連れられて、昇降機というのに乗り現在に至る。

エレベーターがこの世界にもあるのか、ともう1人の俺の記憶からある。


「それにしても支部長さんは俺になんのようです? さっき水晶玉割っちゃったからですか?」


「私も聞いてないのよ。さっきのことは多少関係あるみたいよ。状況を伝えたら名前を聞いてほしいって言われてもしファミリーネームがイクスウェブなら連れてきてほしいと頼まれたの。私からしたらカナタくんが何者よ、ってかんじね」


そう言われても別段、何もしてないな。

何者って言われてもふつうのカナタです、としか言えないよ。


「それじゃ入るわよ」


ユラさんは緊張した様子で部屋をノックした。

中からは……


「入っていいわよ」


少し大人びた雰囲気の声が聞こえた。


「失礼します」


「ユラ、ありがとう。そして初めまして、カナタ・イクスウェブくん」


綺麗な金髪で長い髪。

優しそうな中に妖艶さがみえる。

ただ、違和感がある。

いや、わかった。

これは試されてるな。


「初めまして。支部長殿。その姿は(・・・・)とてもお綺麗ですね」


「あら、流石ですね。私の幻術を見極めるなんて人なんて初めてですよ。あの先生ですら見極められなかったのに」


「さすがカナタくんですね。普通気づきませんよ、いまの姿が仮なんて」


「そうなんです? 魔力の揺らぎを感じただけですし。それより先生って?」


俺の中では小さい頃、魔法を教えてくれた先生が思い浮かぶ。


「ふふ、あなたの良く知る先生であってますよ。ジオ先生は元々皇国のギルド本部のグランドマスターされてましたからね」


おぉ……初めて知ったよ。

先生、皇国に居たことしか知らなかった。


「さて、その話はおいおいにして。まずは私、魔法といていい? 肩凝るんよね」


急に言葉遣い変わったな。

支部長殿の周りが一瞬光る。

その後、目の前には先程の姿と打って変わって。

色々小さくなっていた。


「改めてこの冒険者(ブレイサー)ギルドの支部長又はギルドマスターのアーシェじゃ。いま色々とちっちゃいと思ったのは今回は不問にしてやろう」


心読まれたっ!?

見た目は幼女で金髪ツインテ。これはお約束というものらしい。


「こほん、ところで今のは光魔法と水魔法の合成ですよね? なんでわざわざ変装してるんですか?」


「さすがじゃないか、いったいどういう目をしてるんだ? ちなみに変装してる理由は面白いからじゃ。こうやって気づくやつもいるが、基本この姿はウチの受付しか知らん」


面白いから。

うん、その理由はよくわかる!


「ま、後は書類ばかりで暇じゃからの。その時にユラのやつが水晶玉を割ったやつがおるって連絡くれての。あれは普通じゃ割れん。そしてそれを簡単に割ったという名がカナタというのじゃ。よくジオ先生が名前出してたから同一人物かのと思って呼んだわけじゃ」


「なるほど、そういう理由でしたか」


「そこでもう一つの本題じゃ。水晶玉を割ったということはこの水晶玉を使って以来初めてのこと。そちの能力がこの水晶玉を超えているということじゃ、その時点で大いに異常じゃの……さらに」


アーシェさん?ちゃん?はそこで一呼吸開けた。


「聞くところによると6才で指定害悪種キリングスベアを討伐、直近ではタイラントスネークの討伐。このような人材は正直ほしい。戦闘技術も申し分ない。だがそちの能力を直に見せてほしい。聞くところだけならば十分に緑、グリーンライセンスは確定じゃがおそらくそれだけじゃないはず」


「そこまで買ってくれるなんて照れますね。能力を見せるとはどうしたらいいですか?」


アーシェはそれを聞くと、ついてきてくれと言った。

今日はついていく日多いな。

アーシェさんとユラさんについていった先は街はずれの岩盤地帯だった。

ほんと色々あるな。


「さて、ここらでいいじゃろ」


「それで俺はどうすればいいです?」


「簡単じゃ。私と戦え。ただ条件を付ける。これはそちの能力を見せてほしいからじゃ。使える属性は全て使い私を圧倒してみせよ」


「え? そのいいんですか?」


「ん? よいよい。これでも私はこの支部ではマスターを張ると同時にこの国では“金色の要塞精霊”と呼ばれとる。ちょっとやそっとじゃ倒れん」


え、なにそれかっこいい!

2つ名ってやつかな?


「ちなみに街中では金髪ロリツインテの2つ名もありますよ」


わぉ、ぴったりだ。


「うぐ、それは言うな。とりあえず気にせず攻撃してこい。魔法資質を見る」


「わかりました」


それならちょっと頑張ってもいいかな?

あんまり属性は見せびらかすのは好きじゃないけどこの人たちなら大丈夫か。


「では、いきますよ」


「こい。胸を貸してやる」


「貸せる胸はないですけど」


ユラさん、喧嘩売りすぎだ。

久々に大きいの使うか!


(イメージは相手を追う業火の蛇)


「サラマンダー!」


「な、なんじゃー!!」


豪炎がアーシェを取り囲む。

少しでも触れれば一瞬で灰になる業火。

それが蛇のように唸りを上げさせアーシェを襲わせる。


「ぬぉぉぉ! エレメンタルバリア!」


荒れ狂う炎の蛇を障壁で受け止めた。

しかし、止まるのは僅かな時間だけ。

障壁は霧散する。


「なんじゃこれは! 反則じゃー!これでも私の防壁はトップクラスと謳われてるんじゃ! 聖霊の壁(グロリア)!」


アーシェの前に先程とは全てが違う防御壁。

流石のサラマンダーでは破壊に時間がかかるか。

しかし、楽しい!

まだ続けられる!


「どうじゃ! はははっ!!」


(試しに使ってみるか、音魔法。魔力も元を正せば振動の一種。アーシェさんの魔法の周波数と正反対の周波数を当てる)


俺はサラマンダーを消すのと同時に使う。

ハウリング、と。


「ぬあっ!? なんじゃ魔法が消えた? それにあの蛇も?」


「ボルテクス」


アーシェの頭上でゴロゴロと大きな音が響いた。

そこでようやくアーシェは自分の頭上にあったもう一つの魔法に気付く。

それでは遅い。

すでに彼女の魔力は相殺している。


「のぉぉーーー!!」


落雷。

轟音を響かせて、辺りに雷光が瞬く。

あ、やり過ぎた?


「一応、外したから大丈夫だとは思うけど?」


「死ぬかと思ったぞ……」


アーシェの近くに大きなクレーターみたいのが出来た。

威力は弱めで派手さを付けたからまぁ演出みたいになったけど。

これなら満足してくれるかな?


−続く−

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