第7話 冒険者ギルド−ブレイサーギルド−
少しずつアクセスが増えてきていてとても嬉しいです!
−冒険者ギルド カルアート支部−
「あら、イオリにティナじゃない。お帰り」
「ユラさん、ただいま。クエストの報告しにきました」
「相変わらず仕事が早いわね……あれ? イオリたちが男を連れてるっ!? え、どっちのものなの? まさか両方? きゃー! しかも男前じゃないの!」
「ユラさん、落ち着いて」
見た印象大人しそうな大人の女性って感じだったけど。
違ったな。
人って見かけによらないものだ。
「彼氏等じゃなくて、この人はこの先の森で助けてもらってそれから一緒なのよ」
「それで惚れたのね? いつも思うのよねー。ふつうそんなんで惚れる?みたいに思うけど、実際そんなかっこいい事されたら惚れるわよねー」
「いや、だからね、ユラさん」
「なんか私も男ほしくなってきちゃった。ねぇ、紹介して?」
あぁ、この人なんて逞しい。
「ユラさん!」
「ごめんごめん。この仕事してると男性と会うことが多いのに何故かしらね。じゃあ2人のライセンス出して」
2人はカード状のライセンスを提示した。
そこにユラさんなる人が指を添え、魔力を付与した。
「依頼のウェアウルフの討伐、確認したわ。あら? え? あなたたち、タイラントスネーク倒したのっ!?」
どうやらあれで戦闘記録を読み取れるそうだ。
凄いな。
「私たちというより、カナタさんがお一人で倒されたんです。多分、私たちも介入してたので」
「カナタに助けて貰わなきゃ死んでたわね。準備もなしにタイラントスネークは会いたくてないわ」
「へぇ、ねぇ。カナタくん。冒険者にならない? タイラントスネーク倒すほどの実力があれば上の階級も固いわよ」
「階級?」
「えぇ、私たちギルドは所属してる者全てに能力に応じて階級を渡してるの。能力に合わないクエストは紹介しないようにして出来るだけ死亡率を減らしてるのよ。実力に合ったクエストを提示する。それが私たちギルドよ」
たしかに魔物と戦うのに実力が伴わない危険だ。
しかし、魔物を階級分けしてのは初めてだ。
「階級は全部で7つ。ライセンスカードの色で見分けられるわ。上から順に赤、燈、黄、緑、青、藍、紫となってるの。決め方はその人の能力、魔法の資質、経験で決まるわ。最初のライセンス登録はその人の才能に左右されるけど後々は経験や技術が比率が大きくなるの」
「ライセンスが貰えると何か良いことがあるんですか?」
「先程の階級によって変わるけど国が指定している遺跡や土地などライセンスを持っていれば自由に行けるわ。もちろん国間だって身分証変わりにもなるから旅するにはオススメね」
「カナタも持っててもいいんじゃない?」
「そうですね、タイラントスネークを倒せるくらいなら問題なくクリア出来ると思います。いかがです?」
旅が色んなところに行けるのは大きい。
取ってて損もなさそうだし。
取るか!
「ライセンス試験受けます。何をすればいいですか?」
「それは簡単よ。この水晶玉に手を当てて一瞬だけ全身にビリって電気が流れた後に魔力を流してください。それだけです」
ユラさんは奥から大きめの水晶玉を持ってきた。
何か石見式に似てるな。
懐かしい思いを抱きながら、水晶玉に手をあてる。
すぐにビリって電気が走った。
それを感じたし、魔力を流した。
水晶玉が光出す。
「あとはその水晶玉が能力を感知し、ライセンスカードに色をつけてくれるの」
「へぇー。凄い技術だ」
と待っている刹那だった。
勢いよく水晶玉が割れた。
「へ? 嘘。水晶玉が割れるなんてありえないわ。こんなの見たことない……。ちょっと待ってて!」
ユラさんが慌てて中に入って行った。
そしてすぐに戻ってきた。
「カナタくん、ファミリーネーム聞いてもいいかしら?」
「イクスウェブです。カナタ・イクスウェブ」
「その、カナタくん。時間はあるかな?」
「え? イオリ、ティナ。どうかな?」
「大丈夫よ。私たちの仕事は終わったから後は宿とご飯だけだし」
「大丈夫だそうです」
「わかったわ。イオリにティナ、待っててくれるかしら? 少し時間かかるからカナタくんの分の宿取っておいて貰える?」
2人は不思議そうにユラさんを見ていた。
ただ、、なにかを察したみたいだ。
「カナタ、あとでもどって来るからここで再度集合ね」
2人を見送った後、再度ユラさんが口を開いた。
「申し訳ないんだけどウチの支部長に会ってくれないかしら? 支部長があなたに会いたいそうなの」
それは何故か支部長からの呼び出しだった。
水晶玉割ったことが原因かな?
もしかして怒られる?
−続く−