第5話 出会い
ヒロインの登場です!
「んー。世界って広いな!」
旅立ってから1ヶ月が立った。
東国が思ったより広くて、いや実家の場所が思ったより辺境だったことを知った。
色々探索していたら、時間がかかってようやく国境を超えれた。
さっき国境を越える時に門番さんにこの先の森を抜けたら大きい街があると行ってた。
ただ、その森は最近、魔物が活性化しており危険だそうだ。
うん、おもしろそうだ!
「この森かー。うん、なにか空気が震えてる感じだ」
ウォォォオ、と声も聞こえる。
鳥の羽ばたき音。
たしかに活性化してる。
「きゃぁああ!!」
「え、人の声が聞こえる! あっちか!」
すこし離れた所からの声。
聞き間違いかもしれないけど、間違いならそれでいい。
とりあえず急ぐ!
−−−−−−−−−−
「イオリ!」
「ティナっ」
「ウォータースピアー!」
ウォォォオ!
人間の3倍は大きい巨躯。
森の人喰い蛇と評される大蛇−タイラントスネーク−
不運にも出会ってしまった。
その巨躯には魔法が効かない。
長い尻尾に巻き付けられ、身動きが取れない銀色の髪をした少女。
そこから必死に助け出そうとするも大蛇の口に阻まれなにもできずにいる同じ銀色の髪の少女。
「くっ、イオリを、離して!」
大蛇は敵に値しないと判断し、捕まえた少女を捕食しようと大口を開ける。
必死に逃げようとするが、その大蛇からは逃れられない。
イオリは覚悟するしかなかった。
弱肉強食の世界に。
そして待った。
待ったが何もなかった。
それどころか体を締め付けていた力は抜けており、脱出出来るほどだった。
「え、なに?」
「大丈夫? 食べられそうだったけど」
ピッ、剣を一薙して刃についた血を弾く。
それと同時にドシンっと音を立て大蛇が崩れ落ちた。
「イオリ! よかった、怪我はない?」
もう1人の少女が急いで駆けつけ、イオリって子の体を確認していた。
そしてすぐにこちらを向いて。
「あの、助けて頂きありがとうございます!」
「あ、私も助けて頂きありがとうございます」
2人は俺に向かって頭を下げた。
1人の胸がそれにより揺れたことについ目が行ったのは秘密にしておきたい。
「いや、よかったよ。食べられそうにしてたからびっくりした」
「私たちもびっくりしました。そんなに奥じゃないのに大蛇に会うなんて。活性化の影響かもしれないですね」
「それにしてもあなた、凄いわね。この大蛇、魔法は効かないわ、攻撃も通らないわでじり貧だったのよ。それが綺麗に真っ二つなんて」
「はは、上手いこと行ったからだよ」
「いえ、あなた絶対に強いわ。もしかしてこの国で一番強かったり?」
「そうですね、間違いないかもです!」
こんな褒められるとこしょばゆいな。
まぁ、とりあえず助けれてよかった。
「あ、そうです。イオリ、自己紹介してないです!」
「あら、忘れてたわ。こほん、改めて助けてくれてありがとう。私はイオリシア・アルシェンテ。イオリって呼んでね」
「私はティルナシア・アルシェンテです。ティナと呼んでください」
髪が肩ぐらいまでで胸もそこそこあるほうがイオリ。
髪をサイドポニーテールにしてる胸が大きい方がティナ。
おっと失礼な話か。
「俺はカナタ・イクスウェブ。カナタって呼んくれ」
「よろしくね、カナタ。」
「カナタさん、よろしくお願いします」
「ところでカナタ、あなたはなんでここに? もしかしてクエスト?」
クエスト?
聞きなれない言葉だな。
「いや、旅をしてる途中でこの先に大きな街があるって聞いてそこに向かおうって思ってたんだ」
「旅をされていたんですね、もしかして冒険者です?」
「? 俺は世界を見て回りたくて旅をしてるだけなんだ。それにその冒険者だったりクエストだったり何の話?」
「カナタ、クエスト知らないの? 冒険者っていうのはクエストっていう依頼を取って報酬を得る仕事よ。その強さなら有名な人かもって思ったけど」
「つい1ヶ月前に旅を始めたばかりだから世間には疎くて」
どうやら俺が知らないことは本当に沢山ありそうだ。
冒険者にクエスト、聞きなれない言葉をだけど不思議と意味が分かる。
いや、不思議ではないか。
前世の俺の記憶で分かっているのかも。
「ちょうどよかったわ。私たちもこれからその街に戻る予定だったのよ、クエストも終わったところだったし。よかったら一緒に行かない?」
「イオリ、それいいですね! カナタさん、よかったら是非」
「んー、そうだね。一緒に行こう」
「やった♪」
これが役得ってやつなのかな?
もしくはお約束?
何はともあれ新しい知人もできたし、目指せ街!
−−続く−
もちろんエリナもヒロインですよ?