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現実の人生の次は異世界で二度目の人生を楽しむ  作者: 希咲七夕
第1章 旅立ち〜赤の悪魔編
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第2話 異世界で二度目の人生

すみません、仕事の都合で投稿遅れました!

よろしくお願いします。

−シークリンド皇国 最東部 辺境地−


「おぉ、カナエよ! 無事に産まれたのか!」


「えぇ、あなた。男の子だそうよ」


「そうか、良かった……! 本当によくがんばったな、カナエ」


東部、別名 東国イーストエンドの村長の息子夫婦から待望の子供が産まれた。


「えぇ、この子が無事に産まれてよかった。名前を決めたいんだけど、あなた。実は思い浮かんだ名前があるの」


「ほう、奇遇だな。私もだ」


「ふふっ、だったら一緒に言ってみる? せーのっ」


「「カナタ」」


「あら、凄いわ。一緒ね」


今は静かに寝ている息子を優しい目で見る2人。


−−−−−−−−−−6年後



僕は6歳になった。

特に特別な家系でもなく辺境地の東部に産まれた。

ただ、僕には僕とは違う人の記憶を持っている。

前世の記憶というものらしい。

今より小さい頃はよく分からなくて怖かったけどお医者さんが言うには極稀に持って産まれるそうだ。

年齢が立つに連れて記憶がどんどん鮮明になっていくんだ。

お陰でそのことはあまり気にしくなっていた。


「カナター、速いよー!」


「ごめんー! 」


「ようやく魔法の練習が出来るからって元気過ぎるよ」


「でもエリナ、待ちにまった魔法なんだよ! 楽しみで楽しみで!」


この国では6歳になるまで魔法は使ってはいけないというルールがある。

使用は禁止であって勉強するだけなら大丈夫だという。

何故かと言うと大半が理解出来ることがないからとお母さんが言っていた。

でも僕は勝手に勉強はしていた。

何故か内容は理解出来た。

その結果が知りたくてずっと我慢していた。

それがようやく叶う。

もう楽しみで仕方がなかった。


「カナタ、ずっと勉強頑張ってたもんね。体術とかもよく練習してるし、私じゃ考えられないよ」


「へへっ、なんか楽しくて楽しくて!」


今から向かうのは魔法を教えてくれる先生のところ。

この小さな町では中々先生は居ないけど、昔、皇国の魔法師団に居たっていう先生が居て今日から先生をしてくれる。

場所は町の端にある広場に集まる。

行くのは僕とエリナだけだ。


「あ、先生ー! 今日からよろしくおねがいしますっ!」


「おぉ、悪ガキにエリナじゃないか。もう6歳になったんか。悪ガキに魔法を教えることになるたぁな。エリナは来年だね」


「私は来年ですね。でも、今日はカナタ、ずっと楽しみにしてて。先生、よろしくお願いします。」


「そうだな、この悪ガキがよく我慢してたもんだ。じゃあそこに立ちな」


ようやく魔法が使える。

僕はもう気持ちが止められない。

もう1人の僕からも高ぶりを感じる。


「まずは魔法の基礎だ。体にある魔力の流れを感じて、その魔力を体から出すイメージをしてみな。まずはこれが出来なきゃ魔法をの ま の字も使えない。まぁ、最初はできねぇ……」


「先生、これでいい?」


「は?」


先生は一体何を驚いてるんだろう?

基礎って言ってたし簡単だと思うけど。


(ワシは何を見てる? こいつ、魔力を放出するところか体の周りに留めている! そんなバカな!)


「何かカナタの方から凄い雰囲気? オーラ?みたいのを感じるよ! 私はまだできないけど…」


「いや、エリナ。お主にも微量だが出ておる。ただ、こやつが異常なんじゃ」


「へ?」


先生は俺をジッと見つめた。

なんで見つめられてるのかわからないんだけども。


「悪ガキ、いや、カナタよ。これを持ってみなさい」


先生はポケットから綺麗な透き通った色をした石を出してきた。

僕は言われたとおりに先生から受け取る。


「それは魔透石といって別段、透明な石ってだけでさほど意味はないんじゃ。ただ、これの特徴はその人の魔力の質を写してくれる」


「魔力の質って確かその人が生まれ持つ属性のことだよね?」


「そうじゃ、1人それぞれが持っていて大体は1つか2つの属性がある。エリナだって何かしら持っているはずじゃ」


「わたしにもどんなのがあるのかな」


「それは来年のたのしみじゃな。さて、話しを戻すが属性には大まかに自然の力に由来していて決まっておる。カナタ、言えるか?」


「火、水、地、風の四大属性。それに陰陽系統の光と闇、自然特殊系統として雷、音、時属性の9属性だったかな」


いつも読んでた本にはそう書いてあった。

何回も読んだし覚えてる。

意味もなんかわかるんだよね、もう1人の僕がいるからかな?


「ほう、陰陽に特殊まで知っとるとはの。悪ガキにしてはそこまで知っとるのは意外じゃが……。先にも言ったんじゃがこれのどこかに魔力を持つ者は必ず分類される。自然特殊は全体の0.1%とは言われとるし、大体は四大と陰陽の6体系になるじゃろ」


雷とか時属性ならかっこいいのになーと僕は思う。

まぁそれでも属性が知れるのはとてもたのしみだ。


「先生、これをどうしたらいいの?」


「まぁ待て、急ぐではない。これは立派な儀式じゃ。“石見式”と言っての、さっきの魔力の流れをその石に流すんじゃ。その石の光で属性が分かる。まずは見とれ」


先生がもう1つの石を出し、そこに魔力を流した。

僕の目に映ったのは……。


「赤色と緑色? 二色が混ざり合ってる!」


「わぁぁ、綺麗な色だね、カナタ!」


「赤は火、緑は風を表しとる。つまりこのように属性に沿った色が現れるんじゃ」


「楽しそう! 先生、もうやっていい?」


「やってみなさい」


僕は先生がしてたように魔力を石に流した。

何色になるんだろう?

楽しみで仕方がない!


「えーっと、これは何色なんだろ? 色んなのが混ざり合ってる感じで……」


「こ、これは!」


すると突然、石からパチって何かが走りぼくは咄嗟に手を引いた。

そして次の瞬間にパンって音を響かせ、石が割れた。


「え、あれ? 壊しちゃった?? 先生、ごめんなさ……」


先生に謝ることをしようと思ったら先生が震えていた。

どうしたんだろう、僕とエリナは先生を前にオドオドしているだけだった。


「カナタ、よく聞きなさい。おまえの属性はワシも何十年生きてきたが初めて見た。全ての属性の素質を持っておる」


「えーっ! カナタ、すごいよ!」


「凄いなんてもんじゃないぞ。この世界始まって以来のもんかも知れん」


「え? それって凄いの?」


−続く−

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