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Give and take 留学編  season2   作者: 月岡 愛
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弾丸摘出

熊本、救命救急医療センターからは、チーフドクターの他に外科医、内科医の先生、看護師も加わった。 私はデモ隊のメンバーが持参していた録画用のアクションカメラを頭に装着、それをipadに接続して、カメラとタブレットの2台で熊本へと映像を送信できる状態にした。


チーフドクターもタブレットの映像を手術モニターに接続、医師と看護師にも見える状態になった。


(よし。愛、準備は出来た。あとはこちらから指示を出すからその通りに執刀してくれ。)


(はい。分かりました。 始めます!)



(まず、僕が針を打つからそれからにしよう。)


鍼灸師さんが針を取り出し、背中と手に針を打ち始めた。


まず、手に針を刺して銃弾を受けた傷口を避けて首から腰あたりまで背骨を囲むように針を刺している。


(これは合谷というツボで、いろいろな痛みを和らげる効果があるんだ。)


手の親指の付け根あたりに針が刺さっている。


(こうして背骨を囲むように針を与えれば、手術でいう麻酔効果が得られるんだ。)


こうして準備は整った。


(チーフ、始めます!)



弾丸摘出手術が始まった。



(ゆっくりと傷口を切開するんだ。その辺りを慎重に・・・・)


チーフの指示がipadから聞こえる・・・


メスのような細い包丁を傷口に向けゆっくりと差し込んで行った。傷口が広がると弾丸がハッキリと見えてきた。


(何か掴む・・ピンセットみたいな細い掴むものはないか?)



(これならどうだい? 魚の骨を取るとき使うんだよ。)


お店のおばさんが、ピンセットのようなものを出してくれた。


(よし、それでいい。一番近くに見える弾丸をつまんでくれ。)


よく見ると手前、真ん中、奥と揃うように肩に入り込んでる。まず手前にある弾丸をつまんだ。


(そうだ。いいぞ。ゆっくりと・・・)


まず、一発目は取れた。 次は真ん中だ。


汗がドクドク出て来て体が震えている。大丈夫か、私・・・・



(私がいるから大丈夫よ。)


ソンファがおでこの汗をタオルで拭いてくれた。


2発目の弾丸が思うようにつかめない・・・


(ゆっくり、落ち着いて。)


内科医と外科医の先生の声も聞こえる。


どうも、一発目のようにいかない・・・どうしてだ???


(大丈夫よ。絶対、出来る。ゆっくりね。)


看護師さんたちからも聞こえる・・・


ゆっくりと・・・よし、かかった。


そーと、弾丸をつまみあげた。


(愛さん、熱湯で一旦、消毒しよう。)


鍼灸師さんがピンセットのような、魚の骨取り器をお湯の中に入れてくれた。


最後の3発目だ。 これが厄介で奥にめり込んでいる。


(愛、その細いナイフで少し奥を切開してくれ。そうすると弾丸がグラつくはずだ。)


(あの・・・大丈夫ですか?もうこれ以上、私・・・)


(しっかりして。大丈夫だから。私たちも一緒よ。)


看護師さんたちもエールをくれた。


(大丈夫よ。愛・・・)


顔面、汗でびっしょりの私をソンファがタオルで拭いてくれる。


しっかりしなきゃいけない・・・私がやらなければこの刑事は死んでしまう。私は3発目にナイフを入れた。


間違ったところを刺してしまって血が噴き出て止血できなくなったらどうしよう・・・不安でたまらない。


(いいぞ。そうだ。ゆっくりと・・・)


チーフからの指示もあまり聞こえなくなってきた・・・


弾丸近くにナイフを入れゆっくりと切りこんだ。そのとき、グラッと弾丸が動いた。幸い、血液も出ていないようでこのまま取り出せそうだ。


三発目の弾丸を、魚の骨取り器でつかみゆっくりと取り出した。


(よし、その調子だ。弾を取り出したら、傷口を閉じなければいけない。そこに針と糸はあるかい?)


(いま、持ってくるから・・待っててよ。) 



お店のおばさんが、縫い針と糸を探しに行ってくれた。


(傷口をよく見せてくれ。)


私の頭についているアクションカメラを銃創に向けた。


(出血もしてないし、3発の弾丸も取り出した、幸い、炎症も起こしていない・・・あとは傷口を閉じるだけだ。)


おばさんが縫い針と糸を私にくれた。あとはこの糸で傷口をふさげば手術は終わる。縫い針に糸を通してチーフが最後の指示をする。


(今から言うとおりに針を体に通してくれ。皮膚と皮膚をくっつけるようにして縫うんだ。)


広がった傷口を閉じるように縫っていく。中学や高校のときも家庭科の授業で裁縫をしたことがある。その要領で皮膚を縫っていけば傷口は閉じる。


最後の一刺しで皮膚を閉じて糸を切った・・・


(よくやった!!ほんとによくやった!!)


チーフや医師、看護師の人たちやお店にいるデモ隊からも大歓声!!


信じられん・・この私が手術をしたなんて・・・ でも、あくまでも応急処置だ。この先は本格的な手術をしなければならない。 救急車はいつ来るのだろう。


鍼灸師さんが針を抜き取っていき傷口に百草を当て包帯で覆った。


(これで大丈夫だよ。あとは病院へと搬送を待つしかない。)


リンさんが救急車を手配してくれてたようでもう間もなくこちらに到着するらしい。


(あんた、ほんとうによくやった・・・これでこの人も命拾いをしたねぇ・・)


おばさんも安堵のようでホッとしている。 私も先ほどの緊張感から抜けて一気に気力が落ちた。


(愛、大丈夫か? あとは救急を待って病院に搬送されればOKだ。)



(チーフ、ありがとうございました。)



(よくやったね!!ほんと頑張った!!)


チーフの他、医師や看護師さんたちからもエールをおくられた。



バン!! 突然、お店のドアが開き、機動隊と警察が入って来た。


(動くな!お前ら全員、逮捕だ!!)


え? 逮捕??? なんで???
























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