声援
立法会へと向かっていると、どこからともなく続々と人が集まってきてデモをする人たちで道は埋め尽くされた。 その数、とんでもない大人数だ。私は、かつてこんなにも大勢が集まり、抗議をする光景は日本でも見たことがない。
立法会近くには、もう既にたくさんのデモ隊でこれ以上進むことが出来ない。私たちもこの場で抗議を見届けることとした。
これだけの人たちで抗議もすれば、その声援も半端ではない。(ハイレゾ音源)など及びもしない。
発している言葉が中国語なので分からないが、(逃亡犯条例改正案)反対ということを言っているのだろう。 でも、私が香港に来たときには、香港の行政長官(日本でいう総理大臣)もデモ隊の加熱と猛抗議で完全撤回をしていた。 しかし、香港市民は(逃亡犯条例改正案)の撤回だけでなく他にも5つの要求をしていた。それが香港側には認められず、それを認めるまで(デモ活動)は止めないということになってしまっている。
1つめ。 逃亡犯条例改正案の完全撤回。
そもそもこのデモはもともと逃亡犯条例の改正に対するものであり、五大要求はここから発展したものだった。
2つめ。 普通選挙の実現。
指導者の政策が市民から支持されないのは普通選挙・直接選挙の不実現によるものだとし、「諸悪の根源」であるとデモ隊は主張している。
3つめ。 独立調査委員会の設置。
香港警察はデモ参加者に対し放水銃や催涙弾、実弾による強制排除を行っており、負傷者が多数発生している[48]。これに対し抗議側は警察の対応を「過剰な暴力」とし、裁判官をトップとする、独立調査委員会を設置することを求めている。
4つめ。 逮捕されたデモ参加者の逮捕取り下げ
私が香港に来た時点で逮捕されたデモ参加者は1,000人を超える勢いでデモ参加者は逮捕されたデモ参加者の逮捕の取り下げを五大要求の一つとしている。
5つめ。 民主化デモを暴動とした認定の取り消し。
行政長官はデモを「組織的な暴動である」と非難しておりデモ参加者はこの暴動であるという認定の取り消しを五大要求の一つとしている。
そして新たに6つめの要求となったのは、【警察組織の解体】というものだ。これを含めると当初(逃亡犯条例改正案)の一つだけだったが、これを含めると六大要求となる。
そもそも、なぜこのような民主化運動なるデモ活動が起きたのか・・・・
リンさんによると、2018年に台湾を旅行中の香港人カップルのうち、男性側が女性側を殺害するという事件があり、その加害者男性が被害者を残したまま香港に帰国。
この時、香港と台湾の間に犯罪人などを引き渡したり、相互に法的な協力をする体制(犯罪者引き渡し条例)なかった。
香港の逃亡犯条例は中国(中華人民共和国)のあくまで一部とされる中華民国(台湾)の間で適用することができず、これを本事件に関してのみ対象とできるように一時的に改正できるよう政府に対して提案もされたが、政府は時限的な改正には難色を示し、本事件を含めて“包括的に”改正する方向で改正案を立案。
改正案において様々な選択肢が想定されるなか、香港政府は進んで中国に対し容疑者の身柄引き渡しを可能にする形での条文を成立させようと邁進し、かつ台湾政府自体が香港において当該改正案が可決されたとしても台湾としては身柄引き渡しを受けないと宣言しているにも関わらず強硬に可決させようとした。
なぜ、香港から中国への身柄引き渡しをなぜ進めたいかといえば、言論や思想の自由が認められていない中国に対し、それらが認められている香港は、共産党にとって都合の悪い情報の発信源となっていることが挙げらる。銅鑼湾書店店主らの失踪事件が記憶に新しいように、こういった人たちを合法的に中国に連れてきて活動をやめさせることが可能となるのだ。
だから、こんな(逃亡犯条例改正案)が可決してしまうと、言論の自由どころか些細な理由をこじつけて実際には政治的理由での身柄引き渡しが横行してしまうという香港市民にとっては恐怖の立案なのだ。
(私たちもこんな奴隷のような国には絶対にならせない。だってこんなことが認められたら私たち香港人はみんな恐怖で市民生活が委縮しちゃう・・・)
私も、もし日本がこのような状態になったらリンさんのように行動が出来るだろうか? 日本では香港のように大規模なデモ活動はない。 しかし、私が生まれる前の昭和の時代には、リンさんのように10代、20代の若い人たちが集まり大規模なデモや抗議活動をしていた記録がある。
それだけではない。 連続爆破事件やハイジャックなど頻繁に起こしていた(テロリスト)も日本には存在していたのだ。 その昭和から何十年も経ち、日本も平和にはなっているようだけどあまりにもの(平和ボケ)で何か市民生活に及ぶ出来事が起こってもその市民たちも何も出来なくなってしまっているのではないか?
この香港民主化運動を真近に見て、私は日本がこのような状態になってしまったらどんなになってしまうのだろう? そう思うと私自身も恐怖というものを感じた。
周りの人たちの絶叫で耳が張り裂けそうだ。 すごい抗議だな・・・
中国語は分からないが、私もとにかく一緒に声援を送った。
(エイ、エイ、オーーー!!!!!)
何度も叫んでいるうち、私の周りからも、
(エイ!エイ!オーーー!!!!)
(エイ、エイ、オーー!!)
その声援は次第に広がり、抗議の言葉より、私の発した声援が大きくなり全体的に広がりを見せてしまった。
それにして凄い。地響きまで起きているのでないかと思うくらいの抗議だ。




