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Give and take 留学編  season2   作者: 月岡 愛
14/31

カレッジの外で。

気分のいいときにはカレッジの外を周ったり車イスでも慣れれば結構、楽に動ける。オックスフォードは他の大学と違って街の中にいくつものカレッジが分散しているのでお店やアパートメントが大学の敷地内にあるといった感じだ。 


いつもはクララが一緒にいてくれるが、今日は私ひとりで周ってみよう、とカレッジの外に出てみた。イギリスの街は歴史ある建物がほんとに多く、こんな昔に建てられたものが今の時代によく存在していると不思議に思う。日本も古くからあるお寺や神社などあるけどこんな100年以上前にも建てられたものがそのまま、きれいに残りまたそこに人が出入りしているというのには驚きだ。


あ、カフェがある・・・ちょっと寄ってみるか・・・とその時、車イスの車輪が石畳に引っかかり転げ落ちてしまった。


(いてて・・・)


車イスに手をかけ起き上がろうとしてもなかなか上手くいかない。 よっこいしょ・・・ あれ? 起き上がれない・・どうしよう・・・


(しっかりして・・大丈夫?・・・愛・・・)



(あ、どうもすいません。あれ日本の人ですか?)



私を支えてくれて車イスに座らせてくれたのは、日本人だった。それも女性。 でも、どうして私の名前を知ってるんだろう? たしかに(愛)と言ったはず・・・



その女性は何も話さず、消えてしまった。  誰だろう?・・・ どうしても気になる。こんなイギリスで私を知るなんて、いったい誰だ?


でも、初めてみる姿ではなく以前、どこかで見た面影がある。それに私にいった(愛)という言葉だ。初めて聞く声ではない。 


え? まさか!!


私が入院していたとき、黒い髪の女性が病室にいたときがある。まだ体が動かせなかったからよく見えなかったが、あとにミアに調べてもらったら、入室記録に記載はないもののアルファベットの(H)とあったと言われた。


その時も思ったが今の仕草、面影、どこか聞いたことある話し方・・・



瞳だ。真行寺 瞳がこのイギリスにいる・・・



帽子とマスクをしていたからかハッキリと顔は見えなかった。でも間違いない。私が瞳を忘れるわけがない。 でもどうしてイギリスにいるのだろう。私と分かるなら逃げるように消えなくてもいいと思うが。



カフェに入り、カフェモカをオーダー。チョコレートも添えてもらった。 お店の女の子が車イスを支えてくれテラス席に案内してくれた。 イギリスの女の子は優しい人ばかりだ。



渡米するときに羽田空港で会ったきりだから2年ほど経ったのかな・・・そのときもずいぶんと大人っぽくなった感じがしたけど、さっき私が見た瞳もいい女に変わってたな・・・



瞳・・・会いたい・・・・



カフェモカを口にしながら、街の景色を見てるとこのまま日本に帰らずイギリス、もしくはニューヨークにそのまま居そうな気がする。 秋田国際大学を無事、卒業したとしてその後はどうするのか?海外留学をしてただ過ごしてるだけでは何の意味もないのではないか? セギョンやティファニーのように卒業後の自分の人生をしっかりと描いているのに比べ、私は何も目的や夢がない。


こんなとき瞳がいたら、いろいろ言われてるんだろうな・・・笑



〈もう・・愛ったらそんな調子だからダメなんだよ・・・ちゃんとしなさいよ!!〉


厳しいお姉さんが出来の悪い妹に言うように。 




(愛?どうしたのよ?珍しく外で・・・)


(あ、ちょっと表にでて散歩でも・・・笑?)


(散歩ぉ・・・ホントかなぁ???)




クララがカフェの仕事を終えて帰る途中に私を見かけたようで、一緒に過ごすことにした。クララもカフェモカをオーダーして私と同じ、チョコレートも付けた。


(あのね、来週からちょっといないけど、大丈夫よね? すぐに戻るから。)


(どこか行くの?)


(うん。香港)


(香港って・・・何?旅行とか?)


(ううん、違うの。今、香港の人たち大変なのよ。だから私も応援に行くの。)


(応援って・・・何の応援?なんでクララが?)


(だって、以前はイギリスでもあったし私も参加して抗議したいの。)


(あの、その香港で何があったの?抗議って・・?)


(デモよ。反対運動ね。)



クララの言う反対運動、それが【香港民主化運動】だった。

















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