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4.惚れなければOKなのです!

天気も良い日だ。私は窓際に置いてある机の上でこれからの事を考えている。

新しく『幸せになるためのノート』を作った。これからの幸せを考えると、とても楽しみだわ。


でも、浮かれてはいられない。私はもう、ルビーさ…ま……いや、元婚約者だったのだから様はいいか。ルビーに出会ってしまったけれど、婚約しなければいいのよ。

婚約しなければ、関わりも減る。

あんな風になるような事は少しでも、なくなるわ。


婚約決まったのは、いつだったかしら…?

たしか、お城でのお茶会で、猛アピールしたのよね。その後に決まったのよ。

きっと、私が侯爵の令嬢だったから、身分的にも良かったし、私は彼にベタ惚れだったし、たまに会うくらいの適当にあしらっとけばいいや。くらいに思っていたのね。

まぁ、私のベタベタ構う、あの構われ方は冷静に思えばとても嫌だわ。どこに行ってもベタベタとルビーの隣に寄っていたのだから。他人事のようだけど、よく我慢をしていたわね。すごく偉いと思うわ…。


…とりあえず、お茶会でのアピールはしないこと、壁の花になるか、どうかしておきましょう。


どうかしておくっていっても、何もすることないと暇なのよね。

うーん。と唸っていると。


「お嬢様、令嬢がそのような唸り声をあげてはいけませんよ」


後ろの方でお茶の準備をしていたアルナに注意を受ける。



「お茶の準備が出来ましたので、これを飲んでからまた、机に向かわれてはいかがですか?朝から机に向かいすぎです。ささ、私もお力添え致しますので、少しの休憩を」

「それもそうね。ありがとう」

「いえいえ。」

アルナが準備してくれたお茶はとても美味しく温まる。

「はぁ。美味しいわ」

「それは良かったです。」


アルナなら、良い案出せるかしら?

「ねぇアルナ、ちょっと相談が」

「な、なんでしょうか?」


何故か緊迫感を出した。アルナを見て、私も少しばかり緊張してしまう。

そんな、大層な内容でもないのに…どうしたのかしら?


「そ、その、お茶会などの場で、あまり目立つ行動を取らないようにしたいのだけど、」

「あぁ!それですか!もう少しである、お城でのお茶会のことですね」

「そうそう…え?もう少しであるお城でのお茶会?」

「そうですよ?前から楽しみにしていらしたではないですか」


笑顔でアルナから告げられる。

え?もう、そんな時期なの?もうちょっと余裕があると思っていたのに。

「お嬢様?」


ハッ!!アルナが心配している!

とびきりな笑顔で答えなければ、


「え、えぇ!そう!そのお茶会の事なのだけれど、目立たないようにしたいの、でも、暇を潰すにはどうしたらいいかって考えていて」


「目立っても良いじゃないですか?お嬢様は、皆様の的になるんですよ?」


「いや、なるべく、目立ちたくないの」

「王子様方もいらっしゃるのに?あんなに気に入られていたではありませんか」

「いや、うん。そうだけれども、」

「どうしたのですか?また、お熱でもでましたか?」

「でてないわ!」

「そうですか。うーん。」


アルナ、考えすぎて貴方も唸っているわよ…。

まぁ、私はもう、閃かないから任せましょう。

少しだけ冷めたお茶を頂きながら、アルナの考えを待った。


しばらくして

あ!という、何かを閃いたアルナにゆっくりしていた私はビックリしてしまった。


アルナはすごい笑顔で、私は何となく察してしまった。

あ、これ、もしかして…


「お嬢様!ご友人を作られれば良いのですよ!」


あぁ、なんことだ。前世と前前世を合わせて2人しか、今までいたことがないのに。


「ゆ、友人ね」

「そうです!ご友人様です!」

「つ、作れるかしら」

あぁ、顔が引きってしまうわ…。


「えぇ!大丈夫です!お嬢様なら!」

「が、頑張ってみるわ」

「はい!頑張ってください!」


凄くいい笑顔のアルナに負けたわ…。

でも、いい目標かもしれない。

周りは、私の友人というか、私を慕うというか私のお父様の後ろ盾があるから慕っているという感じだったものね。本当の友人ではなかったわ。


あ、でも、友人なら1人だけこの世界にいるものね、お茶会が終わったら、会いに行きましょ。きっと、あの場所にいるわ。街の綺麗な場所。久しぶりだわ。早く会いたい。


「サファに早く会いたいわ。」



⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱



「くしゅん」

風邪を引いたか?そんなはずないのだが。


「お前が、くしゃみするなんて、誰かに噂されてるんじゃないか?」


そう言い真顔で冷たいような目で見て言うのは、俺の双子の兄。

真顔で冷たいように見えるが、兄は冷たい人ではないんだ。これが俺たちの前では通常運転な兄だ。

金色の髪に赤い瞳。そして、整っている顔は、たくさんの人たちを魅了する顔を持っているらしい。


そのことを言うと、俺もらしいんだが、俺は金髪だが瞳が青色だ。


母が青い瞳で、父が赤い瞳なのだ。


兄との違いといえば、瞳の色くらいだろう。と周りは言うが、全然違う。

兄は頭の良さ剣術の良さや、女性の扱い方はとても上手い。


この前のお茶会では、たくさんのご令嬢が兄の元へと来ていた。兄は笑顔を顔に貼りつけたように、ご令嬢たちの相手をしていた。いつもの、冷酷な兄は想像できない。「あそこにいるのは誰だっ?」てなるくらい胡散臭い笑顔の兄がいた。そう思うと言い方は悪いがあの兄の笑顔に騙されている令嬢たちは可愛そうだと思った。



そして、案の定、お茶会が終わって、俺たちしかいない場で「令嬢たちの相手は疲れた」と愚痴を吐いてきた。でも、本当に疲れていて兄も兄で可愛そうだ。


それに比べて弟の俺は、頭、剣術は共に普通という微妙な感じである。


お茶会では、ご令嬢が何名か来たが、口下手すぎるせいか、ご令嬢は気まずそうに俺の元から去っていった。申し訳なかったと思う。


また、お城でのお茶会が、あるとさっき知らせが来た。

父が、婚約者を決めさせようとしているのだと思う。と兄は言って、疲れるという顔をしていた。少しでも、兄の疲れを増やさないように俺も頑張らなければ、それが今回のお茶会での務めだと思った。


そして、終わった時は。街で出会ったあの子に少しでも会いに行こう。会えるかわからないが。

口下手な俺でも楽しそうに喋ってくれる、あの子に。


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