36.友人は…①
朝は、剣の素振りからと。俺のルーティンは決まっている。それを隣で見ていた兄が口を開いた。
「お前、いつもやってるけど勉強は?」
兄に言われてハッとする。テストだ。テストが近かった。兄を見ると呆れている。
「…剣術ばっかり鍛えすぎじゃない?脳筋?」
「いや、忘れていただけだ」
「そう、じゃ頑張ってね」
兄は俺にヒラヒラと手を振って出ていった。
助けてはくれないのか…。
「まずい…あと2日しかない」
と、とりあえず誰か。兄は、あの様子だと教えてくれないだろう。とりあえず誰か…!!!
「そうだ。マークスのところに行こう」
天気良いい日は中庭で勉強をしていると言っていた。テストが近いから勉強していたのか…教えてくれれば良いのに。
中庭に向かうと、そこにはマークスの想い人リラ・ムインズとマークスが一緒にいた。何だか幸せそうな雰囲気である。
「邪魔できないな…」
他を探そうとは思うのだが…他の友人が全くいない。こんな時に、周りと仲良くしていればと思う。不器用ながらでも…関わっていれば…。
「サファイア様?」
振り返ると女子生徒がいた。
「やっぱりサファイア様ですね!私のこと覚えてますか?アリフィアですよ!」
「あぁ久しぶりだな」
「あっさりですね…どうかしましたか?」
「いや、別に何も」
その場を離れようとすると、アリフィアは俺の腕を掴んできた。
「…何か?」
他人行儀すきだ返事にアリフィアがびっくりする。
「あ、あの…その…」
アリフィアは俺の顔を見ると強張り震えていた。
「べ、勉強が分からないところがありまして…その教えていただければと……」
「俺は勉強が得意じゃない。他を当ってくれ」
「そうなんですね…ごめんなさい」
「あぁ」
去ろうとしたその時
「では!私と一緒に勉強しませんか?」
「いや、いい」
「即答は酷いです」
「できないもの同士で集まったとしても何もできないだろう」
「それは…そうですけど」
「じゃ、これで俺は失礼する」
「あっ…!!ちょっと…!!」
アリフィアは、まだ何か言ってきた気がするが、俺はその場を去った。
「………何これ、こんなんだったけ。サファイアルート少し進めなきゃと思ったのに」
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廊下を歩いていると赤毛の少年が前を走っていく。
「ロキ?」
思わず呼びかけてしまった。
ロキは振り返り笑う。
「あ!サファイア様!」
ロキは教科書を持って、どこかに向かうらしい。いや分かるのだが、1つしかないだろう。彼の主人。ダリアのいる部屋だ。
「よし!1人見つけた!」
「は?」
ニヤリと笑ったロキはグイグイと腕を引っ張られる。今日で2回目だな。腕引っ張られるの…。
「サファイア様、強制連行です!!!」
「は?なんで?」
「いや〜もう大変なんすよ!強制で連れてきますからね」
「いや、何故だ?」
「え〜友だちなのに…助けてくださいよ〜友人のピンチっスよ!」
「友人?誰と誰が?」
「はぇ??俺とサファイア様ですけど?え?違うんすか?」
あぁ、忘れていた。そう言えばロキも友人だった。
「え?違うんすか?」
「ハハッいや違わない。お前と俺は友人だったな」
「はぁ〜そうですよね。びっくりした〜。もう、笑ってないでいきますよ」
ロキは呆れながら俺を主人のいる部屋に連れていった。
「そう言えばダリアも友人だったな」
「えぇ!?何を今更…」
「はぁ、変な王子様ですね」と苦笑を浮かべながらロキは2度も呆れていた。
そして、ロキが扉を開け「さぁ、地獄にようこそ」と言われた。その時、逃げればよかった。まだ、知らなかった俺は首を傾げた。
読んでくださってありがとうございます!
サファイアルート玉砕(?)したヒロインのアリフィアちゃんでした(´・_・`)




