34.両片想い
――私が小さい頃。ある日、家の侍女に連れられて初めて外へ出掛けた。一人娘だったので箱入り娘だった私は外を知らなかったのでウキウキしていた。
「私ね!外へ出るの楽しみだったの。ありがとう」
使用人の侍女は私の方を見てニコッと笑って言った。
「いいのですよ。リラお嬢様」
「今日はどこに行くの?」
「そうですね。お嬢様は、きっと気に入りますよ」
「そうなの!」
ふふんと歌いながら歩くと侍女に「危ないので手を」と言われ手を引かれて歩くと、目の前に綺麗なお花畑が広がった。
「綺麗」と言ってお花を摘もうとした時繋いでいた手を引っ張られ…花畑を見ずそのまんま森の方へと連れていかれた。
私は、おかしいと思って、掴まれている手を話そうとすると、だんだんと握られている手の握力が強くなっていく。
「痛いわ!離して!ここはどこよ!」
「お嬢様、きっと気に入りますわ」
侍女は笑顔を絶やさず、こちらを見てくる。
不気味さが増し…思い切り侍女の腕を噛んだ。侍女が叫んで話すと共に侍女から抜け出し走ったがすぐ追いつかれてしまった。
「ッツ!!」
「このガキが…あの方の、娘だとしても…あの女との子なんて許せない……!!!」
侍女はボソッと呟いた。「殺したい」と。
「何を言っているの…?」
彼女はポケットからナイフを取り出ししっかりと握られていた。
「私の方が先だったのに!!あの方を想っていたのは私だったのに!!!あの女のせいよ…そう…あの女が嫁いで来たから…………あの女の悲しむ姿が見たいわ」
ニヤリと不気味な笑みを浮かべユラユラと近づいてきた侍女だった女は、そう言って持っていたナイフを私に振りかざした。
ギュッ目をつぶり死を覚悟したが…私は生きていた。
目の前に男の子が立っていた。
男の子は気絶した女を目視し、私の方に振り返った。
「よかった!無事か?」
「大丈夫………」
「ん、帰ろうぜ」
「え、ちょっと待って………」
涙が急にでてきて止まらなかった。慌てていた彼を困らせないように止めようとするが止まらず溢れてくる。
「ご…ごめんなさい…すぐ止めるから」
「え、あ、いいよ!全然!だよな!そうだよな、怖かったよな!」
泣いていいからと彼は私の頭を優しく撫でてくれた。私が泣き止むまでずっと。
その後、女は捕まえられて私はマークスの家、シメルア家で休ませてもらっていた。私の元に両親が駆け込んできた。2人は無事で良かった。と涙を流してくれて安心感からか先程あんだけ泣いたのに、また涙が出てきた。
ちなみに、女と父が付き合っていたと言うのは嘘だったらしい。女の一方的な恋心で、付き合っていたと言うのはただの噂という話だった。
何でそうなったかと言うと………本当に呆れてしまうのだが、父には仲の良いまぁやんちゃをしていた友人がいたらしく、それを父の父…私の祖父に縁を切れと言われたことで拒んだこと、その部分だけを聞いていたものに噂されて…なんかそうなったらしい。いやはや噂って怖い。
母は「え、そうでしたの?てっきり私は、貴方が想っている方がいると思っていましたわ…そんなこと初めて知りましたわ」って言っていて父が慌てていた事は覚えている。
父に恋心をもち暴走した女のことが襲われてから夢によく出てきた。夜は眠れなかった。それを聞き心配してくれた、マークスがよく会いに来てくれるようになった。マークスの隣にいる時は何故か安心して寝てしまうことが多かった。
そして一緒に過ごす日が長くなるにつれ恋は怖いって思っていたけれど…私はマークスに恋心を抱いていた。
私は、あの女のようには…なりたくない。ならないようにマークスと結ばれるように私は私なりに努力するつもりだ。
⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱
いつの間にか眠っていた幼馴染リラのほっぺを指でつんつんとして何分経ったか。
「本当に起きない…リラさーん、起きてー」
昔は俺の隣でよく寝てること多かったと思う。いや今もだが。
「安心するんだもん」と言われとても複雑な気持ちになった事が何回もある。
この幼馴染に恋をして、もう何年経ったかわからない。愛おしいと思い始めたのもいつからだったか、いやあれは最初からだったか。
可愛い俺の幼馴染。早く婚約しないと他の奴に取られてしまうのだが、毎回こうも眠られてしまうと言えずに言えない。
まだ意識されてないんだろうな〜。
「はぁ…とりあえず試験勉強を頑張ろう」
読んでくださってありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
両片想いって最高ですよね!私、一番好きです!両片想い!!




