33.勉強の後に恋の話
入学してから最初の学力試験が行われる。この学力試験は日本の時と変わらない試験だ。まぁ勉強しておけばできるのだけど…。今は、ソロン兄さんと一緒に勉強をしている。この学校は5年生まであり、3年生までは、きちんと受けないといけないのだが4年生からは希望者のみ学園に通える。兄さんが学園にいるのはとても心強いが、場所が全然違うところで離れてるのよね〜。寂しいわ。
「私、試験は嫌だわ」
「そう言わないで頑張って」
「ソロン兄さんは、ご自分の勉強があるでしょう?もう最後の5年生なのだから余計な心配かも知れませんが、大事にしませんと」
「僕は大丈夫だよ。成績はいい方で通ってるからね。それよりダリア、君は、やればできる子なんだから手を動かして」
「はーい、お兄様」
笑ってみせたがソロンが言った「やればできる子」なんて人から初めて言われた…私は、やればできる子なのかしら?ふふっそうよね、違うもの。変わっているもの。この世界は違うもの…。
「お勉強なさっているのですか?」
「はっ!!びっくりしましたわ!」
「驚かせてしまったかな」
「僕の妹を驚かせないでくれ。トパーズ」
ソロン兄さんの不機嫌さ初めて見た。
トパーズどこかで聞いたことあるわね。トパーズと呼ばれる少年は眼鏡をかけ金髪に近い茶髪で赤にまた近い色の瞳をしていた。
「すまないね、兄妹水入らずの所を邪魔してしまったね」
「お兄様のご友人ですか?」
「紹介が遅れてしまったね。トパーズ・ハルバーンだ。以後お見知りおきを」
と完璧な礼をしてみせる。私も淑女のご挨拶をする。
「トパーズ様、私はソロンの妹ダリア・ルルーシュと申します。よろしくお願いします」
ふっ流石、私!!淑女の挨拶できるわね!それにしてハルバーン家…公爵家で…あの双子王子の従兄弟様ではないですか!
「本当に面白いな!ソロンの妹は!顔芸かな!」
「失礼ですわ!私の顔が変と!変ですけれど…いえ、変ですわね!」
開き直ろう。うん、それが平和的。
「変じゃないぞ。それにしても本当に失礼だな、それで女性たちが怒らない意味がわからない」
ソロンが言ったと思ったら全然違う人が発言した。こちらに歩いてきながら、またこれは不機嫌そうに歩いてきた。ソロンはもうトパーズのことは無視をして勉学に励んでいる。
「サファイアか、久しいね」
「久しぶりだな、トパーズ」
トパーズは長い前髪をかきあげ、笑いながら言う。
「はぁつまらないな〜2人ともいつも不機嫌すぎて」
「誰のせいだか…」
呆れている2人を見て普通にしているトパーズがいつもと言っているあたりコレが当たり前の風景なのだろうと思った。
「はぁこれだから、つまらないな〜女の子と遊んでこようかな」
と言ってトパーズは「またね、ダリアちゃん」と去っていった。え?女の子と遊ぶの?え…あ…!!風の噂で聞いたことがあるわ。双子の王子の親戚に、数々の貴族女性との浮名を流している者がいると…!!まさか、トパーズだったとは…偏見だが…偏見だが(大事な事なので2回言う)眼鏡キャラは真面目系ではないのか……そうか、うん、そうか。気をつけよう。あの方には近づかないように気をつけよう。
「わかったと思うけど、気をつけてね。ダリア」
「えぇソロン兄さん気をつけますわ」
「すまない、俺の従兄弟が………」
「いいのですよ、サファイア様のせいではないのですから」
笑って見たがサファイアは申し訳なさそうに言った。いやいいの。まだ何も出会った、ばかりなのだから。これから会わなければ良いのだし、あれはトパーズの手癖よ。しょうがないわ。性格だもの。
ソロンが急に口を開いた。
「そう言えばルビー様はご一緒では、ないのですね」
「あぁ、一緒ではない。普段から別行動だ」
「そうなのですね。ダリア勉強をしよう、もし良かったらサファイア様も」
「俺は勉学は好きではないから遠慮を」
「書くものはありますので、さぁどうぞ」
oh......兄さん……何も言わせないスタイル……
渋々私の隣に座り満足したのかソロンがニコッと笑った。
ちょーっとルビーもこんな感じなのよね。お兄さん属性ってことね。
隣で俯いているサファイアがボソッと「ルビーみたいだ」と言っていたので笑ってしまった。急に笑いだした私を、びっくりしたように2人がみていたが笑うことが止められなかった。
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「どうしよう。わからなすぎる」
「全く授業中は何をしてるの」
頭を抱える幼馴染を見て呆れるはずなのにその姿が可愛いと思えてしまうのは…やはり、惚れているからなのか…いやはや恋は怖いものである。そして私が恋をするなんて思わなかった。
私は恋をするのが怖かった。
親のせいといえば親のせいなのだけど。私の親…両親は家での決まりで結婚した。家柄の結婚であったからお互いあまり興味がなく、そう期待はしてなかったらしい。ちなみに父にはその時お付き合いをしていた方までいたそうだ。父は別れたくないと拒んだらしい。母もお付き合いしている方が居るのであれば、その方とご結婚なされば…?と思っていたらしいが、相手が使用人の侍女だったので、そうはいかず父は付き合っていた方と別れ2人は結婚に至った。まぁ2人の仲は良くも悪くなく普通であったらしい。それは良い事だ。私が産まれても、私を可愛がってくれる両親であったので私も特に気にすることもなかった。そして、あの事件があってからというもの、お互いを大事にして仲睦まじく過ごしている。そして、私が恋を怖いと思ってしまったことと、恋に落ちてしまったのだ――。




