32.眠たいのに寝れない
「それは私のよぉ〜〜〜」
「お嬢様……そろそろ起きてください」
いつもの様に呆れられながら起こされた朝だった。
「何よ!アルナ!もう少し寝させてくれてもよかったんじゃない?!」
布団を引っペがされ私は完全に目が覚めてしまった。
「おはようございます、お嬢様。今日はお休みですが朝食の準備が整っております」
キラキラスマイルでアルナに対応され促されるように朝食を取りに行った。外の方は休みなはずなのに何故か騒がしい。不思議に思っていると…
「おはようございます〜お嬢様!朝も良いですね!」と陽気にロキが挨拶をしてきた。
「おはようロキ。元気ね」
いつも通りですけどねっと言いながら朝食の席に着く。
「今日は何かあったのかしら、騒がしいわね」
「それなのですが。それは昨晩、何者かがルビー王子のお部屋に入ったそうで、それで朝から騒がしいのでございます」と淡々にアルナが説明をする。
「え?!ルイは大丈夫なの!?」
「えぇ特に襲われは、しなかったそうですが、侵入者だと男子寮の方は大変らしいですよ」
「そうなんす!めっちゃ朝から男子寮は騒いでて寝れませんでしたね」
ルイのことは一切心配せずロキは口を尖らせて文句を言っていた。ルビーの部屋に侵入者…そんなことなんて前世なかったのだけど、ルビー考え事があったりと疲れていたのに……心配ね。後でお邪魔でなかったら様子を見に行きましょ。
「アルナ、お邪魔でなかったらルイの所に行くわ」
「お嬢様、大丈夫です。後で来るように、とルビー王子から伝言を預かっています。焦らずゆっくり来て欲しいとの事でしたので…」
「アルナ!何故それを先に言わなかったの!!!」
「お聞きください。お嬢様、焦らずゆっくり来て欲しいと言われていましたので」
「すぐ支度して行くわよ!呑気に食べてる場合じゃないわ!!!」
「えぇお嬢様ァまだ食べてますよ〜〜」
「お嬢様!!!はしたないです!!!」
2度、呆れられながらアルナとロキを引き連れてルビーのいる部屋に向かった。
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「ルイ!大丈夫ですか!!!」
「朝から君は騒がしいな、おはよう。ダリア」
「へ?おはようございます?サファイア様?」
どうして、ルビーではなくサファイアが?え?部屋を間違えたかしら?それにしても笑顔が眩しいわ…
「ルビーからは聞いている、少し用事があって席を外しているだけだ」
「そうなのですね…」
「すぐに戻ってくると言っていたから心配するな」
サファイアはそう言って紅茶を飲みながら椅子に腰掛けていた本を読んでいた。呆然と立っている私の横からロキがひょこっと出てボソッと言った。
「お腹空いた」
この従者は全くと…呆れてしまった。
サファイアはボーッと立っている私に気づき「座って待っておけ」と言って私を席に座るよう促し、また本を読み始めてしまった。私は促されたように椅子に腰掛け準備された紅茶を頂いた。紅茶を頂きながらチラッとサファイアを見た。サファイアは本を読むのか、しかし何の本を読んでいるのだろう。気になるわ。表紙…表紙見えるかな。
「ふっそんなにジロジロ見られると本に集中できないな」
「申し訳ございません。何を読んでいらっしゃるのだろうと気になってしまって」
「あぁ、俺が読んでいるのは……」
サファイアは言いかけて止まってしまった。え?何故止まったの?え、言えない本?ええ!それって…もしやエロ本とか!?!?王子様でもエロ本って読むのね………。
「ダリア違う…君が思っているのと絶対違う本だ」
「あら、そんな焦らなくても良いですよ」
うふふと笑って見せたがサファイアは咳払いをし続ける。
「その……恋愛物を読んでいるんだ」
「恋愛物……」
「そうだ。俺には似合わない恋愛物だ」
恥じらいながら耳を真っ赤にしながらサファイアは言った。
「やっぱり似合わないよな、恋愛物なんて」
「いえ、似合わないなど何もございませんよ。あのサファイアは恋をしていらっしゃるのですか?」
「恋は………していない」
「なんです?その歯切れの悪い間は…?」
サファイアは、何かを隠している。これは女の勘だがきっと「恋は、今はしていない」と言おうと思ったんだろう。フッ恋バナに縁がなかった私!そして、恋バナに飢えていた私!
「ダリア?そんな好奇心でキラキラの目でこちらを見るのは、やめてくれ。本当に何もない」
「えぇ!何も無いわけがないじゃないですか!分かります!分かりますとも!サファイア様の、ささっその想い人を教えてくださいまし!」
「お茶に酒でも混ざっていたのか!?」
急にテンションが上がったダリアに驚き本に隠れた。本の隙間からサファイアは横にいたずっとお菓子を見ているロキに目をやる。
「ロキ!お前の主人を止めろ!」
「え?あ、はい、おじょうさま〜〜おやめくださいって」
ロキのやる気はいつもないが、今日は一段とやる気がない………訳じゃない…ロキは笑った。ニヤリと意地悪をする時の顔で一瞬、笑ったのだ。わざと止めないのだ。この場が楽しいから面白いからと…。
「ふふふ、ロキに頼っても無駄ですよ!!さぁ!教えてくださいまし!」
「………何だか、楽しそうだね?」
やっと登場か…遅すぎる。一瞬でダリアとロキ止まった。
「何の話をしていたの?」
ニコッと笑い俺たちの方に近づいてくる。
「はぁ、本の話だけだ」
「あぁ本か!僕が読めって弟に貸したんだ」
ニコニコと笑いながらダリアに話している。
「では俺は失礼する」
「ありがとう、サファイア」
「ありがとうございました、サファイア様」
部屋から出ると疲れとともに、久しぶりの感じだった。町で会った時みたいで楽しかった。
「ふぅ…難しいな………」
サファイアは困った顔で兄と婚約者がいる部屋を後にした。
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「サファイアとは本当は何の話をしていたの?」
急に切り出してきたので飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
「えぇ、恋物語を読んでいるとおっしゃられていたので、その想い人がいるのかと言う話をしていました。ですがルイが勧めたのですね」
「うん、アイツは疎いから少しでもって思って知り合いから借りて貸したんだ」
まぁ読めって言われたのは僕なんだけど僕には必要がないから、サファイアに回したんだと笑いながら言った。
「…ねぇ、リーア…僕の弟とは仲良くなれた?」
「え?…えぇ、私はそう思いますわ」
「そうか、それは良かった」と言ってルビーは笑っていた。それから、ルビーが大丈夫だったかなど話を聞き彼は「大丈夫、平気」と言って少し時間が経ってから私は自室へと帰った。
自室へ帰って1人で考え事をしていた。
私はルビーの笑顔を見ても、ときめかないのだ。それは、まぁ私はサファが初恋で失恋してからと言い……婚約者はルビーなのに…なんでなんで………
「サファイアがサファに見えてしまって………可愛く見えてしまうなんて………私どうしたのかしら」
そう見えてしまうのだ。サファが成長したらあのようになるだろうなと……あの恥ずかしそうにしていたサファイアが可愛く見えてしまう。
「ん?待って………サファイアとサファって似てるわね…………名前が似ているだけか…そうよね、名前が似ているだけよ」
駄目よ、ダリア・ルルーシュ。婚約者がいる身なのだから…婚約者を大事になさい…と言ってベットに潜り込んだ。
眠たいのに…今日は寝れなそうだ…と思いながらダリアは目をつぶった。
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「え、イベントじゃないことも、あるなんて知らないんだけど」
アリフィアは昨日、起こった。ルビーの部屋への侵入者の件を聞き頭を抱えた。
「ゲーム通りじゃないの?この世界って…他にダリア以外に誰か参加者いるってこと?ふーん、まぁいいわ…こっちはこっちで、私がやりたいように動いてやるんだから…………」
邪魔さえして、こなければいいのだから。




