3.③度目の転生を。
髪は黒髪。そして、瞳は綺麗な青。整っているこの顔はダリアの顔…前世の顔、自分の顔だと嫌でも自覚する。あぁ、私だ。ダリアなんだ。前世では、とても喜んだわ、この顔。だって、とても美人だもの。キツめな印象は、あるけれど、上品さもあり。この顔になれて良かったって…思ったけれど……
なんで!おかしすぎるのよ!!!これ、絶対に走馬灯じゃない!!!こんなことありえなさすぎる!!!私また生きてる!!ダリアの顔で!!!神様何故ですか!?!私にまた生きろと!?ダリアは2回目ですけど、生きるのはもう3回目ですよ!?!
「お嬢様!!!何かありましたか!!!」
私の叫びを聞き、扉がいき良いよく開きアルナが飛び出してきた。
「いえ!いえいえ!何にもないです!!!」
「いや!ありましたよね?ありありですよね?髪が乱れてますよ?」
混乱し、荒れて髪をボサボサにしてしまい。また、アルナから怪訝な目を向けられている。とりあえず、大丈夫だということを伝えて、これからの事を考えなければ…!
「ないです。大丈夫ですから。すみません。大丈夫です。」
「本当にですね?お嬢様、ゆっくりしてください」
「あ、ありがとう」
アルナがドアから出ていくのを見守り、私は即、机に向かった。
と、とりあえず今の現状を整理しなくては…
前前世は日本人として過ごしていた。死因は交通事故。
友人と歩いていたら車が突っ込んできたの。
そして、前前世の私はヲタクでは、なかった。でも、なぜこの世界が乙女ゲームの世界って知っているかというと、唯一の友人の、なこちゃんがヲタクだったのよ。
この世界の乙女ゲームの名前はたしか〜甘いイケメンたちとの恋〜略してイケ恋だったかしら?あま恋だったかしら?まぁ、すごくはしゃいで話しているのを覚えてて、推しの話を良くしてくれたわ。
その攻略対象やゲームの内容を、知っていたけど…好みの顔がいたのよ!!私好みの!もう、私のドタイプの方に猛アタックしていたわ…私がヒロインであるかのように…。
まぁ、ヒロインのような性格をしていれば、殺されずに済んだのだろうけど。なこちゃんが言うには、悪役令嬢のダリアと私は、性格が似ているよ!って言ってたから。
案の定、前世の私はシナリオ通りのキャラクターになってしまったのだわ。
はぁ、とため息をつきながらも、とりあえず…私が毎日記入していた日記に目を通してみる。
日記には…『昨日はお茶会でした。初めて第1王子ルビー・ノルマージュ様に会いました♡』と書かれていた……oh......マジか、前前世のワ・タ・シ!!
私を殺した本人に会っちゃいましたか!もう、ハートまで付けて!出来れば会いたくなかったな………!!!
ハッ!でも大丈夫なんじゃない?気づいちゃったわ!気づいたわ!!!!私!!だって私ってば!前世…いや前前世のような、ヘマをしでかさなきゃいいのよ!!!
そう、今の私には失敗した前世がある!この世界で失敗した前世がある!!神様は、きっと【そろそろ、学習しなさい。】と言ってるのね!!そうなのね!!!あぁ!そして、またチャンスを下さったのね!!
燃えてきたわ!!やってやろうじゃない!!
前世を活かして今世こそ、幸せを掴むわ!
「ふふふっ楽しみだわ!!!」
自然と高笑いが出てきてしまう。
もう、楽しみしかないわ。
そんな高笑いの聞こえるダリアの扉の前で、アルナの後輩、小悪魔カワイイ系のヤメノとアルナは静かに耳を澄ましていた。
「お嬢様、どうしたのでしょう〜?」
「やばい。何か企んでる。」
何を起こすかわからないお嬢様を、注意しなければならないと気合を入れるアルナであった。