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16.急な話と急な来客


朝からアルナの入れてくれたお茶を飲み。

ゆっくりしていた。


だけど、扉の向こうの方から慌ただしく走ってくる靴の音がする。

お父様かしら?


「ダリア!!」

父、ノーマンが私の部屋の扉を勢いよく開けた。


「お父様、ご機嫌よう。どうされましたか?」

ガシッと私の両肩を掴み。


「いいかい!!よく聞いてくれ!」

「はははい…!」


ちょっとグラグラ揺らさないでほしいわ…!


それにしても、この興奮はどうしたのかしら。

も、もしかして!何かしら悪いことが起きたのかしら!!

お父様がやらかしたとか…!


…それはないか。お父様ですし。


やらかすなら、私しか!!


「君に…!」


やっぱり私だった…!!!


「私が何かしたのでしょうか!!?」

「え?いや、してないよ」


お父様はキョトンとした顔になる。

え?してないの?


「え?では何故?そのように、荒ぶっているのですか?」

「君に婚約の話がきたんだ!なんと!あの、第1王子のルビー・ノルマージュ様からだ!」


「へ…?」

「ダリア〜!良かったな!」


え?婚約?私が、婚約?それもまた!

ルビーとぉぉお!??


「い、嫌です!!嫌です!!嫌です!!」

「えぇぇぇ!!?嫌なのかい?」

「嫌です!無理です!!私には勿体ないお方です!!他の令嬢様がよいと思われます!!」


王子様との婚約は、家の繋がりも良くなるし、いいことであって、それを断るということは、お父様を困らせてしまうことも、わかってる。けれど…死にたくないし!


それに、あの美男子の王子の方から婚約してくれと言っているのだから、令嬢からすればもう、天に行くくらいの喜びである。


前世も実際にそうだったから。


嫌なのだけれど!または繰り返したくないと思ったのだけど!!!だから、アピールとかしなかったのだけど…。


「困ったな〜1回2人でお話とかしてみない?」

「嫌です!!会話なんて何をすれば良いのですか!」

「いや、君の好きな話や、彼の好きな話とかすればいいじゃないか。ね、1回だけ。1回だけでいいから」


…分かっていたけれど断るのは無理ね。


少し?いえ、かなり無理なわがままを言ってみたのだけれど、相手が王子様だものね。断れないわ、しょうがない。


「…分かりました。」

「良かった!ありがとう、ダリア!」


お父様は私をギュッと抱きしめた。

そんなに嬉しかったのだろうか…嬉しいか。なんたって、自分の可愛い可愛いって言っている娘が王子様から、婚約してほしいと言われてるのだもの。


「おとうさぁま…苦しいです」

「ごめん、ごめん。そうそう、サロンにお客様がいるよ」

「え?サロンにですか?」

「あぁ、待たせてしまっているからね。早く行ってごらん」


そ、そっちのことを早く言って欲しかった!!!

お客様は誰かは、わからないけど!!お父様と話してる時から待たせているのなら、かなり待たせているわ!


「分かりました!すぐ向かいます」

アルナとともに、走らない程度の速足でサロンに向かった。


それを見送る父が「さぁ、話をしてみなさい」と言っているのは聞こえなかった。


サロンのドアの前で息を整え。

スっと中に入っていく。


「失礼致します。遅れてしまい申し訳ございません。」


「いえいえ、大丈夫です。それより、お久しぶりです、ダリア嬢」


聞き覚えのある声に違和感を感じる。

面をあげると、そこにいたのは第1王子のルビー・ノルマージュだった。


「え、あ…お久しぶりです」

「本当です。お久しぶりです。お元気でしたか?」

「えぇ、まぁ」


なんでここに、貴方が?こんな早く話し合いが…?ん…?お父様もしかして…話し合いさせる気満々で!?


「…立っているのも、何ですし。お座り下さい」


私の家なのに…なんで、貴方に言われて座らないといけないのかしらと、思ってしまったけれど、相手は第1王子。

国の大事な王子様。無礼をしてしまえば、また、悪役令嬢を飛び越して、このまま死んでしまうわ。


「ありがとうございます」


笑顔を作ってルビーの真向かい席に座らせて頂いた。

アルナがお茶を準備してくれて、バレない程度に手が震えながらお茶を飲む。


「今日は突然来て申し訳ありません。どうしてもお話しておきたいことがありまして」


お話、婚約のお話なのでしょう?分かっておりますとも…。


「貴方のお父上から聞いていると思います。婚約の話についてです。」

「えぇ、とてもありがたいことです」


本当は嬉しくないけれどぉぉ!!!?全然、嬉しくないけどーーー!!


「もし、貴方が良ければ受けてくれませんか?別に断ってくれても大丈夫です」


断りたい…!断りたいけど、無理!どんな罪に問われてしまうか、怖くて無理よ。


「いえ、本当にありがたいことですし、こんな、私でよければお受け致します」



「ありがとう。よろしくお願いします」


と、ルビーは今まで…いや。私に向けてくれたことの無い笑顔で、『ありがとう』と、言ってくれた。

『ありがとう』と言われたのも初めてだったし。その、笑顔を向けられたのも初めてだった。


見たことあるけれど、私に向けられたことのない笑顔に、ビックリして、かなりあっけに取られてしまったが


「…え、いえ、こちらこそありがとうございます。よろしくお願いします」


「えぇ、では話はそれだけなので、ここで帰らせていただきます。すみません。また来ます」

「えぇ、お待ち致しております」


ルビーをきちんと見送り。


どっと疲れがくる。

私は自室に戻り、ベッドにダイブした。


あぁ、婚約を受けてしまった〜!!

もう、嫌だわ。私って今も、悪役令嬢まっしぐらなのかしら。


決められた運命なのかしら…?

はぁ…こんなこと言ってても、意味無いわね。しょうがないわ。決まってしまったことなのだし。それより、これからをどうするかなのよね。


前世から見て、分かっていることと言えば。


彼が「また来ます」って言っていたけれど、あれは嘘。私は知っているわ。

前世では、必要な時以外は、忙しいのでって言って全然、家に来なかったから。

そう、私は一応の婚約者なのよ。


でも、今回の私は前回の私と違う。


彼に恋愛感情なんて持っていない。

愛して欲しいとか、気持ちはないから、嫉妬もない。だから、彼がヒロインと恋をするのなら心から祝福して、婚約破棄に応じるわ。


あら、そう考えると結構いける気がするわ。


だって、私の婚約者は必要以上に会いに来ることなんてない。私だって前世はウザイ婚約者だったけれど、今回はただの婚約者なのだし。

学園に入ったってヒロインとの恋を応援しちゃえば国外追放は、もしかしたら有り得るけれど死ぬ可能性なんて低くなるし。


それに、婚約破棄をされたあとは、私も愛する人と出会って結婚しちゃえばいいのよ。


とりあえず、学園に入るまでは、会うことなんて、ほとんどないから、いつも通り過ごしちゃえばいい。そして、学園に入ったら、ヒロインがまたどんな手を使ってくるかは分からないけど、距離を取りつつ、ルビーのただの婚約者として、過ごせばいいのね!


なんだ〜意外と考えてたより、楽だわ。



急な話や急な来客が来たから疲れ、これからのことについて安心したら、眠気が襲ってきた。


何だか、いい夢が見れそうだった……。


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