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12.令嬢たちは街に行く①


貴族と、わからないようにアルナが準備してくれた平民の服を着る。メガネに三つ編みお下げ、そして地味目の服。アルナも似たような服で、顔にメイクで、そばかすをつけている。人目がつかないファッションというやつだ。

そう、今日は久しぶりに、お忍びでのお出かけだ。

貴族が着ているドレスとか着ていたら、街に出た時、もう浮いてしまうものね。それに、私には、これが楽だ。ドレスとか、窮屈すぎるのよね。色々と。


私が街に、出かけだしたのは、前前世の記憶を取り戻してからだ。

前世は、華やかな貴族に疲れた時は、アルナに無理言って、お忍びで連れてってもらっていたのよね…。なんて言うか、わいわいしているから商店街に似ているというか、雰囲気に落ち着けたのよね。


ふふ、今日は会えるかしら?本当に楽しみだわ!


「お嬢様…お顔がだらしないですよ」

「あら、いけないわね。楽しみすぎて顔がにやけてしまうわ」

アルナと顔を見合わせふふっと笑っているとふと、

「ヤメノはどこかしら?一緒に行くのよね?」

「あぁ、ヤメノは…」

と、アルナが言い終わる前に扉がノックされ

「お嬢様、アルナ先輩、準備できましたか?」

「!?」


ひょこっと顔を出したのは、ヤメノじゃないいや、ヤメノに似ている男の子だった…て、え?え?どうゆうこと?ちょっと待ってえ?

「え?え?」

「お嬢様、落ち着いてください」

「はい。えっと…どなたでしょうか?」


この姿じゃ、わかりませんよね〜と言って、笑った男の子は驚くことを言い出した。

「ヤメノですよ!お嬢様」

「ヤメノですって!?!?!」

「えぇ、ヤメノですよ」

「アルナは知っていたの?」

「すみません。知っていました」

「アルナ先輩には、黙っててもらってました。

俺は男です。黙っててすみません。」


ヤメノが男だったとは…全然知らなかった。

あ、だからか!だから、髪のアレンジや化粧はしてくれるのにドレスの着替えの時は部屋の外に出たり、湯浴みの時はいなかったりしていたのね。不思議だって思ってた。なるほど。なるほど。新たな発見ね!

「でも何故メイドの服を着ていたの?」

「あー、あれは……まぁ趣味ですよ、趣味」

「お嬢様にそのようなことを、言わないでください」


アルナに怒られ、「はぁい」と彼が言った。

まぁ、ヤメノが男であれ女であれ、アルナに怒られる光景は変わらないわね。


「さぁ!早く街に行きましょ!とりあえず、アルナは、私のお姉ちゃんでヤメノはお兄ちゃんね!」

「はい、お兄ちゃんですね!分かりました」

「えぇ、今日はよろしくお願いします!」


いや、ヤメノさん。可愛い系小悪魔女子かと思ってたら可愛い小悪魔イケメンではないですか……あぁ!時間が!街に早く行かないと街でゆっくりできないわ!


「さぁ!行きましょ、姉さん、兄さん!」

「はい、頑張って行きましょう」

「ええ!?歩いていくんですか!?」

「えぇ、すぐそこですし?」

「あ!敬語はダメよ!今日は兄弟なんだから」

「はーい、わかった。まぁ歩くのもいいか!行くぞ!妹よ!」

「はい!ヤメノ兄さん!」

「あ!ヤメノは女の時だから、この場合はロキで」

「ロキ兄さん!」

「はい。よく出来ました」

と、ロキは、頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。


「…過剰に馴れ合う事はいけませんよ、ロキ殿」


おおぉ!アルナ?どうして怒っておられるのですか??!今日は兄弟なのに…。

「ちゃんと分かってるよ、妹よ」

といいながら、私のポンポンと頭を触っているのは誰かしら。

「…分かってるなら良いのです」

あ、諦めたわ。アルナ姉さん諦めちゃったわ。


3人でワイワイと話していると、すぐに街に着いてしまった。楽しかったわ。


街も賑わっていた。見る人見る人、心の底からの笑顔のようで、不思議と元気が貰えるこの街の雰囲気と人々が大好きだ。

昼食を済ましてから、あの場所に行った。

居るかな〜居るといいな〜。


私はこの街の綺麗な場所。街を見守るように立っている花壇に囲まれた時計台の所に行く。あの子と会う時は決まってそこだ。

アルナは、分かっているから静かに着いてくる。ロキは分かっているのか知らないが、鼻歌を歌いながら着いてきてくれている。

私は少し速足で階段を登る。


この階段を登れば見える時計台に座って…居たわ!!!

あの、モサイ格好の子!私と同じ黒髪に地味な格好の!間違いなく、サファだわ!


私は嬉しくなって走って、サファの元に行った。


「サファ!お久しぶり!」

「あぁ、久しぶりだな、ダリー」


嬉しいのだけど…


「…お前…こんな子に会っていたのか?」


お隣に座っている…失礼な子は誰なのかしら??


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