決起
自分が飽き性なのは自覚してたけど、まさか早速半年も放置してしまうとは・・・
目を覚ますと、知らない記憶が僕の頭に入ってきた。
おそらくこの体の記憶なのだろう。
ということはさっきの頭痛は記憶をみたらキャパオーバーしたって感じかな。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
ここどこ。(本日二回目)
今度はどこかの家のようだ。
ちゃんと布団に寝かせてもらっている
よかったぁ、僕が倒れたあと誰かに拾ってもらえたんだ。
とりあえず、お礼を言うために一度起きようとしたら左腕に違和感があった。
なにか、僕の腕に巻きついている感じ・・・。
ま、まさか・・・蛇?!
い、いやいやまさか~。そんな理由・・・無いよね?!
とりあえず、確認してみよう!
意を決して、恐る恐る布団をめくると・・・
「そ、宗次郎?ッ!?」
え、ちょま、宗次郎!?
宗次郎って沖田総司の幼名じゃんか!!?
いま、僕の隣で沖田総司が寝てる。
新選組のファンとしては嬉しすぎて死にそうです。
ん?あれ?
なんで僕いま、この子供を沖田宗次郎ってわかったの?
まさかとは思うけど、この身体の持ち主って・・・
自分の考えがあっているか確かめるために記憶を探ってみた
やっぱり、会ったことある。
てか、なんか色々と衝撃の事実が発覚した。
・僕は試衛館の門弟
・家族は火事でみんな亡くなった
・宗次郎とは何度も手合わせしてる(ほとんど負けてるけど)
・僕は一番年下(5歳)
うわ、マジか~・・
本当にタイムスリップしてるよ・・・。
これは大好きな新選組に会えて喜ぶべきなのか、それとも神に無理やり仕事を押し付けられて悲しむべきなのか。
どっちにしろ僕のやることは決まってる。
神に頼まれたことをするしかない。
そう決心した時、あることに気がついた。
誰に記憶を見せたの?
うぉぉぉぉぉ!!?何故気づかなかったぁぁぁぁ!!!
記憶を見せたのが誰か分からないなら誰を探せばいいか分かんねぇ!!
(おい、神!誰に記憶を見せたのか教えろ!!!)
(神よ、誰に記憶を見せたのかお教えください)
(神様、押してください。)
いろんな言い方を心で念じてみたが返答はなかった。
自分で探し出せってこと?ヒントなしで?
ムズすぎるだろ!!
そう僕が唸っていると
「ん~、あ。新、おはよ~・・・」
「お、おはよう宗次郎。・・・」
宗次郎が起きた?
なぜ疑問形なのかと言うと、目が全く開いてないから寝言の可能性もあるのだ。
思わず条件反射で挨拶をしたためこれが寝言だったらかなり恥ずかしい・・・。
とりあえず、話しかけてみる。
「ねぇ宗次郎。なんで僕の布団にいるの?」
「・・・」
返事が無い。
ただの寝言だったようだ。
・・と思ったら
「昨日、寒くて新の布団暖かそうだったから・・・」
湯たんぽの代わりかよ!?
「あ、そ・・・とりあえず、さっさと起きなよ」
「え~、やだ、まだ寝る」
「やだじゃない!」
「寝るの!」
宗次郎が二度寝をしようとしているので、それを止めようと討論してたら
「おい、五月蝿いぞ!」
「朝からなんの騒ぎだ?」
と、人が来た。
そちらの方を見るとそこには、ガッシリとした体つきと美形で優しそうな男2人が立っていた
この2人は
「あらたー!!!」
「勇兄!ぐぇ!!」
ガッシリとした体つきの男、近藤勇が勢いよく僕に抱きついてきた。
「目が覚めたか。具合は悪くないか?痛いところはないか?」
いま、力強く抱きしめられてかなり痛いです。
なんて言えたら良いけど、勇兄は良かれと思ってやってるから断りにくい。
「おいおいかっちゃん、あまり強く抱きしめんなよ。新がまた倒れるぜ?」
「む、すまない。つい興奮してしまって・・・」
「けほっ、ありがとう歳兄」
美形で優しそうな男、土方歳三が助けてくれた。
なんとなく、見た目は敬語とか使ってそうな感じだけど口調が荒いというギャップが凄いね。
違和感は全くないけど。
「そういえば新、お前なんであんな所で倒れてたんだ?」
「あんな所?」
話を聞くと、どうやら僕を助けてくれたのは歳兄のようだ。
山菜採りをしてたら倒れてる僕を見つけて試衛館に連れてきたらしい。
「って訳だ。で、なんであんな所に?」
「えっと、散歩してたら急に頭が痛くなって・・・そこから覚えてない」
まぁ、嘘はついてない。
探索しようとしたらすごい頭痛がきたからね
「散歩って、なんで山に?」
「ん~、なんとなくかな・・」
「そうか、もう頭は痛くないか?」
「うん、大丈夫だよ。勇兄。」
「ならよかった。念のため今日は寝てなさい。」
心配性だなと思った。
けど、それは優しさから来るものと知っているからその言葉に甘えた。
ちなみに、宗次郎はこの間に二度寝をしてました。
「ほら、いい加減起きろ!」
「んー、いや」
「宗次郎、新がそろそろ寝るんだからいい加減起きなさい」
「はい、近藤さん!」
勇兄の一言であんなにぐずってた宗次郎が一瞬で起きた。
まさに、鶴の一声。
そして僕を寝かせるために三人は部屋から出ていった。
寝て起きたばかりだからすぐには寝れないと思ったが案外あっさりと寝れた。
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夢を見た。
顔の見えない、唐菖蒲の柄が入った着流しを着た男が僕の前に立っていた。
何故か見たことがあるような気がしたが気のせいだろう。
「君は誰?」
「ありがちな質問だな。」
「だって、僕は君を知らないんだからね。」
「いいや、忘れてるだけさ。」
「忘れてる?」
「あぁ、お前は見た目は子供、中身は大人という勘違いしてるのさ。だが違う。お前は見た目も中身も、まだ子供だ。」
『どういうこと?』と言おうとしたが声が出ずに口をパクパクさせるだけだった。
「時間か、まぁ、俺の代わりにーーーなー。」
最後に何を言ったのか僕は聞き取れなかった。
うまくまとまらない(´・ω・`)