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市子さんは流浪する  作者: FRIDAY
弐:遠く遠く、遠くまで
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18.戦況⑦

 

 

 いきなり通信機に怒鳴った向枝は、そのまま引き抜いた武器を淀みなく展開し、構えた。


「向枝さん!?」

「白城、武器を出しておいて。合図と同時に、私が射撃した地点へ全力疾走」


 冷徹にして端的な指令に、白城は半ば自動的に反応する。左手に携えていた己の武器の鯉口を切り、“だいだら”へ向かって半身になる。

 いつでも飛び出せる姿勢を。

 だが意識は追いついていない。


「向枝さん、いたっていうのは」

「“恐山の忌み子”よ……どうやら本当に、来ていたようね」


 それも、“あっち側”に、と苦々しく言いながらも、武器を手繰る手指に迷いはない。

 向枝の武器は、銀製の大弓だ。

 畳んだままでも一メートルを超え、展開すれば二メートル近くなる。

 つがえる矢は破魔の矢。

 射程距離は“認識できる範囲”。

 特務として、歴戦を潜り抜けてきた大弓だ。

 その銘は、


「霊弓“露陰ツユカゲ”。――光となりて穿ちなさい」


 放った。

 

 


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